本当は行きたいのに。感覚過敏の息子とバズ動画で学んだショッピングモール攻略法

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ショッピングモールに行くたびに真っ青な顔で座り込んでしまったり、お腹を壊してトイレから出られなくなってしまったりする息子。彼のつらさは、「感覚過敏」が原因です。息子のつらさを理解するために、私は感覚過敏について描かれた動画を息子と一緒に観て、対策を話し合うことにしました。

林真紀
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ショッピングモールが大好きなのに、長く居られない息子

わが家の息子はショッピングモールに行くのは大好きですが、あっという間に疲れて真っ青になって座り込んでしまいます。

言葉がまだ上手に話せなかった幼児期は、床にゴローンと転がって動かなくなったり、頭を抱えてうずくまったりして、どうしたら良いのか家族も頭を抱えたものです。

また、ショッピングモールに連れて行くたびにつらかったのが、息子の「注意の転動」っぷり。多動というのは言葉の通り、常に落ち着きなく動いていることを言いますが、この「転動」は興味や視線の対象が次から次に移り変わっていくさまを言うようです。

「あ!あれ!」と何かに向かって走って行ったかと思うと、「お!あれは??」と今度は全く別の方向に気を取られて走って行ってしまう…。追いかける方はたまりません。ダッシュして動き回る息子と追いかけっこをしているうちに、時間が過ぎていきました。

そんなこんなで、歩き始めてから就学するぐらいまでの数年間はショッピングモールはお預けでした。

ショッピングモールへのお出かけを再開。でも…

最近は成長と共に息子の多動もだいぶ落ち着いてきたため、息子が行きたがるときはショッピングモールに連れて行くようになりました。

「わーい、ショッピングモールだー!」と毎回喜ぶ息子。本屋さんに寄って本を買ってからペットショップに行って犬を眺める、これが息子のお気に入りのコースです。

ところが、30分もすると、息子は絞り出すように言うのです。

「お母さん、疲れた。もう無理だ」

真っ青な顔をして座り込んでしまうのです。お腹を壊してしまったり、ベンチで寝込んでしまったりすることもあります。

ショッピングモール自体は大好きなのに、どうしてこんな風に真っ青になって体調を崩してしまうのだろう…。もしや、感覚過敏の問題があるのではないか?そう思った私は、以前見つけた感覚過敏について紹介した動画を、息子と一緒に観てみることにしたのです。

ショッピングモールを自閉症スペクトラム障害の子の視点で描いた動画

その動画は、英国自閉症協会が2016年4月に自閉症の感覚過敏の啓発を目的に公開したものでした。

息子には、「発達障害のある子が、ショッピングモールでどんな風に感じているかの動画だよ」と言って一緒に観ました。最後まで観た息子はこう言いました。

「ああ、これすごくわかる。だから僕はあんなにすぐに疲れちゃうのか」

Can you make it to the end? / The National Autistic society, UK (「最後まで耐えられますか?」英国自閉症協会作)

“Can you make it to the end?” (「最後まで耐えられますか?」)というタイトルのこの動画。感覚過敏がある自閉症の子どもにとって、ショッピングモールがいかに刺激や情報が多すぎる場所かということがよく分かります。音、光、匂い、映像など、ありとあらゆる刺激と情報が溢れています。

動画の最後、自閉症の子どもは感覚刺激の負荷が大きくなりすぎ、パニックを起こしてしまいます。それを周りの人が奇妙なものを見るような目で見ています。この場面、自分も何度も直面したことがあり、見ていてつらかったです。そして、最後のナレーションがグッときます。

「僕はいたずらっ子なわけじゃないよ。自閉症なんだ」

この動画は、公開からわずか4日で1,100万アクセスを獲得し、Facebookでも16万4000回もシェアされるほどの反響があったそうです。

息子と一緒に観て、決めたこと

息子は自分が発達障害であることは知っており、困りごとに対処する際に動画やテレビ番組などを一緒に観て話し合うことがよくあります。テレビの発達障害特集なども、よく一緒に観ます。
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息子に聞くと、息子の見え方と聞こえ方は、先ほどの動画と全く同じではないようです。息子は視覚の過敏性はあまりないようで、音や細かい刺激に次々に注意を持っていかれてしまう点は動画の通りだと言っていました。

この動画から、ショッピングモールというのが息子にとって情報過多な世界だということがよく分かりました。疲れて座り込んでしまったり、お腹を壊してしまったりするのは、ワガママの結果ではなく本人も困っているということも。

そして、息子がショッピングモールに行きたがるときは、
・目的地を決めて短時間で用事を済ませること
・クールダウンすることができる場所も常に確認してから行くこと

この二つを決めました。

お互いに何がつらいのか理解し合えたおかげで、大好きなショッピングモールでのお買い物を我慢する必要もなくなりました。このような動画を見ながら話し合う時間は、私にとってとても大切なものです。

体調を崩すから我慢させる、ではなく、感覚過敏ゆえのつらさや苦しさをうまくコントロールして楽しむためにはどうしたらいいか、そういう風な切り口で子どもと話し合いをするようにしています。
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