アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人が知っておきたい!恋愛のキホンとは

ここではアスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人が誤解しやすい、恋愛や結婚に関する基本的なルールを解説していきます。

出会い~片想い

幸運にも好きな人と出会うことができた時、両思いを願いながらアプローチしていくのは勇気がいることだと思います。この段階で念頭に置いておきたいことは、自分が相手のことを好きだからといって、相手も自分のことが好きかどうかはわからないということ、勇気を出して気持ちを告白したとしても、断られる場合もあるということです。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人は、自分が相手のことを好き、という気持ちのみで突っ走ってしまうことがあります。ですが、自分と相手の気持ちが常に一致するとは限らないこと、相手には相手の気持ちがあるということを理解しなくてはなりません。

他にも、この段階で気をつけたいことは以下のようなものが挙げられます。

・デートやプレゼントだけが好意や愛情を示す手段ではない
・メールや電話は直接顔を合わせないが、相手のことを考えてする必要がある(メールや電話をする頻度を相手と同じくらいに合わせてみる、丁寧な文面・話し方を心がけるなどの配慮が必要)
・相手の気持ちは言葉だけでは図ることができない 
・嫌な時はきちんと「嫌です」「やめてください」などと断る
・許可なく急に異性に触らない


交際をスタートさせるまでは、相手が自分のことをどのように思っているか、なかなかわかりません。だからこそ、相手のことを思いやったアプローチを心がけましょう。

また、残念ながらアプローチに対して断られてしまった場合、すぐに諦めたり切り替えたりすることは大変難しいと思います。ですがこの時も相手には相手の気持ちがある、という考え方を忘れないこと、むやみにアプローチを続けようとしないことを意識し、ゆっくりと時間をかけてでも相手の答えを受け入れていくことが大切です。

交際スタート~結婚

見事、好きな人と交際ができた、結婚したなど、好きな人がパートナーとなった場合も心がけておくことがあります。例えば、このようなことが考えられます。

・勉強や仕事と恋愛のバランスが極端に偏りすぎないように心掛ける(依存しない)
・恋人だからといってなんでも言われた通りにしない
・相手との間に完璧を求めすぎない、妥協点をさぐる
・別れることになっても執着しすぎない、追いかけ過ぎない


相手と両思いになった、結婚し、生涯のパートナーになったという場合でも、「自分は自分、相手は相手」という考え方を忘れてはいけません。自分にも相手にもそれぞれ抱えている事情があります。そのうえで2人で折り合いをつけつつお互いの気持ちを尊重し合う、お互いに勉強や仕事をするべき時は学習や業務に集中し、恋愛が生活の100%にならないよう声を掛け合う、など工夫することで良い関係性を築いていくことにつながるでしょう。

パートナーがアスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の場合、心がけたいこととは?

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)について理解を深める

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)のパートナーに対して、「どうして相手に構わずストレートな物言いをするのだろう」「約束を守れなかったのはわざとではなく事情があるのに、いくら説明してもわかってくれない」など、さまざまな不満や困り感を抱いている人は多いのではないでしょうか。

パートナーがアスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の場合、まずアスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)にはどのような特性があり、生活の場面で何につまずいてしまいがちなのかを理解することからはじめましょう。相手からの言葉や行動から、むやみに「自分のことをわかっていない」「実は相手は自分のことを好きではないのかも」と捉えてしまうと、お互いが本当に理解しあう前に関係が破綻してしまうこともあります。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特性を知ることで「わざとあんな言い方をしてるのではなくて、あいまいなコミュニケーションが苦手だからなんだ」「規則や約束を何があっても完璧に守ろうとする特性があるから、予定を変更するとパニックになるのか」とパートナーへ抱いていた不満や悩みが、特性ゆえのものであることが納得できると思います。特性とパートナーの困り感を結びつけて理解できると、困り感の改善方法は2人にとってよりよいものになります。そしてより前向きな姿勢で相手との関係をつくりあげていくことにつながります。

相手に対して直してほしいこと、嫌だと思ったことについて、伝え方を工夫する

前の記述でも詳しく説明したように、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人はあいまいなコミュニケーションが苦手という特性があります。そのため、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)のパートナーに対して不満があった時に「あなたのこういうところが嫌!直して!」とただ感情的に気持ちをぶつけてもアスペルガー症候群の人にとってはなぜ嫌なのか、なぜそんなに感情的なのか、わからないことが多くあるそうです。パートナーに直してほしいところがあり、それを伝えたいと思った場合、次の3ステップを意識してみることをおすすめします。

1. 自分が不満に思った、相手の言葉や行動を詳しく説明する
2. その言葉や行動に対してどんな感情を抱いたのか
3. 相手にはこれからどのような言葉・行動を心がけてほしいのか


この3ステップに則ってはっきりと具体的に伝えてあげることで、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人も相手の考えに納得することができ、不満や困り感が解消されるかもしれません。
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あらかじめ二人で話し合っておく

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人は、他の人の気持ちを察するのが苦手であり、またパターン化した状況から柔軟な対応が難しいことがあります。

たとえば、風邪で寝込んでいるパートナーに対しても「ご飯をつくって」と言い、自分はマイペースにゲームに没頭してしまうなど、がっかりさせたりイライラさせてしまうことがあります。

そうした事態を避けるために、「忙しい時や体調が悪い時は家事分担していても例外として代わることもある」などとあらかじめ決めておくなどするとよいでしょう。もし、その場で伝える場合には感情的にならず、どうしてほしいかを具体的に言うようにします。

相談できるような人や場を探しておく

これまでアスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)のパートナーとうまくつきあっていくための工夫を紹介してきましたが、そうはいっても相手とのコミュニケーションに悩んだり、困ったりする場面は多いと思います。そんな時、家族や友人をはじめ、相談しやすい人が誰かを把握し、少し悩んだらすぐ相談できるような環境を整えておくことが大切です。家族や友人には話しづらい…という方は、パートナーがアスペルガー症候群の人が立ち上げたネット上のコミュニティなどで同じ悩みを持つ人を探してみたり、体験談を読んでみたりするのもよいでしょう。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人とのコミュニケーションがうまくいかず、深く悩んでしまうと、カサンドラ症候群と呼ばれる二次障害が生じることもあります。悩みが深刻化し、そのような二次障害を発症する前に、周りの人やコミュニティの中で、相談できるところをいくつか見つけておくことをおすすめします。
発達ナビコミュニティ カサンドラ症候群に悩まされて
https://h-navi.jp/community/communities/52
カサンドラ症候群の症状・原因・対処法、ASD(自閉スペクトラム症)のある家族とお互いに無理なく過ごすための4つのヒント【専門家監修】のタイトル画像

カサンドラ症候群の症状・原因・対処法、ASD(自閉スペクトラム症)のある家族とお互いに無理なく過ごすための4つのヒント【専門家監修】

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人の恋愛体験談

ここで発達ナビに寄せられた、恋愛体験談を紹介します。

まずはパートナーにアスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の傾向があるという人の経験談です。アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特性に対する理解が相手と関係を築いていくうえで大切である、ということを実際に感じたとのことです。
私は、自分が先天性の「ろう者」で、アスペルガーの夫がいます。
夫が、アスペルガーと分かったのは結婚して一緒に暮らしてから、だんだんとアレ?!と思う事が色々と起きて、友達の家でひょんなことから目にした本の中にアスペルガー関連の事が載っていて、思い当たる事がいっぱいあり、夫抜きで1人で発達障害専門の病院へ相談をしに行ったら、アスペルガーの可能性が90%ですね!(残りは本人がいないから) と言われて、やっぱり!!!とモヤモヤしていたのが消えたんです。
私も、先天性の障害だから、アスペルガーも先天性の障害なので、こんなものか!と軽く捉えるようになり、夫が突然パニックを起こしても、あまり気にならなくなりました笑
やっぱり、お互いの事を理解すればするほど、「なんで?」と思わなくなるし、新しい発見もあったりして楽しいです。
出典:https://h-navi.jp/qa/questions/29288
パートナーに感じていた疑問や不満も、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特性ゆえなんだ!と気づくことで、ある程度解消されるケースは多いようです。お互いの理解が深まるうちに疑問や不満が少なくなり、代わりに「新しい発見」として楽しむことができると、2人の関係性もより素敵なものになりますね。

次に、高機能自閉症当事者の方の恋愛体験談です。
異性との接し方が全くわからないので、自分からは全く動けない。
恋愛感情が芽生えたことは頻繁にあっても、自分を誤魔化し続けるのが精一杯。

(中略)

女性との仕事の話や、自分が客として女性店員と接するのに、最近ようやく慣れたところ。
出典:https://h-navi.jp/qa/questions/56275?community_category=trouble&order=desc
異性との接し方ははっきり教えてくれるような場がなく、世の中にはぼんやりとした、それでいてさまざまな情報が出回っています。そのため、どのように異性と接すればよいかわからず、誰かに好意を抱いてもアプローチなどできない、と思っている人は少なからずいるのではないでしょうか。

体験談を寄せてくださった方は、女性と仕事の話を通して関わりをもってみる、店員と客という立場を通して女性と話してみるという方法で、女性と接することに対して慣れようと試みているそうです。

このように、恋愛や結婚を目指す前に、異性とのコミュニケーションに慣れるという目的で、異性の店員さんなどに話しかけることもひとつの方法と言えます。さまざまな人と話すうちに、異性の中でも性格や趣味、興味などが違うこともわかってくると思います。異性と接することに慣れていくうちに、自分に合う人の特徴も徐々にはっきりとわかってくるかもしれません。
高機能自閉症とは?アスペルガー症候群とは違うの?【専門家監修】のタイトル画像

高機能自閉症とは?アスペルガー症候群とは違うの?【専門家監修】

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