夫の実家でドキッ!食べ方が独特な自閉症の長男に意外な声をかけたのは…?
ライター:シュウママ
我が家の長男は重度の自閉症です。そのためこだわりが強く、食事をする時が特に大変です。独特な食べ方をするので、しょっちゅうテーブルを汚してしまうのです。お休みで帰省した義実家でも、いつもどおりに汚す長男。見かねて注意しようとした私の背後から、長男に歩み寄ったのは、義父でした。
注意してもなおらない、長男流ごはんの食べ方
夏休み、子供達と主人の実家に帰省したときのことです。
私と義母はテーブルに朝食を並べていました。そして全員が食卓につき、「いただきます」の声とともに食事が始まります。おはしがまだ上手に使えない長男も、スプーンを動かしながら必死に食べています。
ふと見ると、長男のテーブルにみそ汁が少しこぼれています。長男が白ご飯にみそ汁をかけてスプーンで混ぜて食べるからです。
私と義母はテーブルに朝食を並べていました。そして全員が食卓につき、「いただきます」の声とともに食事が始まります。おはしがまだ上手に使えない長男も、スプーンを動かしながら必死に食べています。
ふと見ると、長男のテーブルにみそ汁が少しこぼれています。長男が白ご飯にみそ汁をかけてスプーンで混ぜて食べるからです。
実はこの食べ方は、いつものことです。ご飯をそのまま食べることができず、みそ汁を混ぜて食べるため、家で注意し学校でも指導してもらっているのですが一向に直りません。
見た目もあまり良くないし、みそ汁がないと白米が食べれないというのも困ります。特に礼儀作法に厳しい年代の義両親が、どう感じるだろうか、そう思い私も気が気ではありません。
そんな時義父が、すっと長男の所に寄って行ったのです。
そんな時義父が、すっと長男の所に寄って行ったのです。
注意するだろうと思ったのに…義父の言葉は
義父は、長男の頭を撫でながら言いました。
「そうなんですか?」と私が訊ねると、義父は「まだ私がシュウくらいの小さい時にねえ。ご飯とみそ汁を混ぜてよくおふくろに叱られたよ。でもこの食べ方が好きでねえ。なかなかやめられなかった。シュウは私によく似てるなあ」
目を細めて長男を見る義父には、あたたかさが滲んでいました。義父は普段口数が少なく、子供たちを抱っこしたり遊んだりしてくれることもほとんどありません。けれどその言葉と表情でどれほど長男のことを可愛く思っているか、表に見えない感情が垣間見えた気がして、なんだかとても嬉しい気持ちになったことを覚えています。
長男を特性ごと愛し、受け入れてくれる人が周りにいる幸せ
私はそれまで、ごはんとみそ汁を混ぜるという食べ方に固執し、なかなか直らない長男の姿に、これは自閉症特有のこだわりなんだと切なく思っていました。
けれどいいじゃないか。それがシュウのやり方なんだから――
大きく優しく受け止めてくれた義父が、まさしく小さなことにこだわっていた私の心を解きほぐしてくれたような気がしたのです。
高齢の義父は、自閉症という言葉を聞いても詳しく理解してはいません。けれど長男の知的障害ははっきりとわかっているはずです。それでも義父はそんなことは関係なく、長男の中に自分と似たものを感じ、血のつながりを見い出して喜んでくれました。
発達障害を持つわが子を、丸ごと愛してくれる人の存在に気付いた時、親にとってこれ以上の幸福はないんだな、そう感じた出来事でした。
けれどいいじゃないか。それがシュウのやり方なんだから――
大きく優しく受け止めてくれた義父が、まさしく小さなことにこだわっていた私の心を解きほぐしてくれたような気がしたのです。
高齢の義父は、自閉症という言葉を聞いても詳しく理解してはいません。けれど長男の知的障害ははっきりとわかっているはずです。それでも義父はそんなことは関係なく、長男の中に自分と似たものを感じ、血のつながりを見い出して喜んでくれました。
発達障害を持つわが子を、丸ごと愛してくれる人の存在に気付いた時、親にとってこれ以上の幸福はないんだな、そう感じた出来事でした。
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