子どもの難病、小児慢性特定疾病とは?医療費の助成制度と自己負担金額の仕組みや福祉サポートを解説!
ライター:発達障害のキホン
継続的な治療が必要になる子どもの病気の中に「小児慢性特定疾病」に指定されている疾病があります。小児慢性特定疾病はどのような基準で認定されているのでしょうか?公的支援も整備されていますが、高額で長期的な治療が必要な場合の医療費助成制度の仕組みや更新手続きについてくわしくご紹介します。また子育ての中での困りごとをサポートするための相談窓口もまとめました。
小児慢性特定疾病とは?
小児慢性特定疾病とは、18歳未満の子どもの病気のうち、以下の4つの項目を満たしていると厚生労働大臣が認定した子どもの病気のことを指します。
・慢性に経過する疾病であること
・生命を長期に脅かす疾病であること
・症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病であること
・長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病であること
平成29年4月1日現在、722の疾病が対象となっています。代表的な病気は、Ⅰ型/Ⅱ型糖尿病や小児ぜんそく、ダウン症などがあげられます。幼少期から発症し、継続的な治療や療育が必要になるものがほとんどです。認定されている病気は以下のリンクからご覧ください。
・慢性に経過する疾病であること
・生命を長期に脅かす疾病であること
・症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病であること
・長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病であること
平成29年4月1日現在、722の疾病が対象となっています。代表的な病気は、Ⅰ型/Ⅱ型糖尿病や小児ぜんそく、ダウン症などがあげられます。幼少期から発症し、継続的な治療や療育が必要になるものがほとんどです。認定されている病気は以下のリンクからご覧ください。
なぜ特定の病気を「小児慢性特定疾病」として認定しているのでしょうか?その目的は大きく分けて2つあります。
ひとつめは、患者のためにより良い治療方法の研究や新薬の研究などを進めるという医学的な目的です。もうひとつは、重い病気を治療するために必要になる高額な医療費を軽減するためです。まずは、医療費助成制度についてまとめました。
ひとつめは、患者のためにより良い治療方法の研究や新薬の研究などを進めるという医学的な目的です。もうひとつは、重い病気を治療するために必要になる高額な医療費を軽減するためです。まずは、医療費助成制度についてまとめました。
小児慢性特定疾病の医療費助成制度
どんな制度なの?
小児慢性特定疾病の医療費助成制度とは、小児慢性特定疾病に関する治療を受けた場合にかかる医療費を、一定金額の自己負担金額以外は国が助成してくれる制度です。医療費助成制度における自己負担額の上限は所得によって決められています。
ある一定の金額を超えたら、助成金を受けることになります。具体的な年収と患者の自己負担額は以下の図表をご覧ください。
ある一定の金額を超えたら、助成金を受けることになります。具体的な年収と患者の自己負担額は以下の図表をご覧ください。
例外として、同じ世帯に小児慢性特定疾病や指定難病の患者がいる場合は、金額が異なります。個人単位の自己負担金額ではなく、世帯単位での負担金額の上限が決められます。世帯内にいる患者の自己負担額を比べた時に、自己負担額が高い金額で計算される仕組みです。
対象年齢は?
基本的には、18歳未満の児童等が対象です。18歳を超えた場合でも、医師が引き続き治療が必要だと判断した場合は、20歳未満まで延長されます。
成人を迎えた後の治療に関しては、指定難病に対しての難病医療費助成制度や高額療養費と医療費控除などを利用して、医療費の負担を軽くすることができます。それぞれの制度の利用に関しては以下の記事をご覧ください。
成人を迎えた後の治療に関しては、指定難病に対しての難病医療費助成制度や高額療養費と医療費控除などを利用して、医療費の負担を軽くすることができます。それぞれの制度の利用に関しては以下の記事をご覧ください。
難病の定義から支援の申請方法まで!就職や福祉に関するサポートをご紹介します。
医療費助成の仕組み
医療費の助成を受けるためには、申請が必要になります。申請を行う窓口は、都道府県、もしくは一部の政令指定都市などの地方自治体です。具体的な支援やサポートのガイドラインは国が定めているので、医療費助成について調べる際は、国が運営している「小児慢性特定疾病情報センター」のHPを見ることで、まとまった情報を手に入れることができます。
地域ごとに、実際の支援やサポートが違うことがあるので、自分の住んでいる地域に関しての情報は、各自治体の相談窓口でご確認ください。
申請方法は?
小児慢性特定疾病の医療費助成の申請については以下のとおりです。
1. まず、指定医療機関を受診して、診断を受けます。
2. その診断に基づき、医師に「医療意見書」を作成してもらいます。
3. 「医療意見書」と申請書類を国から指定されている地方自治体の窓口に提出します。
4. 小児慢性特定疾病審査会によって、書類や病気の症状に対して審査が入ります。
5. 審査を終えると、申請した地方自治体より結果が届きます。
上記の申請により、医療費助成が受けられる医療費受給者証が手に入ります。窓口への申請で必要になる書類は、各地方自治体の保健福祉局のホームページなどでダウンロードすることができます。
1. まず、指定医療機関を受診して、診断を受けます。
2. その診断に基づき、医師に「医療意見書」を作成してもらいます。
3. 「医療意見書」と申請書類を国から指定されている地方自治体の窓口に提出します。
4. 小児慢性特定疾病審査会によって、書類や病気の症状に対して審査が入ります。
5. 審査を終えると、申請した地方自治体より結果が届きます。
上記の申請により、医療費助成が受けられる医療費受給者証が手に入ります。窓口への申請で必要になる書類は、各地方自治体の保健福祉局のホームページなどでダウンロードすることができます。
「医療意見書」はどうやって取得するの?
医療意見書は、各病気のカテゴリごとに違うので、自分の病気がどのカテゴリなのかを調べた上で、ダウンロードすることになります。下記のページにはカテゴリごとにまとまっているので、自分の病気名を探した上で、書類を手に入れることができます。自分で記入する個所もあるので、分からない場合は診断を受ける医師に相談しましょう。
重症患者認定基準って?
小児慢性特定疾病の医療費助成制度には、重症患者を認定する仕組みがあります。小児慢性特定疾患の中でも、特に高額な医療費が長期間にかけて必要になる病気や、同じ病気でも症状が重い患者に対して、負担金額を下げるものです。
各病気ごとに基準がつくられており、重症患者の認定をもらうためには、医師の診断が必要になります。詳しい診断基準等は、以下のページをご覧ください。
各病気ごとに基準がつくられており、重症患者の認定をもらうためには、医師の診断が必要になります。詳しい診断基準等は、以下のページをご覧ください。
小児慢性特定疾病の医療受給者証は更新が必要です
定期更新
医療費助成制度をうけるために、必要になる医療受給者証。この書類の有効期限は、申請日からの1年間となっています。
医療費の助成を継続して受ける場合は、更新手続きが必要になります。指定された医師からの診断を受け、医療意見書を申請書類として提出することが求められます。各都道府県ごとに多少違いはありますが、更新が必要な方に対して期限が切れる3~4か月前に更新のお知らせが届きます。
更新の手続きには2~3か月かかるので、受給者証の期限が切れてしまった場合は、一時的に立て替えた上で、払い戻しを受けることになります。
医療費の助成を継続して受ける場合は、更新手続きが必要になります。指定された医師からの診断を受け、医療意見書を申請書類として提出することが求められます。各都道府県ごとに多少違いはありますが、更新が必要な方に対して期限が切れる3~4か月前に更新のお知らせが届きます。
更新の手続きには2~3か月かかるので、受給者証の期限が切れてしまった場合は、一時的に立て替えた上で、払い戻しを受けることになります。
18歳以降の更新手続き
前述した通り、18歳になっても引き続き治療が必要だと認められる場合は、20歳未満まで期間が延長されます。このときに、期限が切れてからの更新手続きは認められないので注意が必要です。また、18歳以降に使用できる医療費助成制度は他にもいくつかあり、相談は、かかりつけの医師や市区町村の窓口で行うことができます。