ワガママと発達障害の境界線は…?「あさイチ」発達障害特集の問いと、視聴者の声、親の願い
7/24(月)「あさイチ」での発達障害特集。今回のテーマは「“ほかの子と違う?” 子育ての悩み」、発達障害のあるお子さんが二人いるご家庭が取材されました。番組中では「ワガママと発達障害の境界線は?」と難しい問いが投げかけられ、ネットでもさまざまな声が。今回は番組に寄せられた視聴者の声と、番組出演の古山さんのメッセージをご紹介します。画像提供: (c)NHK
NHK「あさイチ」 シリーズ発達障害 “ほかの子と違う?” 子育ての悩み
7/24(月)にも「あさイチ」で特集が放送されました。
今回のテーマは、「“ほかの子と違う?” 子育ての悩み」
朝の番組で、発達障害のある子どもの子育てを取り扱ったことから、特に保護者の方々の視聴・感想が多かった様子です。
発達ナビ編集部でもTwitterで番組の内容を実況し、視聴していた方々の感想もまとめました。
以下の、Twitter「モーメント」機能によるまとめをご覧ください。
本日視聴出来なかった方たちのために、実況ツイートを拾いまとめました!⚡️ "7/24NHKあさイチ特集「発達障害児の子育て」ツイートまとめ"https://t.co/pUEYXtQa3z
— LITALICO発達ナビ (@litalico_h_navi) July 24, 2017
NHKが1年がかりの「発達障害プロジェクト」を始動!番組横断で発達障害の多様な姿を伝えます
ワガママと発達障害の境界線は…?番組で投げかけられた問いと、視聴者の声
小学6年生の女の子が、学校から帰って来た場面。直前までお友達とおしゃべりしていた内容が心に残って、なかなか気持ちや行動の切り替えをすることができない、結果、宿題を始めるまでに50分もかかったという様子が映されます。
NHK「あさイチ」なう。
— スヌ丸🐸🐢🐩 (@shantisan815) July 23, 2017
そうなんだよね、一見見ると普通に見えちゃうから #発達障害 だなんて人はわからないんだよね。
なかなか宿題をやらないところや取りかかかるのに時間がかかったり切り替えができなかったり、感情のコントロールが上手くできない。
私も小学生の時からそうだなあ。 pic.twitter.com/yLqLVQQLVm
お子さんが「宿題をなかなかやろうとしない」「学校に行きたがらない」といった状況や悩み自体は、子育てしているご家庭なら大抵、一度は直面することかもしれません。
ですが、発達障害のあるお子さんの場合、気持ちや行動の切り替えの難しさ、困りごとが起こる頻度や程度には大きな差があり、なかなか簡単には困りごとは解消されません。
番組で映されるお子さんとお母さんのやり取りから、診断されてから今に至るまでの日々、積み重ねて来た工夫や理解、お子さんの成長の足跡も感じられます。それでもやはり、思うようにいかなくて、パニックや癇癪を起こしてしまうこともある。
同じく発達障害のあるお子さんを育てる保護者の方や、ご自身も幼少期に似たような状態になっていたと語る、成人の発達障害当事者の方など、視聴者の方々から共感の声が寄せられていました。
今朝の録画いま見た。あの子ウチの一号の言動とそっくりだ…そっくり過ぎて驚いた。小6か…。弟くんの特性はウチの二号寄り。あそこに至るまでの道のりを思うと泣けてくる。#発達障害 #あさイチ
— ののさわのの (@nonosawa) July 24, 2017
あのお嬢さんの状態、私もよくなっていたけど、あの状態になるとなってる本人もきついのよね。それが周りはわからないから…
— なおちごβ D-661 (@Corazon_debil_) July 23, 2017
お母さんが『この世の終わりみたいになってる』って言ったのものすごくよくわかるし、理解してくれているのすごいと思った。#発達障害 #あさイチ
#あさイチ #発達障害 VTRのご家庭、お子さんが診断されてからの年月、本人も、ご両親も、家族でたくさん積み重ねてこられたのだなと感じる。玄関の忘れ物チェックボード、リビングのスケジュールチェックボードなどなど…
— 鈴木悠平 (@YuheiSUZUKI) July 23, 2017
ワガママと障害はどう違うのか。そんな疑問に対して、Twitter上でも視聴者のさまざまな声が寄せられます。
ふむ、#あさイチ で #発達障害 やってたんか。「ただのワガママな子じゃないの?」的な意見が散見されて、心が痛い。
— コタロー&どうきょにん (@kotarowithdouk) July 24, 2017
どう感じているのか、健常児の感じ方とどこまで違うのか、そこを伝えないと理解してもらうのは難しいよねー。
今回の放送の一番の感想というか、世間一般に言いたいこと。【発達障害とワガママの境界線】について、そんなもんがハッキリ分かったら私は苦しんでませんよーって事。診断ついてからも「私は甘えてるだけじゃないの?」って自問自答して苦しみ、最悪二次障害(抑鬱)に。#あさイチ #発達障害
— 遥@next→キャラダイスジャパン (@Haruka4kisaragi) July 23, 2017
#あさイチ #発達障害
— ありるん (@LPv9xM3cd2A1LpM) July 24, 2017
目に見えて多動だったり言われた事聞けない、っていう子もいるけど、大人しくて、必死に周りと同じようにしなきゃってものすごい頑張ってるから発達障害ってわからない子もいる。人が普通に出来てることにものすごく労力がいるし、出来ない自分に日々失望してる。
#あさイチ #発達障害
— 臨床心理士みる (@millmillmilkco) July 24, 2017
発達障害の症状の中には、一見他の子供にも起きるような症状も含まれます。じゃんけんがリズムが難しくて後出しになってしまったり…大きな子の遊びに乱入してしまったり…親子がどのくらいそれで苦しんでいるのかを、察する力を報道の方には広げてほしいと願っています。
あさイチの発達障害のやつ、ツイッターで当事者の側は「ワガママ」って言葉を殊更意地悪な言葉と捉えて「そうじゃなくて」とか色々言うてるけど「子供のためのつもりが子供が『自分が望むことは何でもどうにかしてくれるんだ』と思ってしまわないか不安」って感覚は別に普通に真っ当だと思いますよ。
— ズイショ (@zuiji_zuisho) July 24, 2017
障害か障害でないかとして捉えるのに
— きゅーの@ケツの痛いフレンズ (@kuno_ongaku_do) July 23, 2017
わかりやすいのは、
生活レベルに支障が出るか出ないかだと
私個人としては捉えています。
じっとできないことを放っておけば
並べない、座って授業が受けられない、
電車やバスなど交通手段を利用しにくいなど#あさイチ #発達障害
ですが、程度や頻度は違えど、起こっている症状や困りごと自体は、どんな子どもにも見られうるものであるゆえに、周囲の人からすると一見してその違いはわかりにくいのでしょう。どこまでがワガママで、どこからが障害なのか…発達障害が身近でない人からそのような疑問が呈されること自体は、無理もないことかもしれません。
また、性質や程度の違うさまざまな凸凹のある人々が、連続体(スペクトラム)のように存在していると言われる発達障害それ自体の特性からも、明確な線引きをすることは非常に難しいと言えます。
目に見えにくい、わかりにくい障害としての発達障害の性質を示すようなエピソードだったように思います。
こうしたジレンマに対して、具体的にはどのように対処すれば良いのか。
番組のゲストコメンテーターとして出演された、鳥取大学大学院の井上雅彦教授のコメントがヒントとなります。
「わがまま」と「障害」の違いは、厳密には難しいがその識別をするよりも周囲がどう対応すればいいのか考えることの方が大切。#発達障害 #あさイチ
— LITALICO発達ナビ (@litalico_h_navi) July 23, 2017
それよりも大切なのは、周りがどういう風に対応して工夫すれば本人が頑張れるようになるのか、という観点だと井上先生は語ります。
線引きをすること自体を目的としても、議論にキリをつけることは難しいですが、その子が何に困っていて、周囲の人たちには何ができるのかと、個別具体的な対応・行動をベースに考えることができれば、発達障害かどうかに関わらず、どんな子どもにとっても有効な困りごと解決のアプローチが見つけられるはずです。
ワガママと発達障害の境界線って好き嫌いと食べ物や衣類なんかへの過敏の境界線とかと似ている気がしていて、接する者のスタンスとして井上先生の仰るように「そこに目を向けるより目の前のこの子にどんなくふうが必要かを考えるべき」なのだけれど、
— イシゲスズコ (@suminotiger) July 24, 2017
どんな状況であれ、お子さんも、親御さんも、それぞれのありのままを受け止めて認めて合うことを願う声です。
皆さんに理解してもらうのは難しいと思ってます。それでも【発達障害の人は程度の差こそあれ、こんな苦しさが有るんだよ】って事を【知って】もらう事は大事ですよね。
— 遥@next→キャラダイスジャパン (@Haruka4kisaragi) July 23, 2017
【可哀想とは思って欲しくない】というのも同意。苦しい・辛い事も有るけど、一応幸せに生きてます。#あさイチ #発達障害
結局辿り着いたところは。
— 3105 (@3105gogo) July 24, 2017
息子は誰かに大丈夫だと、ありのままでいいよと認めて欲しいということ。
そして母親も同じくそうであるということ。#あさイチ #発達障害
あさイチ出演、古山さんより保護者の方々へのメッセージ
番組終了後、発達ナビ編集部宛にご連絡をいただき、いま、子育てに頑張っている保護者の方々へ伝えたい思いを語ってくださいました。
観ていただいた皆様、本当に本当にありがとうございます
井上先生はじめ、スタジオの皆様が沢山協力して下さり、短い時間でしたが、濃い内容になっていたと思います
放送後も沢山の反響をいただき驚いています
発達障害の子育てをしているママの沢山の方が涙を流しながら共感してくださったメッセージをいただき、勇気を出して良かったと思っています
我が子の姿をさらけ出すことに抵抗がなかったわけではありません
その中で取材を受けた理由は、育児に悩んでいるママに伝えたい想いがあったからです
毎日毎日、育児に行き詰まり悩んでいるかもしれません
発達障害の子育ては育児上級者コースを受講しちゃったと私は捉えています
だから、もう、毎日100点は目指さないでください
今日が20点だった日も落ち込んだり自分を責めたりしないで
20点だったなら次の日60点以上を目指せばいい
一週間で平均60点取れたら、花マルだから、40点が続いたらお休みの日に80点目指せばいいんです
それだって、1人で頑張らないで家族総出でかき集めたっていいんです
あ、失敗した、言いすぎたって時は、素直に謝っちゃえばいいんです
ママが悪かったです、言い直すからさっきの言葉、消しゴムで消して欲しいって
いま、悩んでいるママたち
毎日、育児に奮闘していると一人で闘っている気持ちになるかもしれません
誰にもカミングアウト出来ず
誰にも共感してもらえず
苦しくて寂しくて辛い毎日を過ごしているかもしれません
私もそんな風な光の見えないトンネルの中にいた経験があります
でも
少し勇気を出して
周りを見てみてください
あなたには必ず味方がいるはずです
あなたは毎日毎日、子供に向き合い悩みながら色々なことを選択していることでしょう
もしかしたら
世間一般的には間違いかもしれない選択をしていることもあるかもしれません
私自身が、子供達に学校以外の場所に行かせることを決めたように…
でも
あなたが真剣に子供達の幸せを想いながら出した選択なら
たとえ、間違いかもしれない選択だとしても
あなたの決めたことなら
応援してくれる人がいるはずです
私にとっての実母のように
味方がいれば
たとえ一緒に生活していなくても
頑張れるチカラになります
勇気を出してみてください
また
もしも
味方がみつからなくても
覚えていてください
あなたが真剣に子供達と向き合い
孤独と闘いながら
子育てしているとき
同じ空の下で
私も同じように過ごしています
あなたが今日も上手く対応してやれなかったと子供達の寝顔を見ながら涙しているとき
同じ空の下で
私も同じように涙しています
あなたが真剣に子供達の幸せを想いながら頑張っているなら
私はあなたの味方です
あなたは一人ではありません
つらいとき
くるしいとき
良かったら
私を思い出してください
あなたとお子様達の
幸せを心から願っています」
発達障害とは?特徴・症状・分類や診断方法について【専門家監修】
生放送で発達障害と向き合ったNHKの挑戦。そこで描かれたこと、描き切れなかったこと、これからのこと
「これは、僕だ」NHK発達障害特集を観て、息子が語ったこと
NHK「発達障害プロジェクト」でも伝えきれない現場の困難、イチ主婦としてできること