児童手当とは?2024年10月より所得制限撤廃!制度拡充の具体的な支給額・申請方法など【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン
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児童手当とは、子どもを養育している保護者に支給される手当のことです。児童手当の支給により、家庭生活の安定や子どもの健やかな成長に役立てることを目的としています。この記事では2024年10月から変わる児童手当について、所得制限の撤廃や、支給期間・支給額の変更などを詳しく解説します。

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監修: 渡部伸
行政書士
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
慶應義塾大学法学部卒後、出版社勤務を経て、行政書士、社会保険労務士、2級ファイナンシャルプランニング技能士などの資格を取得。現在、渡部行政書士社労士事務所代表。自身も知的障害の子どもを持ち、知的障害の子どもをもつ親に向けて「親なきあと」相談室を主宰。著作、講演など幅広く活動中。
目次

児童手当とは?2024年10月からどう変わる?所得制限の撤廃も

児童手当とは、子どもを育てる家庭の生活の安定と、子どもが健やかに成長することを目的として、子育ての費用の一部を国や地方公共団体などが補助する制度です。
出典:児童手当の概要|こども家庭庁ホームページ
https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/gaiyou
児童手当の制度は、2024年10月から大きく変わります。全ての子どもの育ちを支える基本的な経済支援という位置づけを明確にするために、所得制限が撤廃され、支給期間が高校生までに延長されます。さらに、多子家庭は経済的支援の必要性が高いと考えられるため、第3子以降の支給額が月額3万円に増額されます。
主な改正内容(月額)
主な改正内容(月額)
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今回の制度拡充により支給対象となる「高校生年代」とは、18歳到達後の最初の年度末までの子どものことを指します。

2024年度の制度変更で、新たに申請は必要なの?

主に以下の場合は、今回の制度変更により申請が必要です。

・現在、高校生年代の子どものみを養育している
・現在、中学生以下の子どもを養育しているが、所得上限限度額を超過しているため、児童手当も特例給付も受給していない
・平成14年4月2日~平成18年4月1日生まれの兄姉(保護者が兄姉を世話をし、生計を負担費している)を含むと、3人以上の子どもがいる

そのほか、施設入所している子どもの場合にも申請が必要なことがあります。詳しくはお住いの市町村に問い合わせてみましょう。

児童手当の所得制限撤廃はいつから?共働きだとどうなる?

これまで所得制限により支給対象でなかった家庭や、所得制限限度額以上のために「特例給付」だった家庭も、2024年10月の支給分からは所得に関係なく同じ金額が支給されるようになります(所得制限の撤廃)。

2024年6月の支給分までは、以下のような所得制限があります。

◇2024年6月分までの所得制限の概要

「所得制限限度額」と「所得上限限度額」が定められており、それぞれの支給額は以下の通りです(収入額の目安は、子ども2人を養育し、配偶者の年収が103万円以下の場合の例)。

・所得制限限度額以上、所得上限限度額以下の場合:特例給付(月額5,000円)
所得制限限度額の収入額の目安…960万円

・所得上限限度額を超える場合:児童手当は支給対象外
所得上限限度額の収入額目安…1200万円

2024年6月までの所得制限は、共働きの場合、世帯年収ではなく児童手当の受給者の前年の所得で算定されます。受給者は、通常は所得が高い方です。

上記の所得制限が、国の「ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化」の一つとして、2024年10月から完全に撤廃されます。

児童手当の支給額・支給日は?

児童手当の支給額

児童手当では、「子どもの年齢」と「子どもが生まれた順序」に応じて受け取ることのできる金額が異なります。子どもの年齢等に応じた月ごとの支給額は以下の通りです。

◇2024年6月分まで(所得制限あり)
・3歳未満:15,000円/月
・3歳~中学生:10,000円/月
 ※第3子以降の場合、15,000円/月
・高校生年代以上:なし

なお、「第3子以降」の算定は、高校生年代(18歳の誕生日後の3月31日まで)以下の子どもが対象となります。

◇2024年10月分から(所得制限なし)
・3歳未満:15,000円/月
・3歳~高校生年代:10,000円/月
※第3子以降の場合、0歳から高校生年代まで30,000円

2024年10月からは、第3子以降のカウントの仕方も変わります。2024年6月までは算定対象が「高校生年代以下」でしたが、2024年10月からは「22歳到達後の最初の年度末まで」の子どもが算定対象(※大学生に限らず、親等の経済的負担がある場合)となります。

例えば、19歳・14歳・11歳の子どもがいる場合、これまでは「19歳の子ども」は算定対象外となり「14歳の子ども」から年齢順に一人目・二人目……とカウントされていました。しかし、2024年10月からは、「19歳の子ども」も算定対象となり、「19歳の子ども」から年齢順にカウントされます。

◇支給額の例(19歳・14歳・11歳の子どもがいる場合)
・2024年6月分まで
19歳(算定対象外)
14歳(1人目カウント)……10,000円
11歳(2人目カウント)……10,000円

・2024年10月分から
19歳(1人目カウント)……支給対象外
14歳(2人目カウント)……10,000円
11歳(3人目カウント)……30,000円

児童手当の支給日

児童手当は、支給月の前月分までの手当が指定した銀行口座に振り込まれます。

児童手当は、お子さんが生まれたあと、申請をしてはじめて受給できる手当です。市区町村に認定されれば、基本的には申請の翌月分から手当が支給されます。ただし、出生・異動・転居が月末だった場合、申請が翌月となっても申請月分から手当が支給されることがあります。詳しくは後述します。

具体的な支給月は以下の通りです。

◇2024年6月分まで
6月、10月、2月
例)6月の支給日に、2~5月分を支給

◇2024年10月分から
2月、4月、6月、8月、10月、12月
例)6月の支給日に、4~5月分を支給
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