ADHD(注意欠如多動症)の原因は?イラストで分かりやすく解説
ADHD(注意欠如多動症)の症状を引き起こす脳の仕組み
ADHD(注意欠如多動症)の症状が起こる確かな原因はまだ解明されていません。近年の研究から、ADHD(注意欠如多動症)の人は、行動等をコントロールしている神経系に機能異常があると考えられ、脳の前頭前野部分の関連が有力視されています。
脳が働くためには、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質が必要です。しかしADHD(注意欠如多動症)のある人の場合神経伝達物質がうまく運べず、そのために「多動」「衝動」「不注意」の3つの特徴が現れると考えられています。また、前頭前野の働きが弱いと、五感からの刺激を敏感に感じ取ってしまいます。このため、論理的に考えたり集中するのが苦手となる傾向があるのではないかという説もあります。
また、明確な原因の解明には至っていませんが、複数の関連遺伝子が先天的な脳機能の偏りに関わり、それが様々な環境的要因と相互に影響し合ってADHD(注意欠如多動症)の症状が生じると考えられます。
また、明確な原因の解明には至っていませんが、複数の関連遺伝子が先天的な脳機能の偏りに関わり、それが様々な環境的要因と相互に影響し合ってADHD(注意欠如多動症)の症状が生じると考えられます。
ADHD(注意欠如多動症)の併存症と二次障害
ADHD(注意欠如多動症)の併存症
上記の図が示すように、ASD(自閉スペクトラム症)やLD・SLD(限局性学習症)といったADHD(注意欠如多動症)以外の発達障害、知的障害(知的発達症)は重なりあっている場合も少なくありません。また、感覚過敏・感覚鈍麻やチック症なども併存症として知られています。併存症がある場合、それだけ困りごとも増え、治療法や対処法も複雑になります。
二次障害として現れる合併症にも注意
ADHD(注意欠如多動症)の特性が理解されないまま生きづらさが強くなると、心の病や行動の問題など、二次的な障害を引き起こすことがあります。
以下に二次障害に陥りやすいプロセスをご紹介します。
以下に二次障害に陥りやすいプロセスをご紹介します。
適切な環境や周りの対応が得られないと、ADHD(注意欠如多動症)の場合、年齢が上がるにつれて行動面の問題や行為障害につながりやすいといわれています。特に、ADHD(注意欠如多動症)から反抗挑戦性障害(反抗挑戦症)、行為障害(素行症)、反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティ症)へと進行する場合を「DBDマーチ(破壊的行動の障害の行進)」ということもあります。
二次障害を予防するためにも、その子が困っていることに早く気づき、専門機関やサポートにつながることが大切です。ADHDの特性は言い換えると、旺盛な好奇心、思い立ったら動き出せる行動力など、長所でもあります。一人ひとりの特性を理解し、その子に合った対処法と過ごしやすい環境を考え、困りごとがある場合は軽減しつつ、得意なところを伸ばせるよう、サポートしていきましょう。
二次障害を予防するためにも、その子が困っていることに早く気づき、専門機関やサポートにつながることが大切です。ADHDの特性は言い換えると、旺盛な好奇心、思い立ったら動き出せる行動力など、長所でもあります。一人ひとりの特性を理解し、その子に合った対処法と過ごしやすい環境を考え、困りごとがある場合は軽減しつつ、得意なところを伸ばせるよう、サポートしていきましょう。
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