低身長で受診する時の検査内容って?
子どもの身長の伸びが悪かったり、平均よりぐんと低かったりすると、「子どもの身長が低くて不安…病院で診てもらった方がいいのかな?」と心配になる親御さんも少なくないと思います。以下、どのくらい身長が低い場合病院へ行くべきなのか、また受診したらどんな検査を受けるのかについて説明します。
検査を受けた方が良いかもしれない基準って?
子どもの身長に対して、病院へ相談してみる・検査を受けてみることをおすすめする基準は、主にこの2点です。
・子どもの身長が-2SD以下
・身長の伸びが悪い状態が2年続く
・子どもの身長が-2SD以下
・身長の伸びが悪い状態が2年続く
子どもの身長の伸びが心配になったら、まずは子どもの成長曲線をつけてみましょう。成長曲線とは、子どもが生まれてから身長の伸びが止まるまでの間、身長と体重の伸び方や増え方をグラフに記録したものです。多くの成長曲線には、平均身長だけでなく-2SDから+2SDの身長も記載されていますので、子どもの身長を成長曲線にしてみて、身長が-2SD以下の場合は一度専門家に相談してみましょう。
また、身長自体は-2SD以上でも、身長の伸び率が急に微々たるものになったり、全く伸びなくなったりする状態が2年以上続いている場合も、専門家への相談をおすすめします。
相談先として、かかりつけの小児科医がある場合はまずはそこを受診するのがよいでしょう。そのほかにも小児内分泌科や内分泌内科でも低身長を取り扱っていたり、低身長専門外来などを設けていたりするクリニックもあります。かかりつけ、もしくは近所の小児科に相談し、場合によってはより専門的に診てもらえる病院を紹介してもらうのも良い手段です。
また、身長自体は-2SD以上でも、身長の伸び率が急に微々たるものになったり、全く伸びなくなったりする状態が2年以上続いている場合も、専門家への相談をおすすめします。
相談先として、かかりつけの小児科医がある場合はまずはそこを受診するのがよいでしょう。そのほかにも小児内分泌科や内分泌内科でも低身長を取り扱っていたり、低身長専門外来などを設けていたりするクリニックもあります。かかりつけ、もしくは近所の小児科に相談し、場合によってはより専門的に診てもらえる病院を紹介してもらうのも良い手段です。
病院へ受診したら、どんな検査をするの?
実際に低身長かも?と思って病院へ受診すると、どんな検査を受けるのでしょうか。大きく分けると、まず最初に受けるスクリーニング検査と、スクリーニング検査によって成長ホルモン分泌の異常が考えられる時に行われる、成長ホルモン分泌刺激試験(負荷試験)があります。
■スクリーニング検査
スクリーニング検査では、成長曲線の記入・手の骨のX線撮影・尿検査・血液検査を行います。
まずは過去の身長記録をもとに成長曲線を正確に記入することで、子どもの生後から受診時までの成長スピードやパターンを把握します。そのため、低身長で初めて病院に受診する、スクリーニング検査を受ける場合、子どもの成長がわかるもの(母子手帳、学校での身体測定の結果など)を持参しましょう。また、手の骨のX線からは、骨年齢や骨の成長度合いがどの程度か確認することができます。
血液検査や尿検査からは成長ホルモンをはじめとするホルモン値が正常かどうかだけでなく、肝臓や腎臓などの内臓機能の異常や、ウイルス感染などの有無も調べることができます。また、ターナー症候群やプラダー・ウィリ症候群などの染色体の病気が疑われる場合は染色体を詳しく調べる検査も行われることがあります。
スクリーニング検査は基本的に1回の受診ですべて行うことができ、2週間程度で結果がわかるところが多いようです。
■スクリーニング検査
スクリーニング検査では、成長曲線の記入・手の骨のX線撮影・尿検査・血液検査を行います。
まずは過去の身長記録をもとに成長曲線を正確に記入することで、子どもの生後から受診時までの成長スピードやパターンを把握します。そのため、低身長で初めて病院に受診する、スクリーニング検査を受ける場合、子どもの成長がわかるもの(母子手帳、学校での身体測定の結果など)を持参しましょう。また、手の骨のX線からは、骨年齢や骨の成長度合いがどの程度か確認することができます。
血液検査や尿検査からは成長ホルモンをはじめとするホルモン値が正常かどうかだけでなく、肝臓や腎臓などの内臓機能の異常や、ウイルス感染などの有無も調べることができます。また、ターナー症候群やプラダー・ウィリ症候群などの染色体の病気が疑われる場合は染色体を詳しく調べる検査も行われることがあります。
スクリーニング検査は基本的に1回の受診ですべて行うことができ、2週間程度で結果がわかるところが多いようです。
■成長ホルモン分泌刺激試験(負荷試験)
スクリーニング検査の結果から、成長ホルモンの分泌に問題がありそうだ、と診断された場合、成長ホルモンの分泌に関してより精密な検査を行います。
成長ホルモン分泌刺激試験では、子どもに成長ホルモンの分泌を促進する薬を投与し、一定時間ごとに採血をします。その血液中に成長ホルモンがどのくらい出ているかを見ることで、成長ホルモンの分泌状態を確認します。薬を使って意図的に成長ホルモンの分泌を促しても血液中に成長ホルモンが分泌されない、またはごく少量である場合、成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断がつくことになります。
成長ホルモン分泌刺激試験で成長ホルモン値が正常であることがわかった場合は、成長ホルモン治療などの必要性がないため、経過観察という措置が取られます。
スクリーニング検査の結果から、成長ホルモンの分泌に問題がありそうだ、と診断された場合、成長ホルモンの分泌に関してより精密な検査を行います。
成長ホルモン分泌刺激試験では、子どもに成長ホルモンの分泌を促進する薬を投与し、一定時間ごとに採血をします。その血液中に成長ホルモンがどのくらい出ているかを見ることで、成長ホルモンの分泌状態を確認します。薬を使って意図的に成長ホルモンの分泌を促しても血液中に成長ホルモンが分泌されない、またはごく少量である場合、成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断がつくことになります。
成長ホルモン分泌刺激試験で成長ホルモン値が正常であることがわかった場合は、成長ホルモン治療などの必要性がないため、経過観察という措置が取られます。
低身長に有効な成長ホルモン治療ってどんな治療法?
低身長に何かしらの治療が有効であるという診断がついた時は、多くの場合成長ホルモン治療が行われます。成長ホルモン治療は先ほど説明したような検査の結果によって、成長ホルモンの分泌に異常があると認められた場合のみ適用されます。
治療方法
成長ホルモン治療は、毎日寝る前に注射で成長ホルモンを注入するという方法で進められます。成長ホルモンは本来、脳下垂体から毎日分泌されるものです。そのため、治療によって成長ホルモンを外から補完する際も、本来のホルモン分泌の仕組みと同じように毎日少しずつ補う方が、効果が高く、副作用も出にくくなると言われています。
自らで注射を打たなくてはならない、と聞くと「自分で注射を打つなんてできるだろうか…」などと不安に感じる親御さんもいるかもしれません。成長ホルモン治療に使われる注射はペン型で操作しやすいものですし、針も非常に短くて細いものを使用します。注射をする箇所は臀部や太腿などです。
病院でも医師や看護師が使い方を丁寧に教えてくれるので、過度に心配になる必要はありません。
自らで注射を打たなくてはならない、と聞くと「自分で注射を打つなんてできるだろうか…」などと不安に感じる親御さんもいるかもしれません。成長ホルモン治療に使われる注射はペン型で操作しやすいものですし、針も非常に短くて細いものを使用します。注射をする箇所は臀部や太腿などです。
病院でも医師や看護師が使い方を丁寧に教えてくれるので、過度に心配になる必要はありません。
治療期間
成長ホルモン治療は、取り入れてすぐに効果が出るようなものではありません。治療開始時にどのくらい骨が成熟しているかにもよりますが、基本的には数年を見越した長期的な治療となります。
骨端線が閉じて骨が完全に大人の骨になると、いくら成長ホルモンを補っても骨の伸びにはつながりません。定期的な病院での検査で、大人の骨になったという結果が出ると、成長ホルモン治療は終了となります。
成長ホルモン治療は長期間の治療であることに加え、毎回注射でホルモン剤を打つということは子どもにとってストレスになる可能性があります。そのため、治療の継続には周りの大人のサポートが必要不可欠になってきます。
注射を打つ必要性を理解するには難しいような低年齢の子どもには眠った後に注射をしてみる、低身長への自覚・治療の理解ができる年頃の子どもには、注射が寝る前の習慣になるように声をかけてみるなど、さまざまな工夫で子どもをサポートしている親御さんもいるようです。治療を計画通りに進めることはもちろん大切ですが、子どもに無理をさせたり、ひどく不安を与えたりしないように寄り添いながら治療と向き合っていきましょう。
骨端線が閉じて骨が完全に大人の骨になると、いくら成長ホルモンを補っても骨の伸びにはつながりません。定期的な病院での検査で、大人の骨になったという結果が出ると、成長ホルモン治療は終了となります。
成長ホルモン治療は長期間の治療であることに加え、毎回注射でホルモン剤を打つということは子どもにとってストレスになる可能性があります。そのため、治療の継続には周りの大人のサポートが必要不可欠になってきます。
注射を打つ必要性を理解するには難しいような低年齢の子どもには眠った後に注射をしてみる、低身長への自覚・治療の理解ができる年頃の子どもには、注射が寝る前の習慣になるように声をかけてみるなど、さまざまな工夫で子どもをサポートしている親御さんもいるようです。治療を計画通りに進めることはもちろん大切ですが、子どもに無理をさせたり、ひどく不安を与えたりしないように寄り添いながら治療と向き合っていきましょう。
副作用
成長ホルモン治療を考えている、または治療が決まった親御さんの中には治療による副作用が心配な方もいるかもしれません。
成長ホルモン治療で使うホルモン剤は、もともと人間の体内で分泌される成長ホルモンと同じものを人工合成してつくっています。そのため副作用はほとんどないと言われています。
まれに、治療を開始した初めごろに頭痛を訴えたり、骨や関節に軽い痛みを感じたりするケースもありますが、多くが一時的なものであると言われているので特に心配する必要はないと言われています。
成長ホルモン治療は在宅治療が中心となりますが、定期的な検査の受診は必須です。定期的に専門家に診てもらうことで、万が一副作用かも?と思った時も的確なアドバイスを得ることができます。
成長ホルモン治療で使うホルモン剤は、もともと人間の体内で分泌される成長ホルモンと同じものを人工合成してつくっています。そのため副作用はほとんどないと言われています。
まれに、治療を開始した初めごろに頭痛を訴えたり、骨や関節に軽い痛みを感じたりするケースもありますが、多くが一時的なものであると言われているので特に心配する必要はないと言われています。
成長ホルモン治療は在宅治療が中心となりますが、定期的な検査の受診は必須です。定期的に専門家に診てもらうことで、万が一副作用かも?と思った時も的確なアドバイスを得ることができます。
低身長の治療費用・保険適用についてご紹介!
低身長を治療していくにあたり、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。また、保険の適用によって治療費の負担が軽くなることはあるのでしょうか。
低身長に保険は適用されるの?
身長が-2SD以下で成長ホルモン治療が認められた場合、その治療費に対して健康保険(社会保険、国民健康保険)が適用されます。そうすると自己負担分は治療費全体の3割となります。
成長ホルモン治療にかかる費用って?
成長ホルモン治療には健康保険が適用され、自己負担は治療費の3割で済みます。ですが実際のところ、成長ホルモン治療の治療費は健康保険の助成のみではまだ高額で、支払いが厳しいと感じる人も少なくありません。
成長ホルモン治療は、子どもの体重によって1ヶ月あたりのホルモン剤投与量が決まります。そのため子どもの成長に伴って治療費も高額になってきますし、長期的な治療ともなれば当然金銭的な負担も大きくなってきます。そのため、成長ホルモン治療にはいくつかの補助制度が用意されています。
■高額療養費制度
高額療養費制度とは、病院や薬局で、1ヶ月間に支払う医療費が一定の金額を超えた場合に、超えた分の医療費が返ってくるという制度です。成長ホルモン治療の費用は健康保険のみの助成ではまだまだ経済的負担が大きいことが多いため、高額療養費制度が適用できることがあります。
自己負担限度額は、保護者の所得や生活状況、年齢によって異なります。詳しくは、治療を受けている病院やお住まいの地域の役所窓口などに問い合わせてみてください。
成長ホルモン治療は、子どもの体重によって1ヶ月あたりのホルモン剤投与量が決まります。そのため子どもの成長に伴って治療費も高額になってきますし、長期的な治療ともなれば当然金銭的な負担も大きくなってきます。そのため、成長ホルモン治療にはいくつかの補助制度が用意されています。
■高額療養費制度
高額療養費制度とは、病院や薬局で、1ヶ月間に支払う医療費が一定の金額を超えた場合に、超えた分の医療費が返ってくるという制度です。成長ホルモン治療の費用は健康保険のみの助成ではまだまだ経済的負担が大きいことが多いため、高額療養費制度が適用できることがあります。
自己負担限度額は、保護者の所得や生活状況、年齢によって異なります。詳しくは、治療を受けている病院やお住まいの地域の役所窓口などに問い合わせてみてください。
■小児慢性特定疾患による医療費補助
骨端線がまだ閉じていない、つまり成長ホルモン治療がまだ有効であるという条件のもと、以下の病気が原因で低身長であると認められると、小児慢性特定疾患による補助が出ます。
・-2.5SD以下の成長ホルモン分泌不全低身長症
・ターナー症候群
・プラダー・ウィリ症候群
・軟骨異栄養症
・慢性腎不全
病気ごとに、補助対象となる身長のSD値や成長ホルモンの分泌量の基準などが異なりますので、詳しい情報は以下のサイトをご覧ください。
骨端線がまだ閉じていない、つまり成長ホルモン治療がまだ有効であるという条件のもと、以下の病気が原因で低身長であると認められると、小児慢性特定疾患による補助が出ます。
・-2.5SD以下の成長ホルモン分泌不全低身長症
・ターナー症候群
・プラダー・ウィリ症候群
・軟骨異栄養症
・慢性腎不全
病気ごとに、補助対象となる身長のSD値や成長ホルモンの分泌量の基準などが異なりますので、詳しい情報は以下のサイトをご覧ください。
助成を受けるためには、身長や成長率が定められた基準を満たし、小児慢性特定疾患であるという認定を受けたうえで地域の保健所へ申請する必要があります。助成を受ける詳しい条件や詳しい手続きの方法については、専門家に直接尋ね、指導を受けることをおすすめします。
子どもの難病、小児慢性特定疾病とは?医療費の助成制度と自己負担金額の仕組みや福祉サポートを解説!