服用前・服用中に注意すべきこと
  スボレキサントをはじめとして、睡眠薬は脳に直接作用するため、飲み合わせや飲み方を間違えると、日常生活に大きな影響をおよぼす恐れがあります。特に、禁忌事項はしっかり守りましょう。
      禁忌のケースは?
  イトラコナゾール、ポリコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル、インジナビル、テラプレビルとの併用は、してはいけません。これらは、CYP3A(薬の成分を分解して体外へ代謝するための物質)を阻害するので、スボレキサントの作用を著しく増強させてしまう恐れがあるためです。
      妊娠中、授乳中の人の服用
  妊娠または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ服用できますが、安全性は確立されていません。また、授乳中に服用する場合は授乳を中止する必要があります。
      乳児・幼児の服用
  低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児等に対しては、使用経験がないため安全性は確立していません。
      飲酒の影響
  スボレキサントもアルコールも、ともに中枢神経系に対する抑制作用があるため、重い副作用につながる場合があります。服用中は禁酒しましょう。
      記憶力、運動能力への影響
  副作用に傾眠とあるように、スボレキサントによる眠気は、朝だけでなく昼以降にも続いてしまうことがあります。作用時間から考えると昼まで薬が残ることはあまりないのですが、「日中までだるく、眠気が続いて、記憶力が低下したり、運動能力が下がってしまう」という例もあるようです。続くようであれば、医師に相談しましょう。
      他薬との飲み合わせは?
  中枢神経の働きを抑制する薬やCYP3Aを阻害する薬、逆にCYP3Aを強く誘導してしまう薬は飲み合わせに注意が必要です。そのほか、体内の雑菌や真菌を外に出す働きの強い抗菌薬などで、ベルソムラとの飲み合わせとして禁忌の薬もあります。
必ずお薬手帳などを活用して、自身はもちろん医師、薬剤師にも服用している薬を把握してもらいましょう。
      
      
        
    必ずお薬手帳などを活用して、自身はもちろん医師、薬剤師にも服用している薬を把握してもらいましょう。
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          まとめ
  スボレキサントは、「オレキシン受容体拮抗薬」という新しい作用の薬で、これまでの睡眠薬とは違う特徴を持っています。もちろん薬ですから副作用もありますが、従来の睡眠薬と比較すると耐性・依存性が少ない睡眠薬といわれています。
とはいえ、それぞれの特徴を知ったうえで、医師や薬剤師と連携し、自身の不眠状態に合った薬を使い分けていくことが大切です。その中で、スボレキサントも選択肢の一つとして検討すると良いでしょう。
      
  とはいえ、それぞれの特徴を知ったうえで、医師や薬剤師と連携し、自身の不眠状態に合った薬を使い分けていくことが大切です。その中で、スボレキサントも選択肢の一つとして検討すると良いでしょう。
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