「それ、わざとだよ」発達障害のある長男、左右バラバラの靴下に隠された気持ちって?

ライター:ウチノコ
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はじめまして!息子たちの育児絵日記を描いているウチノコと申します。わが家は夫に息子2人の4人家族。コラムの主役、長男・むっくんは宇宙をこよなく愛する元気いっぱいの5歳児で、現在保育園に通っています。

これから、むっくんのユニークなエピソードの数々を紹介していけたらいいなぁと思っています。

わが家の長男・むっくんは、ADHDと自閉スペクトラム症

身体発達も言語発達も早かったわが家の長男・むっくんですが、歩き始めた10か月ごろから目立ち始めた多動を皮切りに、他害、癇癪、パニック、偏食、睡眠障害、強いこだわりなど、「育てにくさ」と言われるものが現れるようになりました。その対応に悩み追いつめられた私は、少しでも楽になりたいと専門施設を受診し、3歳5か月のときにADHDと自閉スペクトラム症の診断を受けることになりました。

診断を機に私は、「とにかく知識をつけよう」と、発達障害の本を読み漁りました。発達障害の世界を学ぶうちに、むっくんは「育てにくい子ども」だったのではなく、私の中の「子どもはこうあるべき!親とはこうあるべき!」という勝手な思い込みが、むっくんを「育てにくい子ども」にしてしまっていたのだと気づくことができました。

思い込みを捨てて向き合ってみると、むっくんは今まで私が出会った誰よりも魅力的でユニークな人でした。私にないものをたくさん持っていて、私の価値観を変えて、世界をどんどん広げていってくれます。尊敬することも盛りだくさんで、今では私がむっくんを育てているのではなく、学ばせてもらうことばかりの毎日。大変なこともあるけれど、泣き暮らした日々が嘘のように今はむっくんとの時間を楽しめています。

むっくんのこだわり

むっくんは、「左右が違うペアで靴下をはくこと」にこだわりを持っています。
アシンメトリーな靴下へのこだわり
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アシンメトリーな靴下へのこだわり
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アシンメトリーな靴下へのこだわり
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失くしちゃうから片方しかないんだろうって?もちろん、よーく失くしますとも。しかし!奇跡的にペアで揃っている靴下もわざわざ違う組み合わせではくのです。
ウッカリ間違えているのかなー?と思って、2回くらい
「ソレ、相方が違うんじゃない?」
と声をかけたのですが。
「これがいいんだよ。」
と言うのです。

靴下だけでは飽き足らず、靴も左右色違いのサイズ違いではくこともあるむっくん。

よくよく理由を聞くと…
「足元が両足とも同じ色だと、なんだか寂しくなるから…」

言われてみるとむっくんは「色んな色がそろっていること」に、小さなころからこだわっていました。カラフルだとワクワクするのかな?

足元がカラフルだと、気分が上がる↑のかもしれない。いいじゃないか!カラフルな足元!!

受け入れてみると世界が広がる

違う種類の靴下をはく理由
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カラフルな足元が当たり前になってみると、私にもありがたい効果がありました。

靴下は片方だけあればいいので「片方だけ紛失」にイラッとすることがなくなったからです。さらに片方に穴が開いても平気!残りの靴下がすり切れるまではけるから、とっても経済的です!

「思い込み」という、私の中の不自由さに気づいて

思い込みに縛られていたのは自分の方だったと気づく母
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なんていいことづくしなのでしょう!

でも実は私、恥ずかしながらこの年になるまで「靴下を販売時のペア以外ではく」なんて考えたこともありませんでした。そもそも「何故揃えてはくのか」と考えてみても、理由すらありません。ただなんとなく「片方穴が開いたらもうはけない」と思い込んで捨てていたのです。

なんてもったいない。人生損した気分…。

自分の中にあった、自分のものではない価値観

むっくんのこだわりの理由を聞いてから、私は自分の考え方一つひとつに「なんでそう思うの?」と問うてみました。すると、「思い込み」や「なんとなく」と自分で選んだわけではない考えがたくさんあることに気がつきました。

自分の中に自分でない価値観がある不思議、それに縛られて生きている不思議に、私はむっくんのおかげで気づくことができるようになりました。

好きにはいていい。自由にはいていい。今日は右は何にする?左はどうする?

大好きな色を足元に詰め込んで、むっくんは自分が幸せでいられるもの・ことを、自分自身の価値観で自由に選び取っていく。むっくんはとても自由で、目に見えない「何か」に縛られていません。それが私には眩しく、愛おしく感じます。
内省する母
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