親はヒヤヒヤ!「それ言っちゃダメ」な自閉症息子の発言。成長と課題を感じる、18歳の夏

2019/08/01 更新
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息子は5歳まで言葉を話しませんでした。でも、今は一方的に自分が言いたいことを言うだけですが、昔に比べるとよく喋るようになりました。でも「それをここで言っちゃ、まずい!」ことを口に出してしまうこともあるので、ヒヤヒヤすることがあります。

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担任に向かって「3年生になったら違う担任の先生になったらよい」

『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。
特別支援学校高等部だったころの息子
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特別支援学校高等部2年生のときの出来事です。

保護者会で担任から「立石君から『3年生になったら違う担任の先生になったらよい』と言われました。正直な気持ちなんでしょう」

背中から冷や汗が出ました。でも、もしかして本音だったのかもしれません。

息子は相手の立場に立ってものごとを考えることが難しく、思ったままを口に出してしまうのです。
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タクシーの運転手さんに「この人、慣れていないね~」、強面のお兄さんに「携帯電話はご遠慮ください」

タクシーに乗った時、運転手さんが道を間違えました。すると息子が大声で「この人、慣れていないね~」と言いました。焦りました。
小学校6年生のとき、渋谷の東急デパートのレストランに入りました。壁に「携帯電話はご遠慮ください」の貼り紙がありました。ところが、隣の席の強面のお兄さんが携帯電話で喋り出しました。すると、息子はそのポスターに書かれた文字を見て、「携帯電話はご遠慮ください!」と大きな声で読み上げました。

強面のお兄さんは驚いてそそくさと携帯をカバンにしまいました。

来客中、脱衣所のドアを開けてしまう

お風呂から上がると、暑くて、裸のまんまリビングをウロウロしてしまうことがあります。

ある晩、お客さんが来ていたときのこと、息子が風呂に入りました。「今日はお客さんが来ているから、お客さんの前に裸のままで出てきたらダメよ」と事前に注意しておきました。

すると、脱衣所のドアを裸のまま開けてしまいました。居間には入ってきていないですし、お客さんからは離れてはいましたが…裸が丸見え、意図が伝わっていませんでした。
「『今日はお客さんが来ています。家族ではないお客さんに裸を見せてはいけないから、お風呂から上がったら脱衣所で服を着てからドアを開けてね。』」と言えば良かった」と反省…。

これも、失言と同じで「その意味していることが分からない」例です。自閉症の息子は、応用や般化がなかなかできません。

応用は難しい。でもコツコツと…

息子は5歳まで言葉を喋りませんでした。そのころは、自閉傾向があっても、ベラベラしゃべるお友達を見て「羨ましいなあ~」と思っていました。でも今は思います。しゃべったらしゃべったで、また新たな課題が出てくるのだなぁと。

19歳となった今でも、タクシーの中で「この人慣れていないね」と言ったとき、「それは本人の前で言ってはダメ!タクシー下りてから言いなさい」と教えても、整理整頓されていない友人宅に行ったとき「このお家、汚いねえ」言ってしまう。教えても教えても、なかなか他のシチュエーションになると般化できない息子です。

でも…昔を思い返せば…

息子は、生まれて初めて乗ったタクシー会社にこだわりが生まれ、「タクシーは〇〇タクシーのみ」とパターン化され、「タクシーはこの会社のしか乗らない」というこだわりが生まれました。でも今は、どの会社のタクシーでも乗ることができます。

コミュニケーションとなると、タクシーのようにはうまくいかないかもしれません。「言ってよい場、言っていい相手とそうでない相手」など自閉症の息子にはなかなかハードルが高い課題だとは思います。1つ学ぶことで10や100に応用することは難しいようです。でも、これからも、一つひとつ体験を積み重ね、「こういうときは、これこれこういう風に言おうね」と教え、少しずつでも学んでいってほしいと願っています。
子ども時代の息子
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このコラムを書いた人がモデルの本

発達障害に生まれて-自閉症児と母の17年
松永正訓
中央公論新社

このコラムを書いた人の著書

子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方
立石美津子
すばる舎
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