大人のチック症とは?症状や原因、ストレスとの関連性、受診先や治療方法など解説
ライター:発達障害のキホン
チック症とはまばたきや咳払い、うなり声などの行為が、本人の意思に関係なく突然、繰り返し出る疾患です。18歳以前に現れ成人するまでに自然に消えることも多いのですが、大人になっても症状が持続したり再発したりすることもあります。単なる癖との区別がつきにくいため、周囲に誤解を受けることもあり、学校や職場でつらい思いをしている方もいます。本記事では症状の解説と受診ガイド、治療方法、生活でできる工夫などを紹介します。
監修: 矢花芙美子
花クリニック 院長
東京都の渋谷区代々木で長年開業している(0歳から年齢制限なし)。
プレイセラピー、行動療法、対話精神療法などにより、発達の課題を持つ子ども、心理的な面での困難さを持つ子ども、養育に困難を持つ大人、社会生活に困難を持つ大人、生きにくさを持つ方々に対する治療や相談を行っている。
大人のチック症とは?
チック症とは
チック症とは、まばたきや首振り、咳払いなど、一見癖のように見える行為が断続的に持続して現れる疾患のことです。チックが出る子どもは20%程度と多く、4~6歳に始まり、10~12歳にピークを迎え、その後は自然と落ち着いていくと言われています。
ただ、大人になってもチックが続くことや、治まっていた症状が再発する場合もあります。
本記事では疾患の呼称を「チック症」、症状からくる動作や言動を「チック」と定義して説明していきたいと思います。
また、チック症と共にトゥレット症候群という名称を聞いたことがあるかもしれません。
トゥレット症候群とは、複数の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上にわたり続く状態のことです。
ただ、大人になってもチックが続くことや、治まっていた症状が再発する場合もあります。
本記事では疾患の呼称を「チック症」、症状からくる動作や言動を「チック」と定義して説明していきたいと思います。
また、チック症と共にトゥレット症候群という名称を聞いたことがあるかもしれません。
トゥレット症候群とは、複数の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上にわたり続く状態のことです。
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大人になってからもチック症は発症する?
アメリカ精神医学会発行の『DSM-5TR』(『精神疾患のための診断と統計のマニュアル』)では、チック症の診断基準のひとつとして18歳未満での発症が定義されています。
大人のチック症は、小児期に未診断だったものが表面化したか、一度治まっていたものの再発した場合がほとんどです。大人になって初めて症状が出た場合は、チック症ではなく以下のような別の病気やその後遺症、薬の副作用の可能性もあります。
・ハンチントン病やウイルス脳炎などの後遺症による脳の中枢神経障害
・コカインなどの薬物使用による副作用
・てんかん、ジストニアなど、別の脳神経疾患 など
また、チック症はほかの発達障害や強迫性障害(強迫症)などの精神疾患を併発していることも一定数あるという指摘がされていて、研究が進められています。
大人のチック症は、小児期に未診断だったものが表面化したか、一度治まっていたものの再発した場合がほとんどです。大人になって初めて症状が出た場合は、チック症ではなく以下のような別の病気やその後遺症、薬の副作用の可能性もあります。
・ハンチントン病やウイルス脳炎などの後遺症による脳の中枢神経障害
・コカインなどの薬物使用による副作用
・てんかん、ジストニアなど、別の脳神経疾患 など
また、チック症はほかの発達障害や強迫性障害(強迫症)などの精神疾患を併発していることも一定数あるという指摘がされていて、研究が進められています。
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チック症の症状
チック症の症状は種類によって音声チックと運動チックに分けられ、それぞれ症状の内容によって単純チックと複雑チックに分けられています。大人と子どもで症状に大きな違いはないと言われています。
音声チック
発声など音を伴う症状のことです。音声チックには、「あっ」「うっ」などの単話、咳払い、鼻すすり、うなり声や奇声を挙げるなどがあります。また、同じ言葉を繰り返す反復言語や、不適切な言葉を口走る汚言という症状もあります。
運動チック
体の一部を動かす症状のことです。目をぎゅっとつぶる、目をパチパチさせる、首を振る、肩をすくめるなどのほかに、腕を振る、匂いをかぐ、他人に触る、唾を吐くなどの症状が出る場合もあります。
単純チックと複雑チック
音声チックと運動チックにはそれぞれ、動作の複雑性などにより単純チックと複雑チックという分類があります。
先ほど挙げた症状でいうと、音声チックの咳払いや「あっ」などの単話は単純チック、汚言は複雑チックに分類されています。
運動チックでいうと、目をパチパチさせる、首をすくめるなどは単純チックで、腕を振る、飛び跳ねるなどは複雑チックに分類されています。
先ほど挙げた症状でいうと、音声チックの咳払いや「あっ」などの単話は単純チック、汚言は複雑チックに分類されています。
運動チックでいうと、目をパチパチさせる、首をすくめるなどは単純チックで、腕を振る、飛び跳ねるなどは複雑チックに分類されています。
チック症の原因や大人でチックが出やすくなる誘因
チック症の原因
何が原因でチック症が発症するかは、はっきりとは分かっていません。一説には遺伝的な要因や脳内の神経伝達物質であるドーパミンが不足するなどの要因が複雑に関係して発症するのではないかと言われています。
なお、目をパチパチさせるなどのチック症状自体は、チック症以外の疾患や特定の薬物の使用によって起こることがありますが、その場合にはチック症とは診断されません。
なお、目をパチパチさせるなどのチック症状自体は、チック症以外の疾患や特定の薬物の使用によって起こることがありますが、その場合にはチック症とは診断されません。
大人でチックが出やすくなる誘因
チック症の症状は一定ではなく、状況によって治まったり出やすくなったりすることがあります。特に、ストレスや疲労や不安や興奮などが誘因となって、症状が出やすくなると言われています。
大人の場合は、仕事でストレスがたまっていたり、マイナスな感情が多くなるとチック症状が出やすくなることが考えられるため、日ごろから心身の状態に気を配っておくとよいでしょう。
大人の場合は、仕事でストレスがたまっていたり、マイナスな感情が多くなるとチック症状が出やすくなることが考えられるため、日ごろから心身の状態に気を配っておくとよいでしょう。