ADHD(注意欠如多動症)とは?見た目では分からない困りごとなどイラストで解説【専門家監修】
ライター:医師・専門家監修|発達障害・支援のキホン
Upload By 医師・専門家監修|発達障害・支援のキホン
ADHD(注意欠如多動症)は、外見からはその特徴が分かりにくかったり、「衝動的に行動する」「忘れっぽい」「落ち着きがない」などの行動面の問題は個人の努力不足と誤解されやすかったりと、理解されにくいことがあります。この記事ではイラスト図解で、ADHD(注意欠如多動症)の原因や症状・特性、チェックポイントなどを解説します!
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ADHD(注意欠如多動症)とは
ADHD(注意欠如多動症)は、不注意、多動性、衝動性などの特性があり、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。特性のあらわれ方によって多動・衝動性の傾向が強いタイプ、不注意の傾向が強いタイプ、多動・衝動性と不注意が混在しているタイプなど主に3つに分けられます。
ADHD(注意欠如多動症)の特徴を分かりやすくまとめると、以下のようになります。
ADHD(注意欠如多動症)の特徴を分かりやすくまとめると、以下のようになります。
ADHD(注意欠如多動症)の見た目からは分かりにくい困難さとは? ADHD(注意欠如多動症)の3つの特性と診断タイプを解説
主な特性は「不注意」「多動性」「衝動性」の3つ
ADHD(注意欠如多動症)には「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特徴があるといわれています。
・不注意…物事に集中できず、忘れっぽい
・多動性…落ち着きがなく、じっとしていられない
・衝動性…自分の感情や行動をコントロールできず、衝動的に動いてしまう
それぞれの症状の現れ方は一人ひとり異なり、不注意が目立ち、多動性はあまり見られない人もいれば、多動・衝動性が強く現れる人もいます。
これらの行動特徴は、個人の努力不足と誤解されやすい傾向があります。
・不注意…物事に集中できず、忘れっぽい
・多動性…落ち着きがなく、じっとしていられない
・衝動性…自分の感情や行動をコントロールできず、衝動的に動いてしまう
それぞれの症状の現れ方は一人ひとり異なり、不注意が目立ち、多動性はあまり見られない人もいれば、多動・衝動性が強く現れる人もいます。
これらの行動特徴は、個人の努力不足と誤解されやすい傾向があります。
ADHD(注意欠如多動症)の特性・困りごとをくわしくチェック
ADHD(注意欠如多動症)のある人によく見られる困りごとの一部を下の表でご紹介します。不注意、衝動性と多動性の困りごとは関係しあったり、重なったりしている場合も少なくありません。
年齢や環境などによって現れる特性や困りごとは異なり、また特性があるからといって必ずしも生きづらさや困りごとが現れるとは限りません。ですが、リストの特性や困りごとに当てはまるものが多く、長期にわたって日常生活や学業・仕事に支障が出ている場合、専門家への相談をおすすめします。自治体の保健福祉センターや子育て支援センター、発達障害者支援センターなどで相談支援を行っています。必要に応じて検査や、発達障害を専門とする医療機関につないでもらうこともできます。
ADHD(注意欠如多動症)の特徴とは?2歳ごろから現れる?チェックリストも【専門家監修】
ADHD(注意欠如多動症)の原因は?イラストで分かりやすく解説
ADHD(注意欠如多動症)の症状を引き起こす脳の仕組み
ADHD(注意欠如多動症)の症状が起こる確かな原因はまだ解明されていません。近年の研究から、ADHD(注意欠如多動症)の人は、行動等をコントロールしている神経系に機能異常があると考えられ、脳の前頭前野部分の関連が有力視されています。
脳が働くためには、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質が必要です。しかしADHD(注意欠如多動症)のある人の場合神経伝達物質がうまく運べず、そのために「多動」「衝動」「不注意」の3つの特徴が現れると考えられています。また、前頭前野の働きが弱いと、五感からの刺激を敏感に感じ取ってしまいます。このため、論理的に考えたり集中するのが苦手となる傾向があるのではないかという説もあります。
また、明確な原因の解明には至っていませんが、複数の関連遺伝子が先天的な脳機能の偏りに関わり、それが様々な環境的要因と相互に影響し合ってADHD(注意欠如多動症)の症状が生じると考えられます。
また、明確な原因の解明には至っていませんが、複数の関連遺伝子が先天的な脳機能の偏りに関わり、それが様々な環境的要因と相互に影響し合ってADHD(注意欠如多動症)の症状が生じると考えられます。
ADHD(注意欠如多動症)の併存症と二次障害
ADHD(注意欠如多動症)の併存症
上記の図が示すように、ASD(自閉スペクトラム症)やLD・SLD(限局性学習症)といったADHD(注意欠如多動症)以外の発達障害、知的障害(知的発達症)は重なりあっている場合も少なくありません。また、感覚過敏・感覚鈍麻やチック症なども併存症として知られています。併存症がある場合、それだけ困りごとも増え、治療法や対処法も複雑になります。
二次障害として現れる合併症にも注意
ADHD(注意欠如多動症)の特性が理解されないまま生きづらさが強くなると、心の病や行動の問題など、二次的な障害を引き起こすことがあります。
以下に二次障害に陥りやすいプロセスをご紹介します。
以下に二次障害に陥りやすいプロセスをご紹介します。
適切な環境や周りの対応が得られないと、ADHD(注意欠如多動症)の場合、年齢が上がるにつれて行動面の問題や行為障害につながりやすいといわれています。特に、ADHD(注意欠如多動症)から反抗挑戦性障害(反抗挑戦症)、行為障害(素行症)、反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティ症)へと進行する場合を「DBDマーチ(破壊的行動の障害の行進)」ということもあります。
二次障害を予防するためにも、その子が困っていることに早く気づき、専門機関やサポートにつながることが大切です。ADHDの特性は言い換えると、旺盛な好奇心、思い立ったら動き出せる行動力など、長所でもあります。一人ひとりの特性を理解し、その子に合った対処法と過ごしやすい環境を考え、困りごとがある場合は軽減しつつ、得意なところを伸ばせるよう、サポートしていきましょう。
二次障害を予防するためにも、その子が困っていることに早く気づき、専門機関やサポートにつながることが大切です。ADHDの特性は言い換えると、旺盛な好奇心、思い立ったら動き出せる行動力など、長所でもあります。一人ひとりの特性を理解し、その子に合った対処法と過ごしやすい環境を考え、困りごとがある場合は軽減しつつ、得意なところを伸ばせるよう、サポートしていきましょう。
ADHD(注意欠如多動症)をもっと詳しく知るリンク集
ADHD(注意欠如多動症)についてもっと詳しく知りたい
ADHD(注意欠如多動症)の特徴は?何歳ごろ診断される?【専門家監修】
ADHD(注意欠如多動症)の治療法・療育法は?治療薬は効果的なの?【専門家監修】
【大人のADHD】仕事での困りごと・対処法まとめ【専門家監修】
ADHD(注意欠如多動症)のある人への接し方・対処法を知りたい
【専門家監修】ADHD(注意欠如多動症)の子どもの育て方は?具体的対処法など
参考資料
DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引
医学書院
Amazonで詳しく見る
注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第4版
じほう; 第4版
Amazonで詳しく見る
イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる
西東社
Amazonで詳しく見る
ADHD 注意欠陥多動性障害の本
主婦の友社
Amazonで詳しく見る
【専門家監修】図解で分かる発達障害。3つのタイプと原因、診断など
学習障害(限局性学習症)の特徴や関わり方のポイントを解説/専門家監修
子どもの癇癪(かんしゃく)とは?癇癪を起こす原因や発達障害との関連は?しんどいときの対応方法、相談先まとめ【専門家監修】
大人の癇癪(かんしゃく)とは?感情のコントロールができない…発達障害との関連は?【専門家監修】