ゲームがASD兄妹の世界を広げた…!好きや得意を開花、親子コミュニケーションにもよい影響を与えると思うワケ

ライター:寺島ヒロ
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「うちの⼦ゲームばっかりやって」「できればやめさせたいけど、忙しい時はつい与えてしまう」「勉強のゲームをやらせようとするが嫌がる」などなど…ゲームについて親の悩みはさまざまあると思います。今回はゲームとの付き合い⽅について、考えてみました。

監修者初川久美子のアイコン
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

ゲーム大好き寺島家。兄タケルは、ゲームを通してアクティブに活動

実は我が家は家族そろってゲームが⼤好き!アメリカの家庭のように正⽉には⼈⽣ゲーム、週末にはテーブルトーク、時にはボードゲームカフェに出かけます。家庭⽤ゲーム機も(経済事情からいつも⼀世代遅れですが)⼀通り押さえていますし、⻑男のタケルに⾄ってはゲーム仲間とオンラインセッション実況までしています。

そんな我が家からすると、「とにかくゲームは悪」「隙間時間にやるのは問題ないが⻑時間は絶対ダメ」という考え⽅は、ゲームの良い⾯を全く⾒てなくて勿体ないな〜!と思ってしまうのです。
家庭用ゲーム機でパズルゲームをする息子
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絵本のようにストーリーを追えるゲームをやらせてみようと考える私
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ロールプレイングゲームは難しかった息子
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ゲームの主人公ならどうするかを考えることができない息子
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⼩学校⾼学年になり、「⾵来のシレン」というパズル要素の⾼いPRGをやるようになり、徐々にロールプレイングのスタイル…ゲームの中のお作法に慣れていきました。この⼿のゲームの良いところは、スマホの課⾦で強くなるようなゲームと違い、⾃分の成⻑がそのままゲームの進度になること。成⻑の評価に人の感情が入らず、また評価がすぐに可視化出来るのでやりがいに繋がります。
ゲームというと、家にこもって暇をつぶすものという印象がある⽅もいらっしゃるかもしれませんが、実はゲーマーというのは、オンラインやオフラインで仲間と集まって一緒にプレイすることもあり、意外とアクティブです。タケルが家庭⽤ゲーム機のロールプレイングに慣れたあたりで、私も⼦ども達を連れてオフラインのイベントに参加するようになりました。
 
(全然知らない方のために補⾜しておきますが、⾦品を賭けるようなイベントではありません。主催によってMVPに商品が⽤意されている場合はあります)
 
息⼦はテーブルトークRPGの分野に親和性を⾒せ、ゲームをプレイするばかりか、何度かイベントに参加するうちゲームの進⾏役をするようになり、やがてゲームシナリオも⾃作するようになりました。元々趣味で⽂章を書いていたこともあり、仲間の評判も上々。

⼤学⽣になった今では「キャンペーン」といわれる⻑い物語を創作しながら、ネットを介してゲーム仲間と遊び続けています。息⼦のゲーム仲間には、障害があって外出が難しい方も何⼈もいらっしゃるようです。

妹いっちゃんも!ゲームを入り口に興味の幅を広げていく

娘はリズムゲームが好き
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歌に合わせて太鼓をたたくゲームが得意
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ゲーム画面の動くイラストに興味を持った娘
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ゲームのようなキャラクターを自分で作るようになった娘
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特性を活かすことも、親子のコミュニケーションも。ゲームから得られることはたくさんある

ゲームは実⽣活よりも簡単に成⻑の結果が出て報酬系が満たされるので、現実に⽴ち向かう⼒を失わせるという⼈もいますが、私の印象は真逆です。

ゲームは⾃分のやったことの結果が実⽣活よりもダイレクトにすぐ可視化されます。⼈間相⼿ではないということもあり、⼤変プレイヤー本⼈の性格や特性が出やすいのです。ゲームを通じて、⾃分の得意なこと、苦⼿なことに気づき、興味のあることを掘り下げてスキルやキャリアにつなげたり、気の合う友達を⾒つけたりして⼈⽣をもっと豊かにできると思います。
 
特に、⾃閉症スペクトラムのあるお⼦さんは、「会話」や「対⾯」が最初の⾼い障壁になる場合があります。これは同年代の友達のみならず、実は親にとってもです。急がば回れ、ゲームを⼀緒にやることで効率的に共通体験を得て、お⼦さんとコミュニケーションを図るのも意外と使える⼿なんじゃないでしょうか。

執筆/寺島ヒロ
「会話はニガテ派」でも親友ができる!ASD兄妹の独特な友達づきあいの方法って...?のタイトル画像

「会話はニガテ派」でも親友ができる!ASD兄妹の独特な友達づきあいの方法って...?

自信も友達も、ゲームを通したコミュニケーションで――1000人の子どもとの出会いで実感した、好きや得意の力のタイトル画像

自信も友達も、ゲームを通したコミュニケーションで――1000人の子どもとの出会いで実感した、好きや得意の力

専門家コメント 初川久美子先生(臨床心理士・公認心理師)

寺島家のお子さん二人のゲームとの歴史、そこから得たもののコラムをありがとうございます。ゲームについては、長時間やること・やめられなくなることや、気性や言葉が荒くなることなどから、警戒されている保護者の方も多いと思います。確かに、そのような状況に至る方もいますが、ゲームに関連したルール(時間など)、それをお子さんが納得しているか、また、ゲーム以外の生活上のストレス具合(例えば、学校でとても苦痛を感じている場合などゲームにのめりこむことで、自分をケアしようとすることもあります)など、さまざまな要因によって、ゲームとうまく付き合えるかどうかが決まるように感じます。一概にゲームがダメというものでもないように思います。
ただ、いずれにしても、子どもは楽しいものを時間通りにやめることは上手ではないので(これはゲームに限らずで、幼少期に公園から帰るのが大変だった子もいると思います)、そのあたりは工夫と練習と忍耐も必要かもしれません。
さて、タケルくん、いっちゃんはゲームによって、さまざまな才能や可能性、良き持ち味が開花した面があるようですね。ゲームを通じてコミュニケーションが増えた、ゲーム仲間ができた(オンライン、オフライン)といった話はよくうかがいます。また、昨今はゲームや動画を作成するアプリも充実しているので、頭の中にイメージしたことをアウトプットしやすくなった面もあります。アニメーションに興味を持ち、自作の絵を動かせるようになったのはとてもうれしい経験だったことと思います。
ヒロさんが書かれているように、保護者の方も一緒にゲームしてみるというのが一番安心かつ手っ取り早くその良さを理解する方法です。お子さんがそのゲームのどこに面白さを感じているのか、今後お子さんにどんなきっかけやチャンスがあったら、もっとお子さんの「好き」を伸ばし、応援できそうか。そのあたりのヒントがたくさん見えてくると思います。(監修:臨床心理士・公認心理師 初川久美子先生)
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