実習先企業からの「不合格」宣告で気づけた、一番大切にすべきこととは…

ライター:立石美津子
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特別支援学校高等部になると、卒業後の進路を考えるため、企業や施設での実習を行います。高等部2年生の息子は、企業へ実習に行くことになりました。実習の様子を見に行ってみると、息子はとても張り切って取り組んでいて、私としては200点をあげたいくらい頑張っていました。

卒業後はこの企業で就労できるのかな?とほのかに期待しました。でも、現実はそんなに甘いものではありませんでした…。

企業や施設で行う「実習」の目的とは?

『子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子です。

「実習」とは卒業後の進路先を決めるために職場体験をすることです。高等部になると、「実習」は必須となります。企業や施設などで実習をすることなしに進路を決めることはできません。

「実習」をした上で“本人の感想(「ここで働きたい!」の気持ちが起こるかどうか)”、そして企業や事業所から“うちに来てもらっても大丈夫だ”という評価を得て、両者のマッチングが行われます。いわば、生徒と企業や施設との「お見合い」のような感じですね。

高等部2年生と3年生で異なる、「実習」の意味合い

息子が通う特別支援学校の場合、高等部2年生のときに、まず希望する企業や就労移行支援事業所、就労継続支援B型などで「実習」を1回行います。数日間企業や施設に通って仕事を体験します。「社会体験」という意味合いが大きいです。

その後、実習先からの評価をもとに、高等部3年生での実習先を決めます。3年生での実習先は、より実際の進路に近いものとなります。

息子の実習先からの評価は…

息子が「実習」した企業からの評価表が学校経由で届きました。書かれていた結果はというと…「×」。不合格でした。

「集中力がないので、○○君の来年の実習は受けることはできません」というコメントも添えられています。実習中の連絡帳には「キョロキョロしていました」とか「午前中からあくびを3回していました」と書いてあったことを思い出しました。

ちなみに、高等部の2年生と3年生では、「実習」の意味合いが異なります。

■高等部2年での実習=「体験」。採用を前提としていない
■高等部3年での実習=「能力の確認の場」。この生徒を雇って戦力になるかを見極めるためのもの


「高等部3年生での実習を受け入れられない」ということは、採用を見極めるための実習への参加ができないということ。つまり「うちの会社では採用はできません」という意味なのです。
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