大人のチック症とは?症状や原因、ストレスとの関連性、受診先や治療方法など解説
チック症とはまばたきや咳払い、うなり声などの行為が、本人の意思に関係なく突然、繰り返し出る疾患です。18歳以前に現れ成人するまでに自然に消えることも多いのですが、大人になっても症状が持続したり再発したりすることもあります。単なる癖との区別がつきにくいため、周囲に誤解を受けることもあり、学校や職場でつらい思いをしている方もいます。本記事では症状の解説と受診ガイド、治療方法、生活でできる工夫などを紹介します。
大人のチック症とは?
チック症とは
ただ、大人になってもチックが続くことや、治まっていた症状が再発する場合もあります。
本記事では疾患の呼称を「チック症」、症状からくる動作や言動を「チック」と定義して説明していきたいと思います。
また、チック症と共にトゥレット症候群という名称を聞いたことがあるかもしれません。
トゥレット症候群とは、複数の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上にわたり続く状態のことです。
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大人になってからもチック症は発症する?
大人のチック症は、小児期に未診断だったものが表面化したか、一度治まっていたものの再発した場合がほとんどです。大人になって初めて症状が出た場合は、チック症ではなく以下のような別の病気やその後遺症、薬の副作用の可能性もあります。
・ハンチントン病やウイルス脳炎などの後遺症による脳の中枢神経障害
・コカインなどの薬物使用による副作用
・てんかん、ジストニアなど、別の脳神経疾患 など
また、チック症はほかの発達障害や強迫性障害(強迫症)などの精神疾患を併発していることも一定数あるという指摘がされていて、研究が進められています。
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チック症の症状
音声チック
運動チック
単純チックと複雑チック
先ほど挙げた症状でいうと、音声チックの咳払いや「あっ」などの単話は単純チック、汚言は複雑チックに分類されています。
運動チックでいうと、目をパチパチさせる、首をすくめるなどは単純チックで、腕を振る、飛び跳ねるなどは複雑チックに分類されています。
チック症の原因や大人でチックが出やすくなる誘因
チック症の原因
なお、目をパチパチさせるなどのチック症状自体は、チック症以外の疾患や特定の薬物の使用によって起こることがありますが、その場合にはチック症とは診断されません。
大人でチックが出やすくなる誘因
大人の場合は、仕事でストレスがたまっていたり、マイナスな感情が多くなるとチック症状が出やすくなることが考えられるため、日ごろから心身の状態に気を配っておくとよいでしょう。
大人のチック症の困りごと
【チック症のある大人が困りがちなこと】
●自分の意志では止められない
●障害だと理解してもらいにくい
●わざとしていると誤解されることがある
●チックによって仕事や勉強に集中できなくなる
●チック自体やチックを抑えることでエネルギーを消耗する
チック自体も本人にとって精神的、肉体的につらいものですが、周囲の人に誤解されたり理解してもらえなかったりすることもつらく感じている方が多いようです。
大人のチック症の受診先
大人のチック症、何科を受診すれば良いの?
大人のチック症、どんな治療をするの?
■薬物療法
チック症の薬物療法では、高血圧の薬でもあるクロニジンが使用されることがあります。クロニジンはチックに伴うこともある不安感や多動などにも効果が見込まれます。ほかには、ハロペリドールなどの抗精神薬が使用されることがあります。
薬物療法ではチックが生活に問題とならない程度に抑えることを目的として、チックの減少とともに薬の量も減らしていきます。
■認知行動療法
認知行動療法とは症状を引き起こす考え方や行動の癖を、治療を通して自身でコントロールできるようにする方法です。チック症の方にはその中でも、習慣逆転法(ハビットリバーサル)と呼ばれる方法が用いられ、チックの頻度や程度を軽減させていくことを目指します。
■併存症の治療
チック症は障害や疾患が併存することが多く、チック症の治療と並行して併存症の治療行っていくことが多いと言われています。併存症は子どもの場合は、ADHD(注意欠如多動症)や強迫症、大人の場合はうつ病や双極性障害などがよく見られます。併存症の治療はそれぞれの障害や疾患に合わせて薬物療法などが行われます。
チック症がある大人の方の、暮らしの工夫は?
反対に環境調整や本人がリラックスできる生活習慣を身につけておくことが効果的と言えます。そこで、以下に3つの生活上の工夫を提案します。
周囲に理解者を増やす
チック症の治療を行っている医療機関や自助グループで症状理解のためのパンフレットを作成しているので、説明の際などに活用するとよいでしょう。
合理的配慮の例としては、受験や採用試験を別室で実施する、席にパーテーションを付けて周りが気にならないようにする、疲れた時に使える休憩スペースを確保する、通院日に休みを取りやすくするなどがあります。チック症と言っても困ることは人それぞれ異なるため、困りごとに合わせて学校や職場に相談してみるとよいでしょう。
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安心できる場所を作っておく
合理的配慮として、学校では保健室や空き教室、会社では会議室や備品置き場などを休憩スペースにしたという例もあります。現在の状況に合わせて、安心して過ごせる場所を作っておくようにしましょう。
定番リラックス法を決めておく
ヨガなどの軽い運動は「体が心地よい状態」を自発的に作ることができるので、心身を整える効果があると言われています。リラックスした状態を自分の意思で再現できるようになれば、緊張することは減り、精神的にも安定していくかもしれません。
大人のチック症、周囲の人にできることは?
1. まずはチック症を理解する
チック症特有の言動の繰り返しに、とまどいやイラ立ちを覚えることもあるでしょうが、故意や悪意でやっているのではないことを理解しておくことが大事です。
2. 日常生活では「温かい無視」を
「温かい無視」とは、簡単に言うと症状を理解した上で見て見ぬふりをするということです。症状のささいな変化には目をつぶり、チックは当事者の特徴の一つでいつかは消える、消えなくても大したことはない、とおおらかに受け止めることは当事者支援になります。
3. 求められた時には手助けする
大人のチック症はまだ認知度が低いため、周囲の人がなかなか理解できないのと同様に、場合によっては当事者自身も気づいていなかったり、受容できずに苦しんでいたりすることがあります。周囲の人にできることの基本は「温かい無視」なので過度の手助けは考えものですが、チック症であるという自覚や受容ができないまま苦しんでいる場合は、相談に乗るなどの支援をしてもよいかもしれません。
大人のチック症の相談先
主な相談先として、
・自治体の障害福祉窓口
・発達障害者支援センター
・保健センター/精神保健福祉センター
・チック症/トゥレット症の当事者会
などがあります。
相談しやすい場所に問い合わせてみるといいでしょう。
まとめ
時にはわざとやっていると誤解されたり、悪意を向けられたりすることもあるため、当事者は社会適応に困難を感じることもあります。
チック症の根本的な治療法はまだ確立していませんが、研究も日々進められています。チックとのつきあい方を知り学校や会社を休むほどの症状ではなくても、本人が苦しいと感じているのであれば、一度病院へ行き、相談をしてみましょう。
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