自閉症の長男にも背負わせてあげたかった。支援学校でも使えるランドセル
ライター:シュウママ
3年前、重度自閉症の長男は特別支援学校に、次男は地元の小学校に入学しました。入学当初長男は大きなリュックを背負い、小さな体でえっちらおっちら歩いていました。その姿はとても可愛かったです。けれど私は、長男の歩いていく背中を見送りながら一抹の寂しさがありました。
双子の兄弟が就学年齢に。長男は特別支援学校、次男は通常学校への入学が決定
重度自閉症の長男は、比較的早い段階で特別支援学校への入学が決まっていました。そして我が家は双子であるため、同時に通常学校へ入学する次男の学校手続もしなければなりませんでした。
忙しい日々でしたが、10月に長男の就学通知書が届いた時にはなんだか肩の荷がおりてほっとした気持ちになったものです。
忙しい日々でしたが、10月に長男の就学通知書が届いた時にはなんだか肩の荷がおりてほっとした気持ちになったものです。
入学前の準備。支援学校のカバンはランドセル?それとも?
そして11月も過ぎたころ、はっと気が付いたのは長男が学校に持っていくカバンのこと。
次男はもちろんランドセルのつもりでしたが、長男はランドセルが必要だろうか――入学説明書にはこのカバンで!という明確な記載がなかったので、私は支援学校に問い合わせてみました。
次男はもちろんランドセルのつもりでしたが、長男はランドセルが必要だろうか――入学説明書にはこのカバンで!という明確な記載がなかったので、私は支援学校に問い合わせてみました。
電話で丁寧に答えて下さった女性の返事は「特に規定はありませんよ」というものでした。
この言葉を聞いた私は、じゃあリュックでいいかな…と思い大きめの新しいリュックサックを長男のために、次男には同じ頃、ランドセルを購入しました。
次男のランドセルをじっと見ていた長男に、母として想うこと
ピカピカのランドセルを見て次男は嬉しそうでした。
色は黒、ふち取りは赤、何日も前から次男が選んで注文しておいたものでした。入学式の前から次男はランドセルを背負い鏡を見て満足そうにしていました。そんな次男の姿を療育から帰ってきた長男がじっと見つめていました。
色は黒、ふち取りは赤、何日も前から次男が選んで注文しておいたものでした。入学式の前から次男はランドセルを背負い鏡を見て満足そうにしていました。そんな次男の姿を療育から帰ってきた長男がじっと見つめていました。
次男がランドセルを床に置いて遊びに行ってしまうと、長男はランドセルにそろりそろりと手を伸ばしました。
どうしたのかな?と見ていると、長男はランドセルの肩ベルトに腕を通して背負おうとしました。けれど不器用で筋力のない長男は、うまく手が通せなかったのかごろりと前のめりになり床であごをごんっ!と打ち、大きな声で泣き出しました。
どうしたのかな?と見ていると、長男はランドセルの肩ベルトに腕を通して背負おうとしました。けれど不器用で筋力のない長男は、うまく手が通せなかったのかごろりと前のめりになり床であごをごんっ!と打ち、大きな声で泣き出しました。
私は驚いて長男のあごをさすってやりました。もちろん長男は痛くて泣いているのでしょう。
でもこの泣き声がまるで「僕もランドセル背負いたかった!」という長男の叫び声に聞こえてきました。
私はランドセルにするか、リュックにするか、ほとんど逡巡せずに決めたことに対して申し訳ない気持ちになりました。当時、まだ言葉で意思の疎通ができなかった長男に、どちらかを選択させるという考えが私にはなかったのです。ごめんね…と私は長男に謝りました。
でもこの泣き声がまるで「僕もランドセル背負いたかった!」という長男の叫び声に聞こえてきました。
私はランドセルにするか、リュックにするか、ほとんど逡巡せずに決めたことに対して申し訳ない気持ちになりました。当時、まだ言葉で意思の疎通ができなかった長男に、どちらかを選択させるという考えが私にはなかったのです。ごめんね…と私は長男に謝りました。