失読症は治るの?治療法は?

程度に個人差はあるものの、本人の努力やリハビリによって失読症の症状が改善することは多くあるといわれています。言語脳は非常にフレキシブルで、たとえ元々言語をつかさどっていた領域が損傷したとしても、他の部分が働くことで言語能力を取り戻せる可能性があるのです。

リハビリでの訓練方法

失読症のリハビリに関する報告はあまり多くはなく、また一致して効果を得たという方法はないようです。

脳の損傷部位や損傷の大きさなどにより文字が見えにくくなる細かいメカニズムは異なる可能性があり、そのために同じ訓練をおこなっても、人によって違った結果になるのではないかと考えられています。

リハビリの具体的な方法としては、小学生用の国語のドリルを使って読み書きの練習をしたり、新聞の見出しの書き写しなどをすることが多く、地道なリハビリの結果、見事職場復帰を果たせるレベルまで回復したという事例もあるようです。
純粋失読―書けるのに読めない
土本 亜理子 (著), 綿森 淑子 (監修)
三輪書店
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まとめ

失読症は、脳の損傷によって言語、記憶、行為、学習、注意など認知機能に障害が起こるいわゆる「高次脳機能障害」の一つです。脳卒中などによる脳の損傷の結果、文字がうまく読めなくなってしまう障害です。

言語や記憶の障害は、肢体不自由のように明らかな身体障害がなく、外見からうかがい知ることが難しいことから「見えない障害」と呼ばれます。

失読症もそのような特性を持つため、その認知度の低さも相まり、周囲の人に誤解されたり、不思議がられたりして苦しい思いをすることも少なくないようです。

特に近年は、インターネット・PC・スマートフォンの普及により、コミュニケーションにおける視覚的言語の役割は以前と比べ非常に重要になっているため、文字が読めない障害のある人は、想像以上にさまざまな場面で苦労をしています。

しかし同時に、そんな人々を手助けする技術とかツールも日々生みだされているのも事実です。そうした日々の技術進歩と、人々の認知度や配慮の向上により、「障害の無い社会」をつくっていくことが大切です。本記事が少しでもその役に立つことを願っています。
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