パーソナリティ障害とは?分類と症状、原因や具体的な治療法、周囲の接し方について徹底解説!
パーソナリティ障害とは、一般の人と比べて偏った考え方や行動パターンのために家庭生活や社会生活、職業生活に支障をきたした状態を指します。「境界性パーソナリティ障害」や「自己愛性パーソナリティ」などさまざまなタイプがありますが、本記事ではパーソナリティ障害全般に共通する原因や診断、治療法、パーソナリティ障害と発達障害の関係などについてわかりやすく解説します。
パーソナリティ障害とは
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そもそも「パーソナリティ」って?
人間は誰でも、考え方や行動のパターンに何かしらの特徴・偏りを持っていて、そうした「その人らしさ」といえるような特徴を“パーソナリティ”と呼びます。「人付き合いの好きな人」「自己中心的な人」「神経質な人」「怒りっぽい人」などさまざまなパーソナリティがあります。
今日の精神医学・心理学の分野では、パーソナリティは「性格」と「気質」という2つの要素が合わさったものと考えられています。「性格」はパーソナリティの心理社会的側面を、「気質」は遺伝的・器質的素因といった生物学的な側面を意味します。
アメリカの精神科医ロバート・クロニンジャーは、性格を形作るものとして「自己思考」「強調」「自己超越」という3つの要素を、気質を形作るものとして「新奇性探求」「損害回避」「報酬依存」「固執」という4つの要素があると考え、合計7つの要素からなるパーソナリティ理論を提唱しました。
この理論は、前者の3つの要素は体験からの学習として得られ、後者の4つは生まれつき備わっている要素なのではないかということを示唆しています。
「人格障害」から「パーソナリティ障害」へ。呼び名が変わった背景は?
本記事では、それぞれ異なった特徴を持つパーソナリティ障害のタイプ別分類、各種パーソナリティ障害の概要やパーソナリティ障害の原因といった基本情報に加えて、パーソナリティ障害と発達障害との関連、具体的な治療法、周囲の接し方などについて、わかりやすく解説します。
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複数のパーソナリティ障害が重なり合うこともある
根本のパーソナリティを特定することが大切
もともと何らかのパーソナリティの偏りを持っていた人が、その偏りが原因で問題を抱えるようになった結果、二次的に新たなパーソナリティ障害の傾向を示すようになることもあります。
なかには3~4つのパーソナリティ障害を併発する人もおり、そのようなケースではその人がもともと持っていたパーソナリティを特定することが重要となります。
併発しやすいタイプ
・境界性パーソナリティ障害
・演技性パーソナリティ障害
・自己愛性パーソナリティ障害
・反社会性パーソナリティ障害
といったパーソナリティ障害は「対人関係に支障をきたす」「自己中心的な考え方をする」「反社会的な行動をとる」など共通した特徴を持っており、相互に重複の可能性が指摘されています。
さらに、自己愛性パーソナリティ障害と強迫性パーソナリティ障害が重なるケースも指摘されているようです。
パーソナリティ障害の原因
原因は十分に明らかになっていない
それでも、さまざまな研究が進められていて、生物学的な特性や発達期の経験がパーソナリティ障害の発症に関与することなどが指摘されています。
例えば、衝動的な行動パターンには脳内の神経物質の関与が認められること、幼少期の辛い経験が発症に影響を及ぼすといった研究結果が報告されています。
遺伝的要因と環境的要因
遺伝的要因が関与する割合については、双生児による研究を通して推定されることが多いです。ある疾患の遺伝率を求める場合、一卵性双生児と二卵性双生児で、一人がその疾患にかかっているとき、もう一人の兄弟がその疾患にかかる割合(一致率)を調べます。
遺伝性が高い疾患では、二卵性に比べて一卵性双生児での一致率がとても高くなります。一方で、遺伝率が低い疾患だと、一卵性双生児と二卵性双生児との間で一致率にあまり差は見られません。
このような方法を用いた研究によれば、パーソナリティ障害の遺伝率は50~60%ほどという結果もあるようです。
このことから、程度遺伝的要因はパーソナリティ障害に関連するが、それだけではない環境要因も影響すると言われています。
最も重要な環境要因は「親」?
そのため親子関係の変化する各段階におけるなんらかのつまづきによって偏ったパーソナリティが形成されて行く可能性も少なくないと考えられます。
例えば、乳児期に適切な世話や愛情を受けることができないと、安定した愛着が構築されず、外界や他者に対して不安や恐怖を抱くなるようになってしまう可能性があることが専門家によって指摘されています。
しかし、その可能性は様々にあるパーソナリティ障害の要因の一つにすぎません。また、どのような要因があるにせよ、原因探しが必ずしも治療の手助けになるわけではありません。時をさかのぼって過去をやり直すことができない以上、原因は原因として客観的に受け止め、「現実の問題に対して対応していく方法」について考えていくことが大切なのではないでしょうか。
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パーソナリティ障害と関連するその他の障害
本章では、前半で合併しやすい障害・疾患について、後半で症状の似たものについて紹介します。それぞれの障害・疾患について詳しく知りたい方は、関連記事をご参照ください。
パーソナリティ障害と合併しやすい障害・疾患
気分障害の一つであるうつ病は、パーソナリティ障害と合併しやすいといわれています。
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自己愛性パーソナリティ障害に合併しやすいといわれています。
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アルコールや薬物への依存症状は、反社会性パーソナリティ障害と合併しやすいといわれています。
パーソナリティ障害と似た症状がみられる障害・疾患
妄想性障害は、妄想性パーソナリティ障害や妄想型統合失調症と症状が似ています。
パーソナリティ障害と発達障害の関係は?
他者と考え方や感じ方か違う、自己中心的になりやすい、衝動的な言動がみられるといった特徴・傾向は、パーソナリティ障害・発達障害の両方でみられることがあるため、見分けるのは容易ではありません。
また、発達障害のある子どもは、学校でいじめを受けたり、勉強についていけなくて周囲に叱責されたりと、自尊感情が損なわれやすい傾向があります。そのために自我がうまく育たず、他者と友好関係を築くのが苦手になり、しだいにパーソナリティに偏りが生まれてしまう場合もあるようです。
上記のように、発達障害をベースとして二次的にパーソナリティ障害と同様の症状が現れている場合には、発達障害の治療と並行してパーソナリティ障害への対応に準じた対応策が必要とされます。
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パーソナリティ障害かもと思ったら?相談先は?
身近な人に抑うつ症状や衝動行為をしていて、それが心配になるレベルである場合には、精神科か心療内科に受診して専門医の診断を仰ぐことが好ましいでしょう。すぐには診断は出ませんが、それでも相談したり、強い症状をある程度治療によって抑えることができる場合もあります。精神的に安定した状況を取り戻し、ほかの障害の併発を防ぐためにも、できるだけ早期の受診が望まれます。
はじめから医療機関に行くことに対して抵抗を感じる場合は、精神保健福祉センター・保健センター・地域活動支援センターなどといった地域の相談窓口を利用してもよいでしょう(名称は地域によって異なることがあります)。
パーソナリティ障害の診断の流れ
受診先は精神科・心療内科
面接を繰り返しながら診断をおこなう
医師は、面接を繰り返す中で、気持ちや考え方に変化がないかなどを確認しながら診断を進めていきます。また、患者さんは過去の出来事や幼少期の親子関係などについて聞かれることもあります。
患者さんの話だけでは性格や気質を捉えきれないと医師が判断した場合には、心理テストを行い、その結果を判断材料とすることもあります。
問診や心理テストの結果を分析し、DSM-5、あるいはICD-10の診断基準に照らし合わせながら最終的な診断が下されます。
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パーソナリティ障害の経過と治療法
しかしながら、すべての人に有効な決定的な療法は見つかっておらず、同じ治療法でも人によって効果は異なります。根本的な治療法は精神療法、対症療法としては薬物療法が用いられるのが基本ですが、さまざまな治療法を組み合わせながら、その人に合った方法で治療が進められます。
より具体的には、以下のような治療法が代表的といわれています。
精神療法
医師や心理技術者といった治療者が患者さんとの面接を通して患者さんのパーソナリティ障害に対する理解を促したり、認知や思考・行動パターンの偏りや問題点の改善を目指していく根本的な治療です。
面接は、治療者と患者さんの1対1で1週間に1~2回、30分~1時間程度行われるのが一般的なようです。この治療法では、患者さんと治療者の間に信頼関係があることが前提条件になります。
■集団精神療法
その名の通り、集団で行うことが特徴の治療法です。患者さん、治療者に加え、ほかの患者さんも交えたグループで話し合いをしたり、共同作業を行ったりという活動の中で生まれる患者さん同士の相互効果を治療に生かします。
同様の障害を持つ人と交流することで、障害を客観的に理解したり、「人の振り見て我が振り直せ」効果を期待することができます。
■家族療法
家族療法では、患者さん本人のみならず、家族に対しても治療を行います。患者さんと家族との関係性を捉え、そこに存在する問題の解決を目指す治療法です。家庭における家族一人ひとりの役割を見直し、正常化することで、患者さんの精神的な安定をはかります。
具体的には、治療者が家族と面接を行ったり、家族内での問題への対処法に関する助言や指導を行ったりします。
薬物療法
認知行動療法
パーソナリティ障害のある人に対する、周囲の接し方は?
家族が医師の話を聞きながら適切な対応をとっていくことが大切です。
まずは障害を理解しましょう
程度に差はあれど誰もが持っている「考え方の偏り」によって社会活動に支障が生じるパーソナリティ障害は、誰にでも起こりうる障害であるといえます。
「治療には時間がかかる」「本人には自覚が乏しいこともある」「治療においては周囲のサポートが重要」といった特徴について理解しておくことで、治療が進みやすくなります。
患者本人が受診したがらないとき
そうした状況下で周囲によって受診を強くすすめられると、「どうして自分が病院に行かないといけないんだ!」とますますかたくなになってしまう可能性もあります。
家族は、本人が医療機関を受診する前から「病気」や「障害」と決めつけるようなことはせず、「あなたの悩みを軽減・解消するために行ってみない?」といった促し方をしてみましょう。
受診について切り出すタイミングに関しては、患者さんの気持ちが安定していて、落ち着いて会話ができる状態が好ましいでしょう。
ひきこもりへの対処法
例としては、自分が他者に受け入れてもらえるか・どう評価されるのかということを過剰に心配してそとの社会との関わりを避けるケースや、もともと人付き合いが嫌いもしくは苦手で、対人関係のストレスを避けるケース、仕事上の失敗などが原因で自信を失い社会に戻ることを拒むケース、外の世界に興味・関心が持てなくて外に出る気持ちが起こらないケースなどが挙げられます。
患者さんがひきこもっているとき、家族が無理に外へ連れ出すのは好ましくないとされています。その人がひきこもっているのにはそれなりの理由があるはずなので、その気持ちを尊重し、理解しようとする姿勢を示すほうが解決につながりやすいでしょう。
社会での対人関係やコミュニケーションをとることに対する不安からひきこもり状態になっているときには、ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)を受けることが状況の改善につながることもあります。
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暴言や暴力への対処法
こうした暴力や暴言も衝動行為の一つで、自分の感情をうまくコントロールできないために直接的な行動によって発散している状態です。親や交際相手、自分の子どもなど、身近な人ほど対象になりやすいです。
パーソナリティ障害の人が粗暴な言動をしたとき、周囲の人は極力冷静に対応することが求められます。家族まで感情的になって同じように暴力や暴言で対抗してしまうと、患者さんはさらに動揺し、不安を強め、精神が不安定になり、さらに衝動的になるという悪循環に陥ってしまう可能性があります。
解決を目指すうえでは、容易なことではないとは思いますが、専門家との連携をとりながら、患者さんをつねにあたたかく見守っていく姿勢をくずさないようにすることが重要です。患者さんを安心させることで衝動行為の抑制をはかりましょう。
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まとめ
治療に際しても、一人ひとりの症状や考え方の違いに応じて、異なった対応が必要になります。専門の医師による治療やアドバイスを受けながら、患者さん本人や周囲の人たちもその症状を理解し、焦らずじっくりと対応していくことが大切です。
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