絶対的な安心感の中で育ってほしい。私の願い。

さて、娘と同じような特性を持っていた私が子どもだった頃は、学校に行くのが当たり前の時代でしたので、私は何の疑問も持たずに学校に通っていました。

しかし、自分を理解してくれる人は1人もいない孤独感と、自分が周囲の友だちと同じように感じられない焦燥感は常に付きまとい、私は自分を出来損ないの人間だと思って生きてきました。友達はたくさんいましたし、運動部にも入っていましたので、集団生活になじめていないわけでもなかったのですが、自分を押し殺して他人に合わせて過ごすたびに「ここは自分の本当の居場所ではない」と感じていたのです。

そうして、“こんな自分を必要としてくれる人はいない”と思って生きていましたので、誰かに必要とされると、それが同性であっても異性であっても「ずっと必要とされたい」「失望されたくない」という思いから、相手の嫌な部分には目をつむり、“自分さえ我慢すれば必要としてもらえる”という歪んだ思考に陥って、精神的にボロボロになることも少なくありませんでした。

でも今は、子どもを産み育てる中で「この子たちから必要とされている」という絶対的な安心感を感じ、ようやくありのままの自分で生きられるようになりました。

できれば、自分の子どもたちにも、そして同じように発達障害を抱えるお子さまたちにも、「自分を絶対的に受け入れてくれている人がいる」という安心感の中で育ってもらいたい。そうすれば、いろいろな問題に直面しても自分を卑下せず、工夫しながら前に進む力を持つことができるのではないかと思うのです。

そんな風に願いながら、よく子どもたちに「ママのところに生まれて来てくれてありがとう」「ここにいてくれるだけで幸せだよ」「大好き」と声をかけます。「家族なんだからそんなことをわざわざ言わなくても伝わるでしょ?」と言われることもありますが、環境から学ぶことが苦手な子どもたちですから、なるべくたくさん伝えた方がいいのです。

普段から言い慣れていないとちょっと恥ずかしいかも知れませんが、まずはメモ程度のメッセージからでもいいと思います。お子さまたちに「君は大切な存在なんだよ」ということをご自身の言葉で伝えてみませんか。子どもたちが困りごとに立ち向かう大きなパワーに繋がるかも知れませんよ。
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