不安や緊張、痛みをやわらげる 「タッピングタッチ」って?発達障害のある息子のリラックス法にも活躍!
ライター:林真紀
不安、緊張、痛み、ストレスなどを和らげる「タッピングタッチ」を知っていますか?私はあることをきっかけに、このタッピングタッチを知り、ストレスや緊張が高まったときにやるようにしています。また、発達障害のある息子が不安でイライラしているときなどにも、手軽にやることができます。
今回は、そんな気軽なリラックス法である「タッピングタッチ」をご紹介します。
長引く原因不明の腰の痛みに医師が予想外の診断
昨年の秋ぐらいでしょうか。私は突然、原因不明の腰の痛みに苦しみ始めました。最初は少し気になる程度だったので我慢していたのですが、痛み出してから半年を迎えるころには、時間帯によっては七転八倒するほどの痛みになりました。
整形外科に行っても、湿布と痛み止めをもらうだけだろうと思い、通院もしていませんでした。けれども、今年の5月の中ごろは、もう痛む間は言葉を発することもできないほど悪化していました。さすがに家族もこのまま見過ごすわけにはいかないと思ったようで、夫につき添われて、近所の整形外科に行ったのでした。
整形外科ではレントゲンを撮って、触診などもしましたが、「特に異常はないんですよねえ」というお話。こんなに痛いのに…とガックリした私。けれども、整形外科の先生が予想外のことを言ったのです。
「あなたの痛みは、筋肉や骨の異常から来ているわけではないよ。脳から来てるんですよ。脳が、痛みを抑える物質を出せなくなって、ちょっとした刺激でも激痛に感じるようになってるんです。長期に渡る心理的ストレスなんかがかかると、痛みを抑える物質が出しづらくなるんです。ストレスのかかる場面で、痛んだりするでしょう?」
私はこの先生の言葉を聞いて、ハッとしました。思い返すと不思議なことに、全く痛まない時間もあったのです。何かに夢中になっているときは痛みを感じていませんでした。
「ですよね。痛みで身体が緊張して血管が収縮して、それによってさらに痛みを起こす物質が脳から出てきちゃうんです。悪循環なんですよね」
整形外科の先生は、湿布でも痛み止めでもなく、沢山のリラックス法を書いた冊子をくれました。さらに、「明日、当院でタッピングタッチの講習会をやりますので、良かったら来てみてくださいね」と言われたのです。
「タッピングタッチ…?」
私には、ある記憶がよみがえりました。
整形外科に行っても、湿布と痛み止めをもらうだけだろうと思い、通院もしていませんでした。けれども、今年の5月の中ごろは、もう痛む間は言葉を発することもできないほど悪化していました。さすがに家族もこのまま見過ごすわけにはいかないと思ったようで、夫につき添われて、近所の整形外科に行ったのでした。
整形外科ではレントゲンを撮って、触診などもしましたが、「特に異常はないんですよねえ」というお話。こんなに痛いのに…とガックリした私。けれども、整形外科の先生が予想外のことを言ったのです。
「あなたの痛みは、筋肉や骨の異常から来ているわけではないよ。脳から来てるんですよ。脳が、痛みを抑える物質を出せなくなって、ちょっとした刺激でも激痛に感じるようになってるんです。長期に渡る心理的ストレスなんかがかかると、痛みを抑える物質が出しづらくなるんです。ストレスのかかる場面で、痛んだりするでしょう?」
私はこの先生の言葉を聞いて、ハッとしました。思い返すと不思議なことに、全く痛まない時間もあったのです。何かに夢中になっているときは痛みを感じていませんでした。
「ですよね。痛みで身体が緊張して血管が収縮して、それによってさらに痛みを起こす物質が脳から出てきちゃうんです。悪循環なんですよね」
整形外科の先生は、湿布でも痛み止めでもなく、沢山のリラックス法を書いた冊子をくれました。さらに、「明日、当院でタッピングタッチの講習会をやりますので、良かったら来てみてくださいね」と言われたのです。
「タッピングタッチ…?」
私には、ある記憶がよみがえりました。
発達障害や愛着障害の子どもたちに
それは、発達障害の専門医の講演会に行ったときのことです。講演会で登壇した医師は、発達障害や愛着障害等でフラッシュバックや不安に苦しむ子どもたちの診察で、専用の器具を用いて、トラウマの処理を行っているといいます。しかし、一般の人は手に入れられないため、この器具の原理に似たリラックス法で、気軽に実践できる方法として「タッピングタッチ」をすすめていました。
やり方は本当にシンプルで、相手の背中側から身体を左右交互にトントンとゆっくり優しく叩くだけです。あまりにシンプルだったため、そのときは半信半疑でした。
けれども、発達障害の息子を育てながら、私はいつも、その身体の不自然な緊張の仕方が気になってはいました。身体が脱力気味でぐにゃぐにゃとしているのに、変なところに力が入っていて、頻繁に頭痛がしたり、身体が疲れてしまうのです。
思わぬきっかけで"再会"した「タッピングタッチ」。発達障害の専門医による講演のことも思い出し、もしかしたら、このシンプルなリラックス法で、息子がうまく身体の力を抜くことができるかもしれない、と考えたのです。ついでに、自分の身体の痛みも和らぐのであれば、一石二鳥です。
私は、整形外科ですすめられた講習会にも参加してみることにしたのです。
やり方は本当にシンプルで、相手の背中側から身体を左右交互にトントンとゆっくり優しく叩くだけです。あまりにシンプルだったため、そのときは半信半疑でした。
けれども、発達障害の息子を育てながら、私はいつも、その身体の不自然な緊張の仕方が気になってはいました。身体が脱力気味でぐにゃぐにゃとしているのに、変なところに力が入っていて、頻繁に頭痛がしたり、身体が疲れてしまうのです。
思わぬきっかけで"再会"した「タッピングタッチ」。発達障害の専門医による講演のことも思い出し、もしかしたら、このシンプルなリラックス法で、息子がうまく身体の力を抜くことができるかもしれない、と考えたのです。ついでに、自分の身体の痛みも和らぐのであれば、一石二鳥です。
私は、整形外科ですすめられた講習会にも参加してみることにしたのです。
される側だけでなく、する側もリラックス!家族のコミュニケーションにも
整形外科の講習会では、身体のさまざまな痛みに苦しむ人たちがいました。二人一組になり、15分ずつ、相手の背中などをトントンと叩き合いました。体験すると、痛みでガチガチだった身体が少しずつゆるんでいくような感じがしました。そして、手足がポカポカとしてくるのでした。
講習会が終わったときには、リラックスしてみんな頭がボーっとしてしまい、「車の運転はしばらく休憩してからにしてくださいね~」とスタッフが声をかけるほどでした。
その後、わが家でも実践してみました。息子は触覚過敏があるため、首や頭などはくすぐったく感じてしまうようですが、背中や腕などの部分は大丈夫だったので、緊張が高まったときにタッピングタッチをしてあげています。
私も寝る前に、夫からやってもらうようにしたり、セルフタッピングタッチを実践したりしています。すると、とてもリラックスした状態で眠ることができるようになりました。東日本大震災のときにも、被災された方が震災のストレスで不眠になった折に、夫婦でタッピングタッチをやり始めてからよく寝ることができるようになったそうで、避難所でのリラックス方法としてメディアでも取り上げられていたようです。
また、「タッピングタッチ」は家族のスキンシップにもなります。触られることがダメな子でも、相手にタッピングタッチをしてあげることはできます。「タッピングタッチ」は、されるほうだけではなく、するほうもリラックスできるからです。
家族のコミュニケーションに、寝る前に15分の「タッピングタッチ」、取り入れてみると良いかもしれません。する方もされる方も、ちょっと優しい気持ちになれるのです。
講習会が終わったときには、リラックスしてみんな頭がボーっとしてしまい、「車の運転はしばらく休憩してからにしてくださいね~」とスタッフが声をかけるほどでした。
その後、わが家でも実践してみました。息子は触覚過敏があるため、首や頭などはくすぐったく感じてしまうようですが、背中や腕などの部分は大丈夫だったので、緊張が高まったときにタッピングタッチをしてあげています。
私も寝る前に、夫からやってもらうようにしたり、セルフタッピングタッチを実践したりしています。すると、とてもリラックスした状態で眠ることができるようになりました。東日本大震災のときにも、被災された方が震災のストレスで不眠になった折に、夫婦でタッピングタッチをやり始めてからよく寝ることができるようになったそうで、避難所でのリラックス方法としてメディアでも取り上げられていたようです。
また、「タッピングタッチ」は家族のスキンシップにもなります。触られることがダメな子でも、相手にタッピングタッチをしてあげることはできます。「タッピングタッチ」は、されるほうだけではなく、するほうもリラックスできるからです。
家族のコミュニケーションに、寝る前に15分の「タッピングタッチ」、取り入れてみると良いかもしれません。する方もされる方も、ちょっと優しい気持ちになれるのです。
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