ワガママと発達障害の境界線は…?「あさイチ」発達障害特集の問いと、視聴者の声、親の願い

ライター:発達ナビ編集部
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7/24(月)「あさイチ」での発達障害特集。今回のテーマは「“ほかの子と違う?” 子育ての悩み」、発達障害のあるお子さんが二人いるご家庭が取材されました。番組中では「ワガママと発達障害の境界線は?」と難しい問いが投げかけられ、ネットでもさまざまな声が。今回は番組に寄せられた視聴者の声と、番組出演の古山さんのメッセージをご紹介します。画像提供: (c)NHK

NHK「あさイチ」 シリーズ発達障害 “ほかの子と違う?” 子育ての悩み

NHKが1年を通してさまざまな番組で、発達障害の多様な姿を伝えていく「発達障害プロジェクト」

7/24(月)にも「あさイチ」で特集が放送されました。

今回のテーマは、「“ほかの子と違う?” 子育ての悩み」

朝の番組で、発達障害のある子どもの子育てを取り扱ったことから、特に保護者の方々の視聴・感想が多かった様子です。

発達ナビ編集部でもTwitterで番組の内容を実況し、視聴していた方々の感想もまとめました。
以下の、Twitter「モーメント」機能によるまとめをご覧ください。
NHKが1年がかりの「発達障害プロジェクト」を始動!番組横断で発達障害の多様な姿を伝えますのタイトル画像

NHKが1年がかりの「発達障害プロジェクト」を始動!番組横断で発達障害の多様な姿を伝えます

ワガママと発達障害の境界線は…?番組で投げかけられた問いと、視聴者の声

今回の番組では、発達障害のある小学生の子どもが二人いるご家庭が取材されました。

小学6年生の女の子が、学校から帰って来た場面。直前までお友達とおしゃべりしていた内容が心に残って、なかなか気持ちや行動の切り替えをすることができない、結果、宿題を始めるまでに50分もかかったという様子が映されます。
お子さんの発達に違和感を感じたのは3歳児の頃。癇癪が激しく周囲に相談したが、その時は周囲から「大丈夫だよ」と言われるだけで、お母さんはギャップに苦しんだそうです。その後4歳児になったとき病院を受診、発達障害と診断されました。

お子さんが「宿題をなかなかやろうとしない」「学校に行きたがらない」といった状況や悩み自体は、子育てしているご家庭なら大抵、一度は直面することかもしれません。

ですが、発達障害のあるお子さんの場合、気持ちや行動の切り替えの難しさ、困りごとが起こる頻度や程度には大きな差があり、なかなか簡単には困りごとは解消されません。

番組で映されるお子さんとお母さんのやり取りから、診断されてから今に至るまでの日々、積み重ねて来た工夫や理解、お子さんの成長の足跡も感じられます。それでもやはり、思うようにいかなくて、パニックや癇癪を起こしてしまうこともある。

同じく発達障害のあるお子さんを育てる保護者の方や、ご自身も幼少期に似たような状態になっていたと語る、成人の発達障害当事者の方など、視聴者の方々から共感の声が寄せられていました。
一方、スタジオゲストの方からは、「これが単なるワガママなのか、発達障害によるものなのか、わからない」という意見も出てきました。

ワガママと障害はどう違うのか。そんな疑問に対して、Twitter上でも視聴者のさまざまな声が寄せられます。
番組中でも、一見して誰にでも起こるような困りごとでも、発達障害の場合は、生活に支障がでるぐらい、程度や頻度が大きいという説明がなされていました。

ですが、程度や頻度は違えど、起こっている症状や困りごと自体は、どんな子どもにも見られうるものであるゆえに、周囲の人からすると一見してその違いはわかりにくいのでしょう。どこまでがワガママで、どこからが障害なのか…発達障害が身近でない人からそのような疑問が呈されること自体は、無理もないことかもしれません。

また、性質や程度の違うさまざまな凸凹のある人々が、連続体(スペクトラム)のように存在していると言われる発達障害それ自体の特性からも、明確な線引きをすることは非常に難しいと言えます。

目に見えにくい、わかりにくい障害としての発達障害の性質を示すようなエピソードだったように思います。


こうしたジレンマに対して、具体的にはどのように対処すれば良いのか。

番組のゲストコメンテーターとして出演された、鳥取大学大学院の井上雅彦教授のコメントがヒントとなります。
わがままと障害の線引きはどこかと線引きすることは、厳密には難しい。
それよりも大切なのは、周りがどういう風に対応して工夫すれば本人が頑張れるようになるのか、という観点だと井上先生は語ります。

線引きをすること自体を目的としても、議論にキリをつけることは難しいですが、その子が何に困っていて、周囲の人たちには何ができるのかと、個別具体的な対応・行動をベースに考えることができれば、発達障害かどうかに関わらず、どんな子どもにとっても有効な困りごと解決のアプローチが見つけられるはずです。
番組の後半には、下のような声も寄せられました。

どんな状況であれ、お子さんも、親御さんも、それぞれのありのままを受け止めて認めて合うことを願う声です。

あさイチ出演、古山さんより保護者の方々へのメッセージ

最後に、今回の番組のVTRに出演された古山さんからのメッセージをご紹介します。

番組終了後、発達ナビ編集部宛にご連絡をいただき、いま、子育てに頑張っている保護者の方々へ伝えたい思いを語ってくださいました。
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画像提供: (c)NHK
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「7月24日のあさイチで取り上げて受けていただいた、古山です
観ていただいた皆様、本当に本当にありがとうございます

井上先生はじめ、スタジオの皆様が沢山協力して下さり、短い時間でしたが、濃い内容になっていたと思います
放送後も沢山の反響をいただき驚いています

発達障害の子育てをしているママの沢山の方が涙を流しながら共感してくださったメッセージをいただき、勇気を出して良かったと思っています

我が子の姿をさらけ出すことに抵抗がなかったわけではありません
その中で取材を受けた理由は、育児に悩んでいるママに伝えたい想いがあったからです

毎日毎日、育児に行き詰まり悩んでいるかもしれません
発達障害の子育ては育児上級者コースを受講しちゃったと私は捉えています

だから、もう、毎日100点は目指さないでください
今日が20点だった日も落ち込んだり自分を責めたりしないで
20点だったなら次の日60点以上を目指せばいい
一週間で平均60点取れたら、花マルだから、40点が続いたらお休みの日に80点目指せばいいんです

それだって、1人で頑張らないで家族総出でかき集めたっていいんです
あ、失敗した、言いすぎたって時は、素直に謝っちゃえばいいんです
ママが悪かったです、言い直すからさっきの言葉、消しゴムで消して欲しいって

いま、悩んでいるママたち

毎日、育児に奮闘していると一人で闘っている気持ちになるかもしれません
誰にもカミングアウト出来ず
誰にも共感してもらえず
苦しくて寂しくて辛い毎日を過ごしているかもしれません
私もそんな風な光の見えないトンネルの中にいた経験があります

でも
少し勇気を出して
周りを見てみてください
あなたには必ず味方がいるはずです

あなたは毎日毎日、子供に向き合い悩みながら色々なことを選択していることでしょう
もしかしたら
世間一般的には間違いかもしれない選択をしていることもあるかもしれません
私自身が、子供達に学校以外の場所に行かせることを決めたように…

でも
あなたが真剣に子供達の幸せを想いながら出した選択なら
たとえ、間違いかもしれない選択だとしても
あなたの決めたことなら
応援してくれる人がいるはずです

私にとっての実母のように

味方がいれば
たとえ一緒に生活していなくても
頑張れるチカラになります
勇気を出してみてください

また
もしも
味方がみつからなくても

覚えていてください

あなたが真剣に子供達と向き合い
孤独と闘いながら
子育てしているとき
同じ空の下で
私も同じように過ごしています

あなたが今日も上手く対応してやれなかったと子供達の寝顔を見ながら涙しているとき
同じ空の下で
私も同じように涙しています

あなたが真剣に子供達の幸せを想いながら頑張っているなら

私はあなたの味方です

あなたは一人ではありません

つらいとき
くるしいとき
良かったら
私を思い出してください

あなたとお子様達の
幸せを心から願っています」
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