共同注意とは?アイコンタクト・指さしと子どもの発達の関係、自閉症との関連、発達を促す工夫をご紹介!

ライター:発達障害のキホン
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共同注意とは、子どもがほかの人と同じように物体や人物に対して注意を向けている状態のことで、子どもの発達の程度を把握するためのひとつのバロメーターとなります。ここでは、指さし、模倣、社会的参照など、共同注意の種類や、三項関係の成立、子どもの発達を促すための工夫や、発達障害との関連についてご紹介します。

目次

共同注意とは

共同注意とは、人がひとつの空間の中で、他の人と同じように物体や人物に対して注意を向けることです。さらに厳密には、他の人と自分とが同じように、その対象に対して注意を向けているとを知っている状態を指します。

「バナナを見ること」を例にして考えてみます。共同注意が成立しているということは「お母さんがバナナを見ている」そして「お母さんとおなじように私もバナナを見ていると気づいている」という状態のことです。

子どもの発達には、ある決まったひとつの順序があります。他の人とのコミュニケーションのひとつの形である共同注意は、まだ言葉を話すことができない乳幼児期の子どもにとって言葉を覚える前に身につける大切な力です。

共同注意は子どもにとってどんな意味があるの?

共同注意の力を獲得することは、子どもにとってどのような意味をもつのでしょうか。

この力を身につけることによって、
・他の人の意図(気持ちや考え方)を理解する
・言葉を話す

という力の獲得へと繋がっていきます。

そのため、共同注意が成立していることは、子どもの発達におけるひとつの指標となります。

いきなり共同注意をできるようになる子どもはいません。子どもは生まれてきてから、時間を積み重ね、人との関わりの経験を積んでいくことにより、徐々に共同注意の力を獲得していくものだからです。

以下では、子どもが共同注意をできるようになるまでに、どのようなステップを経験しているのかについてお伝えします。

2つの関係

「わたし」と「あなた」の関係
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・「わたし」と「あなた」の関係
子どもは生まれたとき、その発達の初期を大人たちの視線の中で過ごします。

そして大人と視線が合って、笑いかけられたり、呼びかけられたりする中で、まず「自分」があることに気が付きます。

そのあと、アイコンタクトを行い視線を交わし合う中で子どもは大人との関係を結びます。

具体的には、
・笑いかけられたときに、笑い返す
・イナイイナイバーを喜ぶ

これは子どもにとってのはじめてのコミュニケーションの形といえます。さらに発達が進んでいくと、いつも育ててくれる養育者を見分けることができるようになります。これが人見知りです。

・「わたし」と「この物」の関係
徐々に子どもは、興味の範囲を広げていきます。人と関係を結んでいくのとはまた別に、「物」との間に関係を結んでいくようになります。

例えば、
・おもちゃに手をのばす
・ガラガラを振って音を楽しむ
・つかんでいた物をわざと落とす
などです。

これらの「わたし」と「あなた」という「人と人」の関係、「わたし」と「この物」という「人と物」関係のことを専門用語で「二項関係」といいます。

二項関係は、共同注意が成立するために必要な発達的な土台となります。

3つの関係

・「わたし」と「あなた」と、そして「もうひとつ」

人との間、そして物との間で二項関係を結ぶことのできるようになった子どもはやがて、二つを統合させることができるようになります。
やがて子どもは、他の人が自分以外の対象を見ているとき、その視線の先を追っていくようになります。

例えば、大人と子どもの前にバナナがある光景を考えてみましょう。子どもがふと見上げて目に入った大人が、自分とは違う空間に目線をやっているようだと、顔を見て気が付いたとしましょう。大人はバナナの方向を見ているとします。

すると、子どもは大人が見るのと同じようにバナナを見るのです。これが共同注意が成立した状態です。

二項関係しかできない発達の段階では、大人が別の方向に目線をやっているとしても、その目線の先のバナナを見ることはありません。

ここには、バナナを中心として、「大人」「子ども」「バナナ」という三角形ができます。大人の目と子どもの目が、同じバナナに注目している状態です。これを「三項関係」といい、子どもが発達しているかどうかを見るときの大切なパラメーターとされています。
「わたし」と「あなた」と、そして「もうひとつ」
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三項関係の図
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共同注意の発達のステップと種類について

共同注意の成立は、言葉や社会性を発達させていくための通過点であることをお伝えしました。

その通過点の中にもさまざまなステップが存在しています。共同注意には、大きく分けて4つのステップがあります。

人の注意する先を追いかける

他者の注意を感じ取って、その注意の方向を自分も追いかけることです。

乳幼児が追いかける注意の対象は「視線の先」「指さしの先」という二つの種類に分けることができます。

1. 視線の先を追う
他者が見た目線の先にあるものを、同じように目で追うことです。これを視線追従といいます。

他の人が注意をわかるための手掛かりは、実は視線だけではありません。顔の向きや、体の向き、他には声なども大切な意味をもっています。子どもはこれらの複数の情報を合わせて、他者が何かを見ていることを判断し、その視線の先を追いかけます。

ただ視線追従については、研究者の間でいくつかの意見が分かれています。

ひとつめは、動くものに焦点を合わせて、無意識に同じ行動をとっているのではないかということです。

例えば、お母さんが首を右に回したとき、その動きに焦点を合わせ、同じように首を回すことがあったとします。その子どもが「首を回した」という動作が大人からすれば、「同じものに注意を払っている」かのように見えているだけという意見です。この場合、他者に意図があることを感じているわけではありません。このように発達の過程で開花した生物的に備わっているものを生態学的メカニズムといいます。

ふたつめは、他者の意図を感じとった最初の段階であるという意見です。この「他者の意図を感じとること」とは、共同注意の本来の意味でしたね。ちなみにこれを幾何学的(きかがくてき)メカニズムといいます。

2. 他者が指さしをした方向を目で追う
「動くものを追う」という生態学的メカニズムが際立っている段階であれば、大人が指さしを行った際、子どもはおそらく手や腕そのものを見るでしょう。

その次のステップへと進んだ子どもは、大人が指をさしたときに、指をさした先の方向に目をやることができるようになります。

まずは、もともと子どもの視野の範囲内にある物体に目をやることのできるようになります。そのあとには、自分の今見ている視野の範囲にない物体、例えば後方に指をさされたときにも、振り向いて、その方向を見ることができるようになります。

これは今まで、自分の目でとらえられる空間をすべてだと思っていた子どもが、今自分の目でとらえられない空間にも、世界があることをわかってきたことを意味します。後方の指さしを理解できたときには、またひとつ発達の段階をのぼったと理解することができるでしょう。

さらにそれは、三次元の空間の中に自分の身を置く身体能力や、自己とモノの空間の理解ができるようになったことのあらわれでもあります。はじめて立って歩いていくことができるようになる時期と「後方の指さしを理解する」時期はほとんど同じです。

他者の行動を追いかける

「他者には他者の意図があるのだ」と知った子どもは、その意図を自分の行動へと反映させていきます。あるいは、大人の注意を自ら引くようになります。これが次の段階です。

1. 単純な動作模倣
相手の動作を目で見て認知し、自分の行動に取り入れることです。例えば、大人が積み木をひとつ積んだら、それを見た子どもも同じように積み木をひとつ積むことを動作模倣といいます。

2. 行動の際に他者の反応をうかがう
これは、他者の反応をうかがって自分の行動を決定する行動です。例えば、子どもが新しいおもちゃに手を出そうとしているときに、大人が怒った顔をしているならば手を伸ばすのをやめて、笑顔でいればおもちゃに手を伸ばすということです。これを専門用語で社会的参照といいます。

「指さし」による注意の操作

次は、他者の注意を操作する段階を迎えます。

「指さし」とは、興味のあるものや、欲しいものに対して人差し指を向ける子どもの行動です。それまでの子どもは、他者の注意を察知し、読み取るのみでした。しかしこのステップで、自ら他者に対して注意を共有しようと働きかけていく姿が見られはじめます。

1. 自発の指さし
自分の興味関心のあるものを見つけたときに指をさすことを、「自発の指さし」といいます。それまでは「相手と自分」という2つの関係だけで満足していた子どもが、周囲の環境や物に対して関心をもつようになると、この指さしが出るようになります。

2. 要求の指さし
自分の欲しいものに対して「あー」などと声を出しながら、しきりに指をさすことを、「要求の指さし」といいます。

3. 相手に注意を共有する「感動の指さし」
興味のある物を見つけたときや心を動かされたときに、指さしを使って「僕の好きなものがあるよ!見て!」と大人に教えることがあります。これを「感動の指さし」といいます。このとき子どもは、「あー」「うー」などと声を出したり、大人のほうを見たりしてアピールをします。叙述の指さしや定位の指さしとも呼ばれます。

感動の指さしをするときには、「好きなモノ」という対象を「共有する」力を身につけている状態だといえるでしょう。
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