何度も椅子から落ちる息子が「発達性協調運動障害」と診断されるまで

ライター:GreenDays
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息子は食事をとったり勉強をしたりしている時に、突然椅子から転び落ちてしまうことがありました。そのほかにも道で転ぶなどあまりにも大怪我をすることが多く不思議に思って病院に行ったところ、医師から「発達性協調運動障害の可能性がある」と言われたのでした。

あまりにも不器用な息子。それが発達障害の診断へと繋がった

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6歳の息子には自閉症スペクトラム・ADHDの他に発達性協調運動障害の診断が下りています。

幼い頃からとにかく不器用さの目立つ子で、少し歩けば物や壁にぶつかって転び、咄嗟に手をつくことが出来ずに顔面強打しては、一生消えないであろう傷をいくつも作ってきました。

目にも障害があったため、見えにくさが転倒の原因だと思っていたのですが、成長とともに「おかしい」と思うことが増えていきました。

・物を上手く掴むことができない
・ご飯を食べていてもすぐにスプーンを落としてしまう
・お絵描きをすると線がぶるぶると震える
・幼稚園に入っても赤ちゃん用のブロックをはめることができない
・ボタンをとめることができない

これは目の問題ではなく脳に障害があるのかも知れないと病院で検査をしてもらいましたが、特に問題はなしとの所見。
ではこの不器用さはどこから来ているのか?お医者さまと話し合った結果、発達検査を受けることになったのです。

その頃の私は発達障害についてほとんど知識はなく、不器用さが発達障害とリンクしているとは思ってもいませんでした。なので「わが子が発達障害かも知れないなんて!?」とかなりの衝撃を受けました。しかし一方で、「これで原因がわかるかも知れない…」とほっとしたのも事実です。

こうして受けた検査によって、「発達性協調運動障害」の診断が息子に下されることになったのです。

息子の「発達性協調運動障害」

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発達性協調運動障害の症状は、「粗大運動」と「微細運動」に分類することができます。

「粗大運動」とは、歩く・走る・姿勢を保持するなど、体全体を使った人間の基本的な運動
「微細運動」とは、持つ・書く・摘まむ・ひねるなど、指先を使った緻密な運動

息子の場合は、このどちらの症状も大きく出ていたことが原因で、日常生活を円滑に送ることができなかったのです。

あのまま「努力すれば普通にできるはず」とやみくもに息子に訓練を強いる日々が続いていたら、おそらく今のように息子が笑顔を見せてくれることはなかったでしょう。

息子自身のせいでもなければ、私の教え方のせいでもない。診断が下りて、育児のアプローチの仕方もずいぶん変わって来たように思います。
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DCD(発達性協調運動症)とは?具体的な特徴や対応法/専門家監修

椅子から消える息子を救ったお助けグッズ

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さて、そんな息子は食事中や勉強中に、突然椅子から落ちてしまうことが多々ありました。

体幹が弱く、姿勢を保持するのが難しいため、ある瞬間に座っている椅子から身体ごと落ちてしまうのです。本人も「落ちそうだ」とは全く思っていないので、スプーンを持ったまま、あるいは鉛筆を持ったまま、ストンと床に落ちてしまうのです。

「粗大運動」機能が上手く発達していないために、このようなことが起こるのですね。

診断が下りる前は、大人用の椅子に子供用のクッションを固定して高さを合わせていたのですが、まず足を置く板がついている子供用の椅子に買い換えることにしました。

それでもやはり、落下は止まりません。これを解決するには体幹を鍛える必要があるのですが、それを待っていてはいつか大怪我をしてしまいます。

そこで、あれこれ探した結果、小学校への導入事例もあるという「ピントキッズ」というクッションを利用してみることにしました。
ピントキッズは作業療法士によって監修された姿勢補助のためのクッションです。

結論から言うと、この「ピントキッズ」の使用は大成功!
お尻の部分がくぼんでいるので、姿勢を保持できない息子の体もしっかりと支えてくれるからだと思います。
使い始めてから1年半になりますが、息子が家の中で私の視界から突然消えてしまう事はなくなりました。

また、体幹を鍛えるために近くの体操教室に週に何度も通い、家の中で「遊びながら体幹を強くできれば」と、トランポリンやバランスボール、バランスクッションなどを用意しました。

このようにいろいろな努力はしているのですが、まだ相変わらず歩けばぶつかり走れば転び、家の中で転倒しない日はありません。
それでも少しずつ息子なりに進化しているはずだと、焦らず地道な努力を続けて行こうと思っています。
ピントキッズ
http://pin-to.net/kids/
次ページ「「文字を書く」ということの困難さに直面」

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