アホ男子の授業参観で冷や汗タラリ…謝る私に、先生から意外な一言が

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元気なお子さんの授業参観で、ヒヤヒヤすることのある親御さんはいらっしゃるかと思います。私も息子の参観日には冷や汗を流しているクチです。初めての授業参観を振り返り、今考えていることについて書いてみました。

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息子が小学校に入り、はじめての授業参観へ

自閉症スペクトラムと注意欠陥障害を持つ息子は、この春小学2年生になった。

小学校入学前に主治医とも十分に話し合い、メリット及びデメリットを考慮したうえで、息子は通常学級に通っている。

以前コラムにも書いたように色々あったにはあったが、その後、担任の先生や支援コーディネータさんと会談を重ねて連携を取り合い、今ではおおむね、上手くいっている。
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さて、話は遡って1年生当時のこと。息子の話から察するに、日々楽しく過ごしているようであったし、ときおり常同行動を起こす以外、特に問題なく授業を受けることができているとの旨、担任の先生から聞かされていた。

元々多動や衝動性は見られなかったが、年を重ねるにつれて、それまでになかった特性が目立ち始めることもあるらしい。そうした懸念がわずかばかりあるにはあったのだが。

「きちんと着席して授業を受けていますし、何の問題もありませんよ」

先生がそうおっしゃるなら大丈夫だろう―私は安心して、また、我が子がどんな様子で授業を受けているのだろうかと楽しみな気持ちで、初めての授業参観へと向かった。

このとき私は発達特性のことばかり気にかけていたために、もうひとつの大切な事実をすっかり忘れていたのだった…

廊下から見学する私に気づいた息子は、満面の笑みで…

授業が始まってすぐに教室に行けば、息子は私の姿を確認し、集中しなくなる―そうした確信があった私は、5分ほどわざと遅れて学校に着いた。

そして廊下の窓から我が子の姿を確認すると…確かにきちんと着席し、真面目に授業を受けている。と思ったら、徐々に徐々に、頭の位置が下がっているではないか。椅子に沿って体を下方にスライドさせ、頭部は背もたれに、背面は台座に。まるで椅子の上で無理やり仰向けで寝ているような姿勢である。

(ちょっと…何やってるんだよあいつ…)

私は、背中に冷たい何かが伝うのを感じた。と思ったらすぐに座り直したので安堵していたら、今度は尻が椅子ごと後ろにスライド。顎を机上に載せ、両腕をだらりと投げ出している。

(…態度悪っ!!!)

それからまた姿勢を正したものの、先生が話している間、真顔で黙って白目を剥いたり、明後日の方を向いたり…。

すると間もなく、息子はこちらの存在に気づいた。小さく手を振り、素人でも読唇できてしまう口の動きで声を出さずに

「か・え・り・た・い!」

と満面の笑みを見せた。
それを受けて、ひきつりを隠せないと承知で精一杯の笑顔を作り、

「ま・え・を・む・け!」

と、やはり声を出さずに返した私。
その後も何度となく笑顔でこちらを向く息子に、「こっち見んな!前向け前!」というアクションを私が返す、というやりとりを繰り返した。

このとき私は先人たち、そう、男子小学生を育てた経験のある親御さんたちから聞いていた、「男子小学生の多くは愛すべきアホで、そのために肝を冷やすことがしばしばある」という話を思い出していた。

(忘れてた…こいつ、アホだった…)

今ならわかる。授業参観は彼にとってイレギュラーなできごと。たくさんの親御さんたちが見守る中で授業を受ける状況に疲弊し、著しく集中力が低下していたのだ(この日の帰り道、本人の口から聞いた)。

しかし、今だからこれも言える。「発達特性も関係あるけど、あれは息子だからこその行動だ」と。
私はこの日、たっぷりの冷や汗をかいた。“アホ男子母”としての洗礼を受けた気がした。

私「息子がほんと、すみません…」 先生「え?ちゃんと頑張ってましたよ」

「すみません…息子は普段もあんな感じなんですかね…?」

あのような態度の児童がいたら先生も授業をやりにくかろう…特性によるストレスがあるとはいえ、親の私としてはその辺りが心配で、後日担任の先生に電話をかけた。

「普段はちゃんと授業に集中してますよ。あの日はやっぱり、いつもと違う状況にとまどっていたんですかねぇ…」
先生は笑って普段の姿について教えてくださったあと、こう続けた。

「でも、ちゃんと着席していましたし」
「えっ?ちゃんと?」
「ええ。お母さんがいらっしゃる前も、ちゃんと着席していましたよ」
「あ、でも来たあと…」
「立ち上がったりしてないですもの」
「あ…!」
「ちゃんと着席していましたもんね」

つまり、こういうことだ。
先生のおっしゃる「ちゃんと着席」は「持ち場である座席から離れていない」ということで、私が勝手に想像していた「ちゃんと着席」は、「しっかり台座に尻を置き、前を向いている」ということだったのだ。

「ちゃんと着席…していましたね」
「ええ!いつも学習を頑張っていますよ!」

息子なりに取り組もうとすることを理解、寄り添おうとしてくださっている先生にお礼を伝え、私は電話を切った。

学校は、「正しい姿勢」を身につけるための場所なのだろうか

過日、授業中における子どもの姿勢保持について、友人たちと話題になった。発達障害当事者は空間認知能力の点において弱いため、同じ姿勢を保ち続けることが苦手な人が多いという。体幹を鍛えることで幾ばくかはカバーできるらしいが、その話は横に置く。

かつての私のように、親御さんは、「授業中、“他の子と同じように”正しい姿勢で授業に取り組めているか」と、ついその外面ばかりを気にしてしまうかも知れない。

とはいえ、姿勢を保持するというのはそんなに大事なことなのだろうか。学校の授業の本位が何なのかを考えたら、学業に取り組むことができていたら、それで充分なのではなかろうか。その“授業に取り組む”ことだって、ひとりひとりにできる精一杯がある。ちょっとした音や視覚情報に影響されて、集中力を削がれてしまう子だっているだろう。

とある友人が言っていた。

「寝転がっていてもなんでもOKだったり、そういう子が姿勢保持できるような机や椅子がある環境で勉強できる、そんな学校があったらいいのにね」と。

彼女の言葉を聞いて、「障害は人と社会の間にあるもの」ということを再確認した。変えるべきは、“授業中、他の子と同じように正しい姿勢を保持できないこと”なのか、それとも…
 
 
 
それはそれとして、うちの息子の話。
発達障害もありつつ、アホ男子としての落ち着きのなさもある。周りのご配慮をありがたく受け止めつつ、こちらも皆様に配慮せねばならぬと思っている2年生の初夏。
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