禁止ばかりの高校生活は「空っぽだ…」。かけがえのない経験をさせてあげたいけれど

リスク回避より、息子の望む高校生活が欲しいだけ!!頼りの病院の対応は?の画像
Upload By ひらたともみ
悲しかったです。心の底から悲しみであふれ、しばらく食事も喉を通らないほどでした。
 
リクが昨年、外傷性クモ膜下出血で入院したとき、確かに医師に「二度めはダメだよ!当分は慎重にね」と言われました。再び頭部を強打したり、脳に強い揺さぶりがあると、後遺症の症状も重くなるケースが多いそうです。私もリクもそれは十分に理解しています。

ですが、15歳の息子に好きなスポーツを禁じ、転倒を恐れて自転車を禁止し、限られたことをこなしていくような生活が、本当にいいのか。リクは今、体だけでなく心も成長しているまっただ中で、リスク回避ばかりの「安全」は、決して幸せな高校生ではないような気がしてなりませんでした。

リクがけがをし、高次脳機能障害を負ってから、高校や病院だけでなく、かかわったすべてのものに、不信感を抱くようになりました。

「もしも」の責任の所在など、リクも私たち家族も正直、どうでもいいのです。
 
「●●病院なら書いてくれるんじゃない?」と言ってみたり、意見すると「お母さんは目立たない方がいい」と言ったり…。私の不安な気持ちをあおり、対応から逃げようとする姿勢が、悲しみを大きくさせた気がします。

結局、そんな不信感からいまだ脱することができず、「コーディネーターさんに高校とのパイプ役になってもらったら?」という提案もお断りしました。そして主治医に「●●病院で書いてもらえば?」と言われた病院にも行けずにいます。

結局リクは、体育の参加も自転車通学も認めてもらえず、毎日私の送迎で登校し、体育は見学で過ごしています。しかし、以前のように不満を吐くこともありません。それがなんだか、もの寂しくもあります。

「学校はどう?」と先日聞いたら、たった一言「空っぽだ…」と言って自分の部屋に行ってしまいました…。

その肩を落とした後ろ姿が、私の脳裏に焼きついて、悩み、考えあぐねている日々です。
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