思春期を迎えた男の子への対応ポイントとは?

思春期のお子さんを育てる保護者の方が感じやすいであろう悩みの背景に、「今までのわが子とちがう」という点があるのではないでしょうか。

また母親の場合、異性である息子の成長に戸惑い、対応の仕方に迷いが生じて、叱ってばかりになったり、はれ物に触るように対応したりなど、コミュニケーションがうまく取れなくなる場合もあるでしょう。

環境調整をする

「勉強するゾーンと趣味のゾーンを分ける」「忘れ物しないよう置き場所を決めておく」など、環境を整えることで、子どもにとって刺激が少なくなったり、行動の切り替えがスムーズになります。そのため、ストレスや衝動的な言動を減らすことができます。

「指示」から「聴く」コミュニケーションへ

自立心が芽生えはじめた子どもに対しては、今までのような「指示」する方法でのコミュニケーションは難しくなってきます。

自立心の芽生えはじめた子どもにとって思春期は
◇意思を示す: 自分の主張や考えの認識・表出
◇考える: 自分の主張や考えを他者と調整
◇解決する: 解決・妥協する
という力をつけていく時期にあたります。

保護者には、意思を示した子どもに対して、「考える」サポートをすることで、解決に導いていくことが求められます。この時に「気持ちを尊重して聴く」ことが、子どもが自分で自分の考えを整理し動き出す、サポートとなります。
「聴く」ときのポイント
・すぐに否定せず「そう」「うん」などの言葉で気持ちをいったん認める
・子どもの気持ちを代弁する
・どうする?どうすればいい?など、考えをたずねる

気持ちを認め、代弁することで、コミュニケーションができる関係性をつくり、反発・拒否だけで終わらず、どうすればいいのかを自分で考えられる時間をつくるのです。

食事中のスマホ利用がやめられない場合
【指示のコミュニケーション】
保護者「ごはんだよ」
子ども「分かってる」
保護者「分かっているなら早くスマホ見るのをやめなさい」
子ども「うるせぇなぁ!」(分かってるって言ってるじゃん!)

【聴くコミュニケーション】
保護者「ごはんだよ」
子ども「分かってる」
保護者「そう。メールが気になるの?」
子ども「…うん」
保護者「何分くらいかかりそう?」
(時間をおいてから)
保護者「〇分たったよ。メール終わった?」

「メールが気になるの?」と子どもの気持ちをいったん認めたうえで、何分くらいかかりそうかたずね、自分で考えさせるのがポイントです。

子どもの発達に合わせた「ほめ」方でほめる

思春期の子どもは、小さいころと同じようにほめられると子ども扱いされたような気持ちになることもあります。子どもの心の発達に合わせたほめ方が必要になります。ほめられることで適切な行動が増え、親子のコミュニケーションも向上します。

「ほめる」ときのポイント
・できないことではなく、できていることに着目する
・結果ではなく努力(プロセス)に着目する
・感謝や敬意を伝える
・さらりとほめる

◇できていることを認める例
(部屋は散らかっており、お菓子をたべながらではあるが宿題をしている状況)
保護者「部屋を片付けてから勉強しなさいよ!」
子ども「うるせーなー」

保護者「お、何かやってるじゃない」
子ども「うん」

◇子どもの年齢にふさわしいやり方で、感謝や敬意を伝える例
(子どもが買い物に行ってくれたとき)
保護者「わー、買い物してきてくれたのね。えらーい!」
子ども「…」

保護者「手が離せなかったから、買い物に行ってくれてほんと助かったわ。ありがとう」
子ども「うん」

子どもの心の発達に合わせたほめ方を心がけましょう。小さいころのように「えらーい」「すごーい」と言われると、馬鹿にされたような気持ちになることもあります。さりげなく敬意を伝えることがポイントです。

また、聴きたいことがあるときは、最初から聴き出そうとするのではなく、子どもが興味のある・話したいと思っている内容をまず聴くことが大切です。大人にとって都合のいい話ばかりをさせたがると、大人と話すことに意義を感じられなくなってしまいます。

行動契約を結ぶ

ゲームやテレビ、勉強の時間など、保護者と子どもで目標となる行動を決めて紙に書きます。約束が守れたら印をつけ、記録します。ポイントがたまったら決めておいたものや好きな活動を交換できるシステムです。約束しておくことで、行動を促す際にスムーズになります。

行動契約づくりのポイント
・保護者が一方的に押し付けるのではなく、子どもの気持ちを受け止め、意見を聴いてからつくる
・ハードルは高くせず、やればできるけれど、「継続・定着」が難しい行動を目標にする
・評価のポイントを明確・具体的にする
・できなかったときのリカバリー策も設ける

行動契約のメリット
・自己コントロールが育つ
・自分の頑張りや努力が目で見て分かる
・将来就労したときに給料の仕組みを理解しやすくなる

異性との関わり方、距離感の教え方は?

発達障害の男の子、思春期はどんな時期?変化の内容や大人の関わり方のポイントを解説!の画像
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161010249
異性との関わり方や性的なことについて、親からの自立をしようとしはじめる思春期に入ってから急に教えるのではなく、小学生のころから少しずつ教えていくと、混乱を減らすことができます。

思春期に入る前から、どのように行動したらいいかを、まず家族が実践して見せることが大切です。

例えば、次のようなことを家庭内で心がけるだけで子どもの理解を助けることができます。
・(入浴介助が必要な子どもの場合)異性の保護者は洗い場で服を着たままで介助する
・家族全員が、お風呂あがりに裸で部屋の中をうろうろしない。着替えは脱衣所か自分の部屋で行う
・子どもの精神的な発達に応じて、抱っこなどのスキンシップは徐々に減らし、年齢相応のボディタッチ(肩をポンと叩くなど)に移行していく

人前で裸にならない・見せないなど、自然に性を意識させていくことが大切です。

また、子どもが一人になれる「マイスペース」を確保してあげましょう。部屋が難しい場合は仕切りをつくるのでも大丈夫です。着替えなど、プライベートなことはそこで行うようにします。

まとめ

思春期、男の子、発達障害、と関わる要素が複雑で不安を感じやすい時期なのではないでしょうか。悩みに向き合うたびに「これは時期によるものなのか、障害によるものなのか、男の子だからなのか、それとも?」と見通しの立たない不安を感じる方もおられるかもしれません。

子どもの意思を尊重したコミュニケーションの取り方によって問題行動を減らしたり、性的な意識づけは家庭内で少しずつ実践を行うことで性的トラブルが起きないよう子ども自身理解を深めることができます。

お子さん一人ひとりの成長を見つめながら、その時々にあった関わり方を探していけるとよいですね。
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