子どもの起立性調節障害、親にできることは?症状、治療、学校との連携まで
ライター:発達障害のキホン
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立性調節障害(OD)は、朝起きれられない、起き上がるとめまいや動悸、頭痛といった症状が特徴的な疾患です。思春期の子どもに見られることが多く、学校への遅刻が増える、授業に集中できなくなるといった状況に悩んでいる人も少なくありません。そんな起立性調節障害について、疾患の概要や治療方法、日常生活・学校生活におけるサポート方法などを解説します。
監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
この記事で分かること
- 起立性調節障害は起床困難などの症状がある身体的な疾患で、思春期の子どもに多く見られ、学校生活に影響が出ることもある
- 治療方法は主に生活習慣の改善と薬物療法。治療には数ヶ月以上かかることもある。子どもが診断を受けたら、症状で辛い思いをしていることに寄り添って一緒に治療に取り組むとともに、学校と連携して対応していくこと大事となる
起立性調節障害(OD)とは?
起立性調節障害(OD)とは、思春期に起こりやすい自律神経機能不全のことで、立ちくらみや失神、朝起きられない、倦怠感や動悸、頭痛などの症状が表れます。小学生高学年から高校に多く見られ、発症率は小学生で約5%、中学生では約10%ともいわれています。
起立性調節障害(OD)は、精神疾患の診断基準である最新のDSM-5-TRには記載されていません。正式な「病名」ではなく、自律神経の働きの乱れによって朝に体調が整わない状態を指します。
不登校やひきこもりにつながることも
朝起きられないことで遅刻が増えたり、登校できても午前中は体調が悪く授業に集中できなかったりと、学校生活に支障が出る可能性が指摘されています。状態によっては、不登校やひきこもりにつながることもあるといわれていれ、不登校の3〜4割にODが認められます。
周囲から「ただのなまけ」「気持ちの問題」と誤解されてしまうことも少なくありませんが、早期に気づいて適切に対応することが大切です。周囲から「ただのなまけ」「気持ちの問題」と誤解されてしまうことも少なくなく、早期に気づいて適切に対応することが大切です。
周囲から「ただのなまけ」「気持ちの問題」と誤解されてしまうことも少なくありませんが、早期に気づいて適切に対応することが大切です。周囲から「ただのなまけ」「気持ちの問題」と誤解されてしまうことも少なくなく、早期に気づいて適切に対応することが大切です。
起立性調節障害の主な症状
起立性調節障害では以下のような症状がよく見られます。ここでは身体症状とその他の症状にわけて紹介します。
身体症状
・立ちくらみ、朝の起床困難、めまい、動悸、頭痛、全身の倦怠感、失神など
その他の症状
・思考力の低下、気力の低下、慢性疲労、イライラなど
このような症状は午前中に強く午後には軽減する傾向があります。夕方以降はむしろ活動的になる人もいるため、気持ちの問題と誤解されることも多くあるといわれています。
・立ちくらみ、朝の起床困難、めまい、動悸、頭痛、全身の倦怠感、失神など
その他の症状
・思考力の低下、気力の低下、慢性疲労、イライラなど
このような症状は午前中に強く午後には軽減する傾向があります。夕方以降はむしろ活動的になる人もいるため、気持ちの問題と誤解されることも多くあるといわれています。
起立性調節障害の4つのタイプ
起立性調節障害は症状によってサブタイプと呼ばれる4つの分類があります。サブタイプは起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群、血管迷走神経性失神、遷延性起立性低血圧と呼ばれているので、それぞれ簡単に紹介します。
- 起立直後性低血圧
起き上がった直後に血圧低下が起き、回復に時間がかかることが多いサブタイプ - 体位性頻脈症候群
起き上がった直後の血圧低下はなく、心拍数が増加するサブタイプ - 血管迷走神経性失神
起き上がっている最中に急激な血圧低下を起こし、失神することもあるサブタイプ - 遷延性起立性低血圧
起き上がっている最中に徐々に血圧低下が進み、失神することもあるサブタイプ
起立性調節障害の原因
起立性調節障害の原因は自律神経の機能不全と考えられています。何らかの要因で自律神経がうまく働かなくなり、立ち上がるときの体や脳への血流が低下することで、さまざまな症状が表れるとされています。
起立性調節障害の治療方法
起立性調節障害は適切な治療をすることで、症状の改善が見込める疾患です。ここでは、起立性調節障害の治療方法として、非薬物療法と薬物療法を紹介します。
非薬物療法
起立時に症状が起こる起立性調節障害では、日常生活の中で動作や食事に気をつけることで、症状を起こしにくくすることができます。
薬を使わない非薬物療法では、医師から起立性調節障害の説明とともに症状を緩和するための生活習慣の指導があります。
ここで挙げたものは基本的なことで、実際には症状の表れ方や体質、現在の生活環境などさまざまなことを考慮したうえで、生活習慣の改善に取り組んでいきます。
また、ストレスが症状に関わっている場合には、カウンセリングなどの心理療法が行われることがあります。
薬物療法
起立性調節障害の治療では薬を使うこともあります。ただし、薬物療法だけでは不十分と考えられており、生活習慣の改善と合わせて取り組んでいくことが大事です。
非薬物療法
起立時に症状が起こる起立性調節障害では、日常生活の中で動作や食事に気をつけることで、症状を起こしにくくすることができます。
薬を使わない非薬物療法では、医師から起立性調節障害の説明とともに症状を緩和するための生活習慣の指導があります。
- 生活リズムを整える(早寝、早起き)
- 体を起こすときは頭を下げながらゆっくり立つ
- 水分(1.5〜2L/日)と塩分(+3g/日を目安に)をしっかりととる
- 適度な運動(15分〜30分/日の散歩)を行う
- 暑い場所を避ける
- 日中は身体を横にしないようにする
- 腹圧バンド、着圧ソックスは有効
ここで挙げたものは基本的なことで、実際には症状の表れ方や体質、現在の生活環境などさまざまなことを考慮したうえで、生活習慣の改善に取り組んでいきます。
また、ストレスが症状に関わっている場合には、カウンセリングなどの心理療法が行われることがあります。
薬物療法
起立性調節障害の治療では薬を使うこともあります。ただし、薬物療法だけでは不十分と考えられており、生活習慣の改善と合わせて取り組んでいくことが大事です。