森田療法とは?不安障害との関連や具体的な治療法(入院・通院)「あるがまま」という考え方について解説!

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森田療法とは、不安障害や強迫性障害(強迫神経症)、パニック障害を主な対象とした、日本生まれの精神療法です。不安や恐怖を消そうとするのではなく、自然な状態であると「あるがまま」に受け入れ、行動を行うことにより症状を軽減させていきます。この記事では、森田療法の考え方、治療が適応される人、ポイントや実際の具体的な治療や費用についてご紹介します。

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目次 森田療法とは? 森田療法の治療の考え方 森田療法が対象とする症状 森田神経質になりやすい人 森田療法における神経症のメカニズム 森田療法を理解するための5つのポイント 森田療法の治療は認定医により行われる 森田療法は自分でもできる? 森田療法を受けるまでの流れは?費用は保険が適用されるの? まとめ

森田療法とは?

森田療法とは精神科の医師であり研究者でもあった森田正馬(まさたけ)により創始され、1919年に確立された日本独自の精神療法です。

森田療法が対象とするのは、主に神経症の症状のある人です。神経症は森田療法の開発当時の症状の呼び名であり、現在の精神医学の領域では不安障害という疾患名で呼ばれています。

開発の当初は不安障害のみを対象としていましたが、現在では対人恐怖や広場恐怖などの恐怖症、強迫神経症、パニック障害、全般性不安障害などの不安神経症のある人や、最近ではアトピー性皮膚炎などの皮膚の疾患や摂食障害に対して森田療法を導入している病院もあります。

森田療法は考え方の転換による治療法です。森田療法では主に、不安を持つ人がとらわれている意識などに焦点をあて、不安の悪循環から脱却することを目指します。悩みを持つ人が縛られている考え方に対して、異なる考え方の枠組みを提供することによって症状を緩和していきます。症状の時期によっては薬物療法と併用しながら治療を進めていきます。

現在の一般的な医療においては「症状を取り除く」治療が行われています。つまり原因を探求し、取り除く、または修正していくことです。現代医学の原因を「取り除く」治療に対して、森田療法では症状である不安や恐怖などを受け入れることにより、症状を治療していきます。現代医学の「取り除く」医療は西欧由来の考え方ですが、森田療法の「受け入れ、生かす」という考え方は、東洋で発展してきた医学の考え方です。

森田療法の治療の考え方

「あるがまま、自然に生きる」という概念

森田療法では「自然」であることが治療の大変重要な概念とされています。森田療法では、人間のあり方を「正常か異常」というとらえ方ではなく、「自然か反自然か」という考え方から捉えています。

例えば、ペットが亡くなった時などに悲しみの感情が起こること自体は「自然」です。「反自然」とは、悲しみの感情を感じてはいけないと無理に取り除こうとする姿勢です。

「直接症状を治そうとするとかえって治らない」という考え方が森田療法の前提です。生活で生じる心身の感情などの反応は本来自然なものです。神経症の患者の人は、自然なあり方を「このようにあらねばならない」と知性で捉え、本来自然なはずの自分のあり方を否定することにより苦しんでいると解釈されます。森田療法では、不安と闘うのではなく受け入れる態度を醸成していきます。

森田療法が対象とする症状

森田療法が対象とするのは主に神経症(不安障害)の症状をもつ人です。

開発者の森田正馬によると、もともと神経質な性質をもった人が日常生活の中での不快な感覚を気にすることから神経症が始まるといいます。そして徐々に不快な感覚が増幅して感じられることで、重い苦悩にかられ症状が進行すると考えられています。
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森田正馬が定義した「森田神経質」って?

森田療法が対象とするのは以下のような症状のある人です。これらの症状をもつ人は森田神経質という独自の呼び方がついています。神経症(不安障害)のある人の大半は、自然に経験する症状を重大な病であると思い込み、あってはならないと強く排除しようとする特徴をもっているといいます。

森田神経質の症状レベルとしてA,Bの基準を満たすと共に,Cの5つの基準のうち,2項目を満たすこと。
A.症状(悩み)に対して違和感を持ち, 苦悩,苦痛,病感を伴う(自我異質性)。
B.自己の今の状態(性格,症状,悩み)をもって環境に適応し得ないという不安がある(適応不安)。
C.症状内容,症状への認知,関わり合い方などの項目のうち,2項目以上を満たすこと。
  1.症状(悩み)が起るのではないかという持続的予期不安を持つ(予期不安)。
  2.症状(悩み)の焦点が明らか(主に1つのことについて悩んでいる防衛単純化)
  3.自分の症状(悩み)は特別,特殊であると考える(自己の悩みの特別視)。
  4.症状(悩み)を取り除きたいという強い意欲を持つ(症状克己の姿勢)。
  5.症状の内容が,通常の生活感情から連続的で,了解可能(了解可能性)。
北西憲二/編『森田療法を学ぶ―最近技法と治療の進め方』2014年 金剛出版/刊

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森田神経質になりやすい人

森田神経質になりやすい人として、森田は「内省的」「執着性」「心配性」「完全主義」という4つの性格特徴をもつ人を挙げています。

■内省的である
反省心が強く、真面目で責任感が強いが、わずかの弱点・欠点も過大視し、劣等感を抱きやすい。

■執着性が強い
ねばり強く忍耐強いが、物事にこだわりやすく、融通がきかない。

■感受性が強く心配性な人
細かいことによく気が付き、人の気持ちを思いやることができるが、不安や苦痛に過敏となり、取り越し苦労をする。

■完全を目指しがちである
向上心、完全欲が強く、努力を惜しまないが、完全主義に陥りやすく、不完全であることを許すことができない。

以上のような4つの性格特徴の人が森田神経質になりやすいといわれてます。森田によると、このような性格特徴のある人は、不快な感覚を気にすることを発端として、症状から脱却しようと強く願うがあまりに結果として悪循環に陥り、さらに不安定になりやすいとされます。

森田療法における神経症のメカニズム

ここまでは森田神経質の症状の特徴と、森田神経質になりやすい人の性格特徴について見てきました。森田は独自の理論により、神経症(不安障害)の症状のメカニズムがあるといいました。ここでは、森田療法における神経症(不安障害)の起こるメカニズムについてご紹介します。

森田は、神経症(不安障害)の症状は「理想の自己の肥大」と「悪循環」により起こっているといいます。

「肥大した理想の自己」と「悪循環」

森田療法では、自己に対する意識のあり方を見直すことにより症状を和らげていきます。自己には、「理想の自己」と「現実の自己」という二つの種類があります。

「理想の自己」とは「このようになりたい」と望む自分です。「現実の自己」とは、「このようにある」今の自分です。人は、「このようにありたい」と理想の自己の目標を掲げることにより、現実の自己を理想に近づけようとしていきます。
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しかし、神経症(不安障害)の症状で起こっているのは、「このようになりたい」という思いが大きくなったがゆえに起こる、理想の自己が大きくなりすぎている状態です。この大きくなりすぎた理想の自己を、「肥大した理想の自己」といいます。ここで生まれた、理想の自己と現実の自己とのギャップは、「このようにあらねばならない」という義務的な思いへと転換し強い葛藤が起こります。

この状態の時の特徴として持たれがちなのは、不安や恐怖の全くない状態を望んだり、「症状さえなかったら自分は望む自分に必ずなることができる」という意識です。現在の自分の状態を受け入れられず、なんとか理想の自己に近づけたいと思うことでさらに悪循環が起こります。

例えば、就職試験の面接を例にして考えてみましょう。重要な就職試験の前には、緊張をしてうまくいかなかったらどうしようと不安になります。うまくやりたいという欲求が強ければ強いほど、不安や恐怖も大きくなります。

不安や恐怖の感情が起こることは当然であるので、感情や欲求を受け入れられればよいのですが、理想の自己が肥大した場合には、「緊張することはだめなことだ」と考えてしまいます。そして、緊張してしまう自然な心の動きを受け入れられずに緊張する気持ちをどうにかしようと、何度も練習を行ったり、瞑想をしたりして緊張をなくそうと対処します。

本当は自分の気持ちを面接官に伝えることが目的であるはずなのに、緊張を取り去って堂々と話すことに心が向かってしまいます。こうしてうまくいかなかったときには、「緊張する自分が弱いから」「だめだから」と悩み、現実の自己を追い詰めてしまいます。

このように理想の自己が過度に大きくなり「こうあらねばならない」と意識をするあまり、現実の自己を縛り、問題から逃げようとするほど悪循環にはまる、これが神経症で起こっていることの一つです。
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森田療法を理解するための5つのポイント

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