起立性調節障害かもしれないと思ったら

子どもが起立性調節障害かもしれないと感じたときに、病院の何科を受診したらいいのか、どのくらい治療期間がかかるのかなど気になることを紹介します。

何科を受診したらいい?

起立性調節障害は思春期特有の疾患であることから、診察は主に小児科で行われています。かかりつけの小児科がある場合は、まずそちらに相談してみるといいでしょう。
高校生以上の場合は、一般内科、神経内科、循環器内科などになります。起立性調節障害を診ることができるかは病院によるので、先に電話などで問い合わせておくといいでしょう。

診断方法は?

起立性調節障害の診断方法は、まず診察や血液検査、心電図検査などによって起立性調節障害以外の疾患の可能性がないかを確認します。

そのうえで、治療ガイドラインによって定められた11項目に当てはまるか確認し、3つ以上当てはまる場合は新起立試験という検査によって診断を行います。

治療期間の目安は?

起立性調節障害は、軽症であれば適切な治療によって2〜3ヶ月程度で改善するといわれています。しかし、中には学校生活や日常生活に支障をきたす重症例もあり、その場合は社会復帰に2〜3年以上という長期間を要することもあります。また、人によっては大人になってからも症状が続く場合もあるため、医療機関を受診し適切な治療を行なうことが大事といえます。

子どもが起立性調節障害と診断を受けたら気をつけたいこと

子どもが起立性調節障害と診断を受けたら気をつけたいこととして、ここでは本人への接し方や治療への取り組み方、学校との連携について紹介します。

本人の辛さを理解する

起立性調節障害は朝起き上がれない、夕方以降は活動的など、病気というイメージからは遠いかもしれません。しかし、それらは症状であり本人もコントロールすることができず、辛い思いをしています。まずはそのことを受け入れることが大事です。

無理に起こそうとしたり、遅刻することを叱ったりせずに、症状によるものだと理解することも大事です。そのうえで、主治医と連携を取るなどして起立性調節障害の正しい知識を身につけ、適切な対応をしていくようにしましょう。

一緒に治療に取り組む

起立性調節障害の治療では生活習慣の改善が大きな割合を占めます。家族の協力がなくてはできないことなので、一緒に治療に取り組むという姿勢も大切です。ただ、生活習慣を変えようとしても、症状がある中ではうまくいかないことも多いと思います。急に全部を変えるのではなく、無理のないペースで進めていくことが大事です。

また、起立性調節障害の治療は早くても数ヶ月かかるうえ、症状によってはさらに長い期間がかかることも考えられます。勉強の遅れや進路など心配になると思いますが、なるべく焦らずにそのときにできる治療や対策に取り組んでいきましょう。

学校と連携する

起立性調節障害があると、学校生活にも影響が出てきます。遅刻や授業に集中できずに成績が落ちる可能性もありますし、そのことや周りの目が気になって学校に行くことが大きなストレスになることも考えられます。そこで、学校との連携も大事になってきます。

担任の先生が起立性調節障害について知識がない場合もあるので、診断を受けたことや具体的な症状などを伝えたうえで、サポートを依頼するといいでしょう。

具体的には以下のようなサポートがあります。
  • 遅刻や早退を認めてもらう
  • 保健室登校を認めてもらう
  • 体育では見学を認めてもらう
  • 本人の同意の元で、周りの生徒に説明をする
  • 体調不良時の対応を共有しておく

適切なサポートをすることで、起立性調節障害のある子どもの精神的な負担は軽減することができます。実際にどのようなサポートを依頼するかについては、主治医とも相談して、学校側に伝えると良いでしょう。
起立性調整障害対応ガイドライン|岡山県教育委員会
https://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/379403.pdf
起立性調節障害|熊本県教育委員会・熊本県
https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/274689.pdf

まとめ

起立性調節障害は、気持ちの問題だと誤解されやすい病気ですが、体の病気です。回復するまでに時間を要することも少なくありません。病気そのものの認知度もまだ低いため、起立性調節障害と気づかずに、苦しい思いをしている子どもや保護者も多くいると考えられています。

起立性調節障害は適切な治療をすることで症状は改善する可能性があります。もし該当する症状や心配な症状があるようであれば、かかりつけの小児科などに相談してみるといいでしょう。
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