パーソナリティ障害と関連するその他の障害
パーソナリティ障害には、合併しやすい障害や疾患があると言われています。また、その他にも症状が似ている障害の存在も指摘されています。
本章では、前半で合併しやすい障害・疾患について、後半で症状の似たものについて紹介します。それぞれの障害・疾患について詳しく知りたい方は、関連記事をご参照ください。
本章では、前半で合併しやすい障害・疾患について、後半で症状の似たものについて紹介します。それぞれの障害・疾患について詳しく知りたい方は、関連記事をご参照ください。
パーソナリティ障害と合併しやすい障害・疾患
■うつ病
気分障害の一つであるうつ病は、パーソナリティ障害と合併しやすいといわれています。
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■双極性障害
双極性障害はうつ病と同じく気分障害の一つであり、気分が高まる「躁(そう)状態」と気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。サイクロイド・パーソナリティ障害、サイクロタイパル・パーソナリティ障害の場合、双極性障害へと進展するケースが指摘されています。
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■統合失調症
幻覚や幻聴、気分の落ち込みがある統合失調症。妄想性パーソナリティ障害、スキゾイド・パーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害から進展することがあるといわれています。
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■不安障害
不安が異常に高まってしまう疾患である不安障害はパーソナリティ障害と合併することがあります。
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■強迫性障害
自己愛性パーソナリティ障害に合併しやすいといわれています。
自己愛性パーソナリティ障害に合併しやすいといわれています。
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■摂食障害
摂食障害の症状の中でも、「過食」は境界性パーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害に合併しやすいようです。
摂食障害の症状の中でも、「過食」は境界性パーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害に合併しやすいようです。
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■アルコール依存・薬物依存
アルコールや薬物への依存症状は、反社会性パーソナリティ障害と合併しやすいといわれています。
アルコールや薬物への依存症状は、反社会性パーソナリティ障害と合併しやすいといわれています。
パーソナリティ障害と似た症状がみられる障害・疾患
■妄想性障害
妄想性障害は、妄想性パーソナリティ障害や妄想型統合失調症と症状が似ています。
妄想性障害は、妄想性パーソナリティ障害や妄想型統合失調症と症状が似ています。
妄想性障害のほかにも、発達障害はパーソナリティ障害と似た特徴・傾向がみられることがあります。パーソナリティ障害と発達障害との関係については、次章で解説します。
パーソナリティ障害と発達障害の関係は?
発達障害とは脳機能に先天性の障害があるために、幼児期から発達に何らかの遅れや困難が生じることを指します。その症状は、通常低年齢の発達期において発現することが多いといわれています。
他者と考え方や感じ方か違う、自己中心的になりやすい、衝動的な言動がみられるといった特徴・傾向は、パーソナリティ障害・発達障害の両方でみられることがあるため、見分けるのは容易ではありません。
また、発達障害のある子どもは、学校でいじめを受けたり、勉強についていけなくて周囲に叱責されたりと、自尊感情が損なわれやすい傾向があります。そのために自我がうまく育たず、他者と友好関係を築くのが苦手になり、しだいにパーソナリティに偏りが生まれてしまう場合もあるようです。
上記のように、発達障害をベースとして二次的にパーソナリティ障害と同様の症状が現れている場合には、発達障害の治療と並行してパーソナリティ障害への対応に準じた対応策が必要とされます。
他者と考え方や感じ方か違う、自己中心的になりやすい、衝動的な言動がみられるといった特徴・傾向は、パーソナリティ障害・発達障害の両方でみられることがあるため、見分けるのは容易ではありません。
また、発達障害のある子どもは、学校でいじめを受けたり、勉強についていけなくて周囲に叱責されたりと、自尊感情が損なわれやすい傾向があります。そのために自我がうまく育たず、他者と友好関係を築くのが苦手になり、しだいにパーソナリティに偏りが生まれてしまう場合もあるようです。
上記のように、発達障害をベースとして二次的にパーソナリティ障害と同様の症状が現れている場合には、発達障害の治療と並行してパーソナリティ障害への対応に準じた対応策が必要とされます。
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パーソナリティ障害かもと思ったら?相談先は?
パーソナリティ障害であるかどうかを、当事者本人が自覚したり、周囲の家族や友人が判断することはきわめて難しいといわれています。
身近な人に抑うつ症状や衝動行為をしていて、それが心配になるレベルである場合には、精神科か心療内科に受診して専門医の診断を仰ぐことが好ましいでしょう。すぐには診断は出ませんが、それでも相談したり、強い症状をある程度治療によって抑えることができる場合もあります。精神的に安定した状況を取り戻し、ほかの障害の併発を防ぐためにも、できるだけ早期の受診が望まれます。
はじめから医療機関に行くことに対して抵抗を感じる場合は、精神保健福祉センター・保健センター・地域活動支援センターなどといった地域の相談窓口を利用してもよいでしょう(名称は地域によって異なることがあります)。
身近な人に抑うつ症状や衝動行為をしていて、それが心配になるレベルである場合には、精神科か心療内科に受診して専門医の診断を仰ぐことが好ましいでしょう。すぐには診断は出ませんが、それでも相談したり、強い症状をある程度治療によって抑えることができる場合もあります。精神的に安定した状況を取り戻し、ほかの障害の併発を防ぐためにも、できるだけ早期の受診が望まれます。
はじめから医療機関に行くことに対して抵抗を感じる場合は、精神保健福祉センター・保健センター・地域活動支援センターなどといった地域の相談窓口を利用してもよいでしょう(名称は地域によって異なることがあります)。