大人のチック症の困りごと

チック症の症状自体は大人と子どもで特に差異はありませんが、置かれる状況が異なるため具体的に困ることも違ってきます。

【チック症のある大人が困りがちなこと】
●自分の意志では止められない
●障害だと理解してもらいにくい
●わざとしていると誤解されることがある
●チックによって仕事や勉強に集中できなくなる
●チック自体やチックを抑えることでエネルギーを消耗する

チック自体も本人にとって精神的、肉体的につらいものですが、周囲の人に誤解されたり理解してもらえなかったりすることもつらく感じている方が多いようです。
参考:日本トゥレット協会
http://tourette-japan.org
参考:トゥレット友の会 
https://tourette-friends.jimdofree.com/

大人のチック症の受診先

大人のチック症、何科を受診すれば良いの?

チック症の診察や治療は心療内科精神神経科などで受けることができます。チックによって仕事や学校生活に支障が出ている場合は、一度受診をしてみるといいでしょう。日本トゥレット協会のHPには治療・診察ができる病院のリストがあるので、参考にしてみて下さい。
参考:NPO法人日本トゥレット協会|医療機関
http://tourette-japan.org/%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e9%96%a2/

大人のチック症、どんな治療をするの?

チック症の治療は、主に薬物療法、認知行動療法、併存症の治療という3つが行われます。また、チックの程度によっては、患者を安心させて自然に治まるまで経過を見る場合もあります。

■薬物療法
チック症の薬物療法では、高血圧の薬でもあるクロニジンが使用されることがあります。クロニジンはチックに伴うこともある不安感や多動などにも効果が見込まれます。ほかには、ハロペリドールなどの抗精神薬が使用されることがあります。

薬物療法ではチックが生活に問題とならない程度に抑えることを目的として、チックの減少とともに薬の量も減らしていきます。

■認知行動療法
認知行動療法とは症状を引き起こす考え方や行動の癖を、治療を通して自身でコントロールできるようにする方法です。チック症の方にはその中でも、習慣逆転法(ハビットリバーサル)と呼ばれる方法が用いられ、チックの頻度や程度を軽減させていくことを目指します。

■併存症の治療
チック症は障害や疾患が併存することが多く、チック症の治療と並行して併存症の治療行っていくことが多いと言われています。併存症は子どもの場合は、ADHD(注意欠如多動症)や強迫症、大人の場合はうつ病や双極性障害などがよく見られます。併存症の治療はそれぞれの障害や疾患に合わせて薬物療法などが行われます。
次ページ「チック症がある大人の方の、暮らしの工夫は?」

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