集団生活での困りごと、どう対応したらいい?発達が気になる子の支援のヒントがもらえる5冊を紹介

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【3月の新刊紹介】4月は進級・進学のシーズン。発達が気になる子どもたちは、園や学校などの集団生活の中で、新しい環境や人間関係にとまどったり困難を感じることがあるかもしれません。そんなときに参考にしたい、分かりやすく特性を解説したり、事例をまとめた書籍を豊富にラインナップしました。また、発達でこぼこがある兄妹の毎日を描いたコミックエッセイも紹介しています。

発達ナビBOOKガイド
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小中学生のための障害用語集――みんなに優しい学校と社会を願って

「障害」に関する用語を取り上げ、一つの用語について1見開きで、分かりやすく説明していく本書。取り上げられている用語はさまざまですが、例えば
・「自閉スペクトラム症」「学習障害」などのように、障害名について
・「車いす」「コミュニケーションボード」「手順表・スケジュール表」など、障害がある人が使う機器やツールについて
・「共生社会」「環境調整」「ユニバーサルデザイン」「合理的配慮」「障害者差別解消法」など、社会の在り方や配慮、障害にまつわる法律について
他にも、「生きづらさ」「2E」といった言葉など、全部で66の用語が紹介されています。

巻末には障害があったり、障害のある人のために尽力した「人物」についても紹介されています。例えば、全盲のミュージシャン、スティービー・ワンダー氏、日本で初めて知的障害者施設を設立した石井夫妻、ダウン症者として初めて大学を卒業し数多くの著書がある岩元綾さんなど12名が取り上げられています。

用語の意味が分からないときに辞書的にも使うこともできますが、読み物として読んでもよいつくりになっています。個人で読むだけでなく、学級文庫に置いたり、授業などで活用することもできそうです。
小中学生のための障害用語集―みんなに優しい学校と社会を願って
柘植 雅義 インクルーシブ教育の未来研究会
金剛出版

「あの子の発達障害がわかる本」シリーズ

「あの子の発達障害がわかる本」シリーズの第1弾として、『ちょっとふしぎ 自閉スペクトラム症 ASDのおともだち』『ちょっとふしぎ 学習障害 LDのおともだち』『ちょっとふしぎ 注意欠如・多動症 ADHDのおともだち』(ミネルヴァ書房)の3冊が発売されました。

本シリーズでは、「なんでこうなるの? どうすればいいの?」として、小学校生活で起こりがちな「ちょっと困った」場面が紹介されます。よくある事例を取り上げ、
・まわりの友達の気持ち(なんでこうなるの?)
・発達障害がある子の気持ち(どう思っているのかな?)
・行動の背景と、今後の手だて(こうすればうまくいきそう)
を紹介しながら、具体的な手立てまで示される実践的な内容です。

事例も豊富な上、本の後半では障害特性について分かりやすくまとめたページもあるので、学校や学童の先生に子どもの特性を伝えるときなどにも使いやすそうです。
ちょっとふしぎ 自閉スペクトラム症 ASDのおともだち (あの子の発達障害がわかる本 1)
内山登紀夫 (監修)
ミネルヴァ書房
ちょっとふしぎ 注意欠如・多動症 ADHDのおともだち (あの子の発達障害がわかる本 3)
内山登紀夫 (監修)
ミネルヴァ書房
ちょっとふしぎ 学習障害 LDのおともだち (あの子の発達障害がわかる本 2)
内山登紀夫 (監修)
ミネルヴァ書房

うちのでこぼこ兄妹 発達障害子育て絵日記

人気ブログ「でこぼこ兄妹日記」で紹介されたエッセイに、大幅な書きおろしを加えたコミックエッセイが発売されました。

私立高校に通う兄・タケルくんと、小学生の妹・いっちゃんは、ASD(自閉症スペクトラム障害)と診断されています。IQは高く発語にも問題はないけれど、こだわりの強さ、感覚過敏や睡眠障害などがあります。著者である母親も発達障害傾向や睡眠障害、父親にはADHDがある、でこぼこ家族です。

得意なことと不得意なことの「でこぼこ」だらけの寺島家の子どもたちは、突然大泣きしたり、真夜中すぎても寝てくれなかったり、朝まったく起きられなかったり…。でも、兄は数学で、妹はピアノでその才能を開花させています。

兄妹の得意なことも苦手なこともそのまま受け入れているご両親の姿もまた印象的。子どもたちの特性を受け入れ、驚いたり楽しんだりするからこそ、子どもたちも自己肯定感高く、家族みんな無理せず暮らしていられるのではないかと感じられます。
うちのでこぼこ兄妹 発達障害子育て絵日記
寺島ヒロ
飛鳥新社

発達障害のある女の子・女性の支援: 「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート

16の事例と解説、当事者や保護者、支援者の声からなるこの本は、「からだ」「こころ」「関係性」を軸に女の子の発達障害を理解し、支援していく方法を探ります。

発達障害のある女の子を支援するとき、「こころ」にフォーカスしがちですが、本人が感じているストレスの背景に「感覚の過敏さがある」「自分自身の体の不調を自覚できない」「からだのコントロールが苦手でつかれてしまう」といった「からだ」の問題がある場合も多くあります。また、人との関係を結ぶときには、「こころ」や「からだ」が安定していることが大切です。つまり、それぞれが相互に関係しているので、どれか1つの側面だけ支援しても、生きづらさは解決されないのです。

「からだ」「こころ」「関係性」という軸で、発達障害がある女の子の困難を解決するための具体的なアプローチが紹介される本書は、お子さんに寄り添い、サポートするときのヒントを教えてくれるのではないでしょうか。
発達障害のある女の子・女性の支援: 「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート
川上ちひろ 木谷秀勝
金子書房

最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本

図を多用し、ADHDについての基礎知識から支援の方法までを、分かりやすく伝える『最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本』。

この本では、
・ADHDの基礎知識: 行動特性・診断の流れ・治療と支援のしかたまで紹介
・さまざまな療法: 環境変容法、行動療法、ペアトレ、薬物療法も詳しく紹介
・家庭・園・学校での対応例: 支援に役立つケース別の対応例とポイントを紹介
のように、ADHD(注意欠陥・多動性障害)に関する基本的な知識から、具体的な手立て、生活する中でありがちな困りごとへの対応方法までを紹介しています。

とくに「園・学校や家庭でできるサポート」の章は、”着席する”、”すぐにとりかかる”、”さいごまでやり遂げる”、”整理整頓する”など、身につけたいことがらごとに、スモールステップでのサポート方法が提示されているので、家庭や学校で具体的にどんなかかわりをすればいいのかが分かりやすいつくりとなっています。
最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本
榊原 洋一
ナツメ社
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