ADHDの子どもの医療機関の利用実態は?受診のきっかけ、 病院の探し方は?アンケート調査報告

2018/03/27 更新
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「じっとしているのが苦手」「集中できない」「衝動的に行動してしまう」そんな子どもの様子が気になる…。もしかしてADHD?医療機関を受診すべき?病院をどうやって探したらよいのかわからない…。医療機関の受診を巡ってさまざまな悩みを抱える保護者の方も少なくないのではないでしょうか?今回、ADHDの子どもを持つ保護者がどうやって病院受診を決めたのか、実際にどうやって病院を探したのか、発達ナビのユーザーの方にアンケートを実施しました。この記事では集まった約950人の声をご紹介します!

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「もしかしてADHDかも…?病院に行ったほうがよいの?」みんなの医療機関利用の体験を教えて!

近年ADHDの認知率が上がってきたこともあり、「うちの子、ADHDかも」と不安に思ったり、発達の遅れが気になったりして、受診を考える保護者の方もいらっしゃるかもしれません。またADHDに関しては、治療薬もあることから、医療機関を受診するケースもあるようです。

とはいえ、「なんとなく病院に行くのは怖い」「どうやって病院を探したらよいのかわからない」など病院を受診するまでのハードルもあるようです。「ほかの家庭はどうやって受診を決めたの?」「どうやって医療機関とつながり、どんなふうに利用しているの?」といった経験談を知りたい保護者もいるようです。

そこで、発達ナビではADHDの診断を受けた子どもがいる、またはADHDの疑いがある子どものために医療機関を受診したことのある保護者の方にアンケートを実施し、約950人にご回答いただきました。ご協力いただいたユーザーの皆様、ありがとうございました。

この記事では、調査結果の一部を抜粋し、ADHDの子どもの医療機関の利用実態についてお伝えします。

今回のアンケートの調査対象について

「LITALICO発達ナビ」会員へのメールから、アンケートフォームにて回答をいただいたADHDの診断を受けた子どもがいる、またはADHDの疑いがある子どものために医療機関を受診したことのある保護者951人の回答を集計しました。(調査期間:2018年3月2日~3月6日)

※設問によっては951人全員が回答していないもの、複数回答可のものがあります。
※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100%にならない場合があります。
※記事中の青い文字はアンケートの自由回答からの引用です。
では、ここからアンケートの結果を見ていきましょう。

ADHDの子どもの医療機関受診を考えたきっかけ

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医療機関を受診するきっかけは、「発達障害の有無を知りたい」が44.2%と最も高く、「診断を受けたい」32.9%とともに大きなニーズが読み取れます。

「相談したい」も37.7%で、「治療を受けたい」23.7%とともに子どもの困りごとや育児の方法について医療面からの解決策を知りたいという声も目立ちました。

専門家や支援者などの第三者に相談した際に、受診をすすめられた人も31.9%と多いようです。

そのほかにも、児童発達支援や療育手帳の申請、特別支援学級や通級指導教室への進学、加配の先生をつけるなど目的のために、医師の診断書や意見書をもらおうと受診したという回答もありました。
その他、回答者の中には、

「小学校へあがるにあたって、診断名や特性をはっきりさせることでこれから我が子に関わる人に子どもの状態を理解してもらいやすくなると考えました。子どもがよりよい支援を受けられるようにするため受診しました。」

「まわり(父親や、両親)へ、理解を求めるため。」


など、周りへの理解が求めやすくなることを期待したという声もありました。

そもそもADHDが気になったのは?

ADHDの症状や特性による行動、困り感が医療機関受診の背景に

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ADHDには不注意、多動性、衝動性の3つが特性として見られます。子どもには多かれ少なかれ、このような傾向がありますが、アンケートの「同年代の子どもとの違いが気になった」45.4%が示すように、周りの同年代の子どもと比べ、ADHDの子どもは特性が強い場合が見られます。

これらの特性は時に、忘れ物が多い、授業に集中できないなど学校生活への支障や、すぐに飛び出して迷子になってしまう、順番やルールが守れない、カッとなってお友達を突き飛ばしてしまうなどのトラブルを引き起こしてしまいます。

このような行動の問題やトラブルが、園や学校、周りからの指摘につながっていると考えられます。保護者にとっても、それらがADHDの特性によるものだとはっきりしないことが、大きな育児ストレスになっているようです。
「してはいけない事を何度言っても繰り返す。その度に注意するが言われたことが分かっていないような上の空な様子。叱れば叱るほど落ち着きがなくなり言うことを聞かなくなった。幼稚園で親子共々孤立し、親の愛情不足、躾がきちんと出来ていないと陰で言われ、私も疲れて子どもがかわいいと思えなくなった事から。」

医療機関受診前にADHDについて何らかの知識を得ている人が過半数

「親的に、子育てをしてきて、なんとなく普通と感性がちがうなぁとおもっているなか、トラブルが増えてきて、本人がいろいろな状況で人間関係がつまずくため、「つらい」といってきた」

アンケートの自由回答の中には、子育ての辛さや悩みの原因をはっきりさせ、対処法を知りたいという気持ちが受診の背景にあったという人も多くいました。何より、トラブルや困り感は、子ども自身を苦しめている場合があるようです。
ADHDについて受診前に「よく知っていた」10.1%、「知っていた」40.0%という結果になりました。事前に何らかの知識を得ている人が多いことがわかります。「名前だけは知っていた」という回答も28.5%を占めていました。

情報収集した方の具体的な手段としては、インターネットを利用したという人が8割以上でした。
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保護者の違和感や「もしかして?」という気持ちからADHDについて調べ、発達相談や医療機関の受診につながることも多いようです。

調べる中で子どもの様子や困り感がADHDの症状に当てはまると気付いたという回答や、ADHDの可能性があるかどうか検討するセルフチェックを利用したという回答もありました。

気になる方は、まずはADHDに関するセルフチェックをしたり、インターネットの記事や書籍を見たりするとよいかもしれません。

以下にADHDの可能性の有無を示唆する簡易的なチェックリストへのリンクをご紹介します。
※ADHDがあるかどうかは、医療機関でないと判断できません。チェックリストは、あくまで参考とし、気になることがある場合は専門機関や医療機関への相談をおすすめします。

医療機関受診のハードルとなったことは?

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「もしかしてADHDかもしれない」と思っても、医療機関を探して受診するとなると、なかなかすぐには踏み出せないハードルがあることもわかりました。
その理由としては「発達障害についてのネガティブな気持ち」(29.0%)、「受診に対する不安」(27.3%)、「家族の反対」(12.1%)など、心理面でのハードルも大きいことがわかります。

また、「初診の予約が取りにくい」(49.7%)、「病院が見つからない」(21.8%)の回答から、ADHDを含む発達障害を専門的に診察できる病院はまだ少なく、予約が取りにくいという現状も見えてきました。

さらに、近隣に病院がない地域や自治体が情報を持っていない地域などもあり、どこに病院があるか、また自分と子どもに合う病院はどこか、病院探しそのものがハードルとなっているようです。以下のようなエピソードも多く寄せられました。
「どの病院が診察できるのか分からない、通える範囲に診察できる病院が非常に少ない、電話しても予約でだいぶ先まで埋まってるので受付できないと断られる」

「発達心理などのリストに上がる病院でも実際発達障害に特化しているわけではなく、特化している病院の調べ方がわからず大変でした。」
ADHDの診察ができる病院を地域検索できるサイトもあります。以下のサイト「メンタルナビ」では、地域を絞ってADHDを診察できる病院を中心に調べることができます。電話番号や所在地のほか、子どもを診察できるか、予約診療かどうか、地図や診療時間、駐車場の有無なども調べることができるので、病院探しに役立ててみてください。

受診後、実際にADHDの診断を受けた人は41.4%

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