【発達凸凹男子、12才】小学校の学び方が合わなかった僕が、中学受験に合格し、勉強が好きになったワケ

2018/04/29 更新
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小学校時代、字を書くのが苦手で、テストもノートもロクに書かなかった発達障害のある長男。漢字は何回書いても覚えられないし、得意なハズの算数もミスばかり。そんな彼が、中学受験に挑戦し、なんと第一志望の中高一貫校に無事、合格しました!彼は今「おれ、勉強好き」なんだそう。今回は、「息子インタビュー」で、親子二人三脚で歩んだ日々を振り返りながら、発達凸凹の差が大きい子に合った勉強法や、しんどい時期の乗り切り方などを、彼自身の言葉で語ってもらいました。

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こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者、楽々かあさんこと、大場美鈴です。

まずはご報告。うちの「あの」長男が、無謀にも約一年間の自宅学習で中学受験に挑戦し、第一志望の中高一貫校に無事、合格しました!

小学校時代、字を書くのが苦手で、ノートもロクに書けなかった長男。漢字は何回書いても覚えられないし、得意なハズの算数もミスばかり。折角やった宿題は提出し忘れ、持ち帰ったテストはくっちゃくちゃ! 成績表はC評価の「がんばりましょう」ばっかり…。

そんな発達凸凹男子の彼の強い希望が叶ったこと、そして、受験勉強をきっかけに「おれ、勉強好き〜」と、今は言えるようになったことが、私は何より嬉しいんです。

今回、親子で一緒に歩んだ日々を振り返りながら、「みんなと同じ」学び方が合わない子や、発達凸凹の差が大きい子が「勉強が好きになる」勉強法…そして、しんどい時期の乗り切り方などを、息子にインタビューを敢行!前・後編の2回に分けて、彼自身の言葉で語ってもらいました(文責・インタビュアー:製造責任者・母)。

好きなことを入口にした、ボクの勉強法

かあちゃん(以下、母):まずは、第一志望合格おめでとうございます。

長男・◯太郎(以下、長男):Thank you!

母:(笑)じゃあ、まずは志望校に合格した、今の素直な気持ちは…?

長男:1つは嬉しいという気持ち。もう一つは「勉強大丈夫かなぁ」という不安もある。

母:なるほど、中学での勉強に対する不安もあるんだね。第一志望の学校、すごく気に入ってたけど、どういうところが良かったの?

長男:教育に新しい方法を取り入れてるトコと、明るい感じがしたこと。あと、おれの好きなカレー屋さんが近くにあったから!

母:…いや、確か校則で「買い食い禁止」だから、まっすぐ帰ってネ(汗)。でも、かあちゃんも、小規模校でチャレンジ精神を大事にする校風だし、全校でICT導入済みで、すごくキミの個性にピッタリだと思う。自分に合った学校への希望が叶って、本当に良かった。

大好きなゲームをきっかけに「興味の輪」を広げていく…!

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大好きなマインクラフトで世界遺産・姫路城を再現
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母:じゃあ、具体的に勉強のことを聞くよ。キミは受験勉強を始めたのが正直かなり遅かったけど、そこからすごくがんばれたし、勉強楽しそうになったよね。「勉強ができるようになった」「楽しくできるようになった」その理由は…?

長男:…とにかく歴史が楽しかったから。歴史に興味を持てたのは、かあちゃんが買ってくれたPCゲーム「信長の野望」とかがきっかけで!

母:(笑)ソレだね。キミは元々PCゲーム大好きだから、「信長の野望」にすぐハマったよね。自分の好きなことからまず入っていって、そこから他の勉強にも広がっていったね。

長男:他の普通のゲームでも、例えば、おれが前から大好きな「マインクラフト」でも、世界遺産の歴史的な建造物を再現して作ったりすれば、それは立派な学習になる。

母:なんでも工夫次第で活かせるよね。それに、自分の好きなことや興味のあることだと、結構集中できるかな?

長男:うん!

母:でも、これだけだとゲームで遊んでるだけになっちゃうでしょ? ただのゲーム好きな子が「もっといろんなことを知りたい」って思えるには何が必要?

長男:やっぱり、最初のうちは、興味を持てそうなところからやって…興味の輪を広げる!

母:「興味の輪を広げる!」いい表現だね、これ。

長男:おれは、歴史で興味を持ったけど、これはあくまで一例だから。例えば、算数の分数が好きな子もいれば、理科の元素記号とかが好きな子もいる。だから、まず自分の好きなことからやる!それで、自分の形に合うものからはめていく。

母:ほうほう、ちょっとイメージを図に書いてくれる?
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長男:それぞれの子でいろんな形と穴があって、自分の持っているピースもそれぞれ違うから。だから、自分の好きなものから、ドンドン順番にはめていって、そして最後に、最初はあんまり興味持てなかったことも、埋めていくっていうか…。

母:好きなものが広がると、興味も広がっていくよね。キミの場合は「信長の野望」が入り口で、そこから歴史全体が好きになって…

長男:そう、戦国時代から…次が同じ武士つながりで、室町・鎌倉・幕末と明治維新とか、プラス江戸時代とかって感じで、次に日本の地理とか…。最初は1コだった「勉強の拠点」が、どんどん広がっていって…。

母:なるほど!「信長の野望」と同じで、自分の拠点が増えて領土が広がっていくんだね。まずは歴史を一国制覇したら、地理でも「信濃川」「越後平野」とか、旧国名に因んだ地名は自然と覚えちゃうし、戦国モノは漢字もいっぱい出てくるもんね。

長男:そう、漢字も見慣れる。社会を制覇したら、他のところにも勢力を広げる。

母:興味が持てれば、勉強は全然苦にならない?

長男:うん。

母:でも、やっぱり問題集解いたり、「墾田永年私財法」とか覚えることも必要でしょ?(笑)それも嫌じゃない?

長男:うん!興味持てれば!

実際に見て、体験して、それを話す!

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母:あとは「体験する」っていうのが、大事だよね。

長男:そう!実際に見て、やってみる!まずは、地元の城とか、近所の郷土資料館とかでもいい。それで、実際に体験したら、思ったことをまとめる。ただ見ただけだと「楽しかった〜」で終わっちゃって、ただの観光になっちゃう。

母:じゃあ、更にそれを勉強に活かすにはどうしたらいいの?

長男:家族に「こういうところが面白かったんだよ」って話す!これだったら家族も、お土産より喜ぶ。

母:人に話すって凄く大事だね、アウトプットするの。

長男:そう、ノートに絵を入れて描いたり、家族に話して、外側に自分の考えをまとめる。

母:実際に甲冑着てみると「もし戦場に出たら、こんな凄い重いのを着て、素早く動けないな」みたいなことも分かったよね。

長男:映画だと、普通に歩けているように見えるけれど、あれはプロだから。それか、軽い素材でできてるのかも。実際の戦国時代で身軽に動けてるのは、相当鍛えてるからだと思う。だから、「実際どうなのか」自分で確かめる。火縄銃の実演見学も、空砲でもあんなにすごい音がしたらねえ…実際の戦場では火薬バンバンつめてさ、もっともっとスッゲー音がすると思う!!(瞳キラキラ)
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母:ああいう音は、体験しないとわからないね。

長男:「どんくらい凄い音なのか」とか、まず行く前に予想立てる。

母:おお、いいね。

長男:城の天守閣からの景色はどんなか…「めちゃめちゃキレイだろう」みたいな予想。火縄銃の音は「スピーカー音30くらいかな」とか。で、実際見た後で、やっぱり「景色高くて怖かった」とか「スピーカー音50位だった」とか。あと本の図では、城のお堀があんまり深くなさそうだったけど、実際は予想以上にめちゃくちゃ深かったとか。実際に感じたことをまとめるといい。

母:感覚が敏感なキミは肌で感じ取るのが得意だろうし、更にそれを人に話すのは、すごく◯太郎に合った勉強法だと思う。自分で体験してみないと分からないことは沢山あるよね。それからキミの場合、実際体験したことは、テストでも結構覚えてられるんじゃない?

長男:そう結構覚えてる。本だけだと受験用の勉強はなおさら難しい。YouTubeとかの面白動画だったら、覚えるのはカンタンだけど。

母:(笑)。やっぱり「楽しい」と思えるかどうかが大事かな? 理科の実験もいろいろやってみたけど、家ですべての実験ができるわけじゃないよネ。

長男:例えば爆発の実験とか、危険なのは動画で見る。でも、スチールウール燃やす程度だったら、ウチでスグできる。

母:そうだね。スチールウール燃えるの、キレイだったね。あとは、YouTubeで塾の先生とかが、面白く分かりやすい解説動画を沢山UPしてたよね。そういうのも含めて「ひたすら問題集を解く」じゃなくて、自分に合った方法で勉強したのがすごく良かったなと思う。

長男:結局、勉強の中で一番大事なのは、「興味の輪」を広げられるか、広げられないか、だとおれは思う。

受験勉強中に本当につらかったのは、過去の記憶。

母:じゃあ逆に、この一年間で一番つらかったことを聞いてもいい?

長男:……学校。

母:うーん、やっぱりそうかあ。学校の何がつらかったかな?

長男:もう、ずーっと前に、他の子に言われたヤなこととか…。

母:そうだね。何年も昔のことを、ちょっとしたキッカケで何度も思い出しちゃうんだよね…。かあちゃんも、見ててつらかったけど、勉強してる最中に急にイヤな体験を、よく思い出してたよね…。

長男:イヤな体験は「忘れようとしても忘れられない」みたいな、そういうのがある。

母:そうだね。特に、受験勉強を始めて最初の三か月くらいは、ヤなことしょっちゅう思い出して、一旦ストップしたり…◯太郎にはつらい時期だったと思う。やっぱり、勉強に興味が持てても、いろいろ気になる事があると、余計に集中力が落ちたり、ミスが増えたり、ぼーっとするのが増えちゃうように思うんだよね。

長男:うん…。
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スクールカウンセラー利用のすすめ

母:でも、多分◯太郎と同じように、学校でイヤなことがあって、勉強に集中できなかったり、「学校行きたくないなあ…」なんて思ってる子は結構いると思うんだけどネ。かあちゃんはネガティブなことも、決して思っちゃダメなワケじゃなくて「そういう時どうしたらいいか」が大事だと思う。キミはどうしてきたっけ?

長男:うーん。おれは「スクールカウンセラーの先生に話す」とかした。

母:そうだね。スクールカウンセラーの先生と、何度も相談させてもらったよね。

長男:思い切って話した。

母:そうすると、少しスッキリしたりする?

長男:する。

母:じゃあ、カウンセラーの先生は、どんなカンジで話を聴いてくれたのかな?

長男:フレンドリーに話してくれた。あと、相談しながら一緒に給食食べてくれたし。だから、相談するのは「ちょっと恥ずかしい」とか、「初めてだから、よく分かんない」って利用しない子は多いかもしれないけど、友だちだと思って一回やってみるといいと思う。それでも不安な時は、親にも一緒について行ってもらうとか。

母:慣れるまでの最初の何回かは、かあちゃん隣にいたもんね。それだと安心して相談できたかな?家の中だけじゃなくて、学校にも味方がいたのは、キミに取って大きいことだったかな、と思う。

長男:そう、そう。

一緒に勉強してくれた母と、いつも通りにしてくれた家族。

母:では、キミが勉強してる時、家族や周りの人が「してくれてよかった、助かったこと」ってある?

長男:まず、かあちゃん。ずっと一緒に毎日勉強につき合ってくれてありがとう。

母:そっか(照)。一緒にやったこと自体が、よかったんだね。

長男:それから、弟と妹ととうちゃん。一緒にゲームしたり、フツーに息抜きしてくれて、今まで通りに接してくれたこと…うん。そしてMy dog は癒し。ぺろぺろしてね、おやつをねだってきてね、カワイイ。

母:そうか。他の家族はいつも通りだったのが、かえって気が楽だったかな?

長男:うん!それから勉強も、休憩を挟んで、朝・昼・夜に分けて、ちょこちょこやるのがいいと思う。

母:まぁ無理しすぎないと言うか…集中できる時間も個人差あるもんね。キミはあんまり、毎日何時間も続けて勉強だと、ちょっと負担が大き過ぎるから「それはやめよう」って思ってた。成長期にしっかり睡眠を取るのも大事だしね。

長男:それに、遊ぶのも大切なことだから。おやつ食べたりさ。そういう時間を作る方が、より集中しやすいと思う。

母:うん、そうだね。じゃあ一旦、おやつタイムにしよう!(笑)

その子に合った学び方なら、できる子は沢山いる…!

この一年間での、自分の学び方に合わせた主体的な勉強は、多感な少年の心も成長させてくれました。

そして、例え今、お子さんの学校の成績がイマイチでも、それはその子の本当の「学力」を表しているのではないと思います。「自分に合った学び方なら、勉強ができる子は沢山いる!」…私はそう、心から確信しています。

☆次回「後編」では、長男が生意気にも、現在の日本の教育制度について思うことを正直に語ります。お楽しみに〜!

このコラムを書いた人の著書

発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法
大場美鈴(著)、汐見稔幸(監修)
ポプラ社
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