起立性調節障害の多い年代

起立性調節障害は、思春期特有の病気と言われています。発症する年齢は10〜16歳が多く、小学生の約0.5%、中学生の約10%にこの病気があるとされています。男女比で見ると女子の方が多く、男子よりも1.5〜2倍多いです。
出典:起立性調節障害(OD)|日本小児心身医学会
https://www.jisinsin.jp/detail/01-tanaka.htm

起立性調節障害の合併症

起立性調節障害の合併症としては、以下のようなものが挙げられます。

・身体面: 睡眠障害、ときに痙攣を伴う失神、著しい頻脈
・心理面、行動面:: 集中力や思考力の低下、日常生活の活動量の低下、長期間にわたる欠席

また、発達障害のある子どもが起立性調節障害を発症することも少なくありません。発達障害のある子どもは、ストレスを感じやすい傾向があると言われています。これが原因で自律神経に影響を及ぼし、起立性調節障害を起こしやすいと言われています。

起立性調節障害と似た病気

起立性調節障害と似た症状が現れる病気がいくつかあります。その中から、「うつ病」と「脳脊髄液減少症」についてご紹介します。

うつ病

起立性調節障害では集中力の低下や活動量の減少などが見られるため、しばしば心の病気=うつ病と診断されることがあります。しかし、うつ病は昼夜問わず無気力などの症状があるのに対して、起立性調節障害では夜になると元気になるという傾向があります。

起立性調節障害ではなくうつ病だと診断された場合、抗うつ薬の服用によって起立性低血圧が起きてしまうこともあり、症状が悪化する可能性もあります。

脳脊髄液減少症

起立性調節障害と間違えられやすい病気として、脳脊髄液減少症も指摘されています。脳脊髄液減少症とは、脳や脊髄のまわりにある脳脊髄液が、何らかの原因で漏れることを言います。

脳脊髄液が減少すると起こる症状の中に、起立したときの頭痛やめまい、血圧・脈拍の異常などがあります。このような症状があることから、起立性調節障害と間違えられやすいのです。

発症する原因には、交通事故でのむち打ちといった外傷などがありますが、原因不明な場合も少なくありません。病気としてはまだ広く知られておらず、発見されるのに時間がかかることも多いようです。
次ページ「起立性調節障害が疑われるとき、病院はどこを受診したらいい?」

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