働くことは甘くない。でもやっぱり切ない思いを抱えて

「実習」に行く前に何度も練習した通勤練習…思い出すと、涙が出てきてしまいます。
親にとっては一生懸命育てた大事なわが子です。企業からの「不合格」宣告は、子どもを「否定された」と受け取ってしまうのが、正直な気持ちです。なにより、息子がとても頑張っていたのに、認めてもらえなかったのが悲しい。

でも「働く」ということはそんなに甘いことではない。それも分かってはいるのです…。

企業からの「不合格」宣告は、子どもに伝えない

実習先企業からの「不合格」宣告で気づけた、一番大切にすべきこととは…の画像
Upload By 立石美津子
でも、よく考えてみると、息子が「ここに就職したい」と言って実習先が決まったわけではありません。親である私が希望したまでです。

ですから、息子には「不合格だったよ」なんて言わずに「来年はまた違う場所で実習しようね」と伝えました。

来年度の新たな実習先として「就労移継続支援B型」にするか「就労移行支援事業所」にするか迷いましたが、来年の希望は企業ではなく福祉就労の「就労移行支援事業」に〇印をして出すことにしました。

卒業後は、将来の就労を目指して就労移行支援事業所に2年間通い、息子の適性にあった企業とのマッチングができたらと考えています。

卒業後の人生は長いから。息子が生き生きと過ごせる場所を見つけたい

正直、親としては評価表を見て「拒否された」と悲しくなってしまいます。でも、もともと企業就労にこだわっているわけではありません。高等部卒業後、息子の障害を理解してくれるスタッフに囲まれて、生き生きと過ごす場所を見つけたいだけ。それが障害者理解のある企業でもよいし、就労移行支援事業所であってもよいと思っています。

無理をさせたら就労後、続かずに退職することになります。就労できても継続できない子はたくさんいます。学校の先生方からの意見に耳を傾け、卒業後、息子にあった居場所でやり甲斐をもって毎日を過ごすことができたらと考えています。

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