「会話はニガテ派」でも親友ができる!ASD兄妹の独特な友達づきあいの方法って...?
2019/09/13 更新
うちの凸凹兄妹たちは二人とも言葉が出るのが遅く、また私があまり外に出ない生活をしていたこともあり、小さいころから今に至るまで家を行き来するお友達は一人もいません。
と、言うと「だ、だ、大丈夫なの?(孤立?)」と思われるかもしれませんが、意外と心配することもなさそうなのです…。
寺島ヒロ
24741
View
小さいころから同年代の友達が苦手だった兄・タケルの場合
お兄ちゃんのタケルは、元々あまり他の子に関心のない子どもでした。
家ではパズルや工作をして何時間でも遊んでいるし、たまに児童館などに連れて行っても、そこに来ている子どもたちに交じることもなく、本を読んだり、遊具で遊んだりと一人遊びをするばかり。むしろ同年代の男の子たちのことは苦手で、「ウルサイ、かまってくる、なんで?」と言って、なるべく顔を合わせないようにしているほどでした。
家ではパズルや工作をして何時間でも遊んでいるし、たまに児童館などに連れて行っても、そこに来ている子どもたちに交じることもなく、本を読んだり、遊具で遊んだりと一人遊びをするばかり。むしろ同年代の男の子たちのことは苦手で、「ウルサイ、かまってくる、なんで?」と言って、なるべく顔を合わせないようにしているほどでした。
基本的にタケルは無理に人の間に入っていこうとするタイプではなく、常に自分のことで忙しいし、子どもの多い場所もうるさく感じるということで、放課後は特に何もなければ家の柱にゴムにくくられてでもいるかのようにまっすぐ家に帰ってきて、工作をしたり、本を読んだりして過ごしていました。
聴覚過敏で集団が苦手な妹・いっちゃんの場合は...
妹のいっちゃんも、子どものころからの子ども嫌い。兄に輪をかけて聴覚に過敏があるため、人の集団にはなるべく入りたがりません。それでも、常に同じクラスの中に一人二人は気の合う子を見つけて、学校にいる間はその少数の子どもたちと一緒に行動しているようです。
しかし、できるだけ接触を避けるような友人関係でどうやってコミュニケーションをとるのか?ちょっと不思議ですよね。
実は、いっちゃんは家でよく絵を描いているのですが、この絵を介して友達同士で濃厚なコミュニケーションをとっているらしいのです。
例えばこんな感じです…
実は、いっちゃんは家でよく絵を描いているのですが、この絵を介して友達同士で濃厚なコミュニケーションをとっているらしいのです。
例えばこんな感じです…
言葉のコミュニケーションに限らない、友達関係のカタチ
リレー小説や、イラストの交換で友達と「遊ぶ」というのは、やや特殊なやり方かもしれません。おそらく傍から見たら一緒にいるわけでもなく、会話も交わさず(全くないというわけではないでしょうが)本当に友達なのかと思うことでしょう。
しかし、会話が得意な人同士が会話を重ねて親しくなることと、文章や絵をかくことが得意な人同士がその応酬で親しくなることに本質的な違いはないのではないでしょうか。
発達障害のうち特にASDのある子どもたちは、直接の会話やSNSのやりとりよりも、ゲームやアニメ作品などを共通認識として、いわばワンクッション置いてのやりとりの方が向いているんじゃないかと感じる場面も多くあります。
友達付き合いとはこういうもの、コミュニケーションとはこういうもの、とあまり決めつけず、子どもたちの交友関係を見守っていきたいと思います。
しかし、会話が得意な人同士が会話を重ねて親しくなることと、文章や絵をかくことが得意な人同士がその応酬で親しくなることに本質的な違いはないのではないでしょうか。
発達障害のうち特にASDのある子どもたちは、直接の会話やSNSのやりとりよりも、ゲームやアニメ作品などを共通認識として、いわばワンクッション置いてのやりとりの方が向いているんじゃないかと感じる場面も多くあります。
友達付き合いとはこういうもの、コミュニケーションとはこういうもの、とあまり決めつけず、子どもたちの交友関係を見守っていきたいと思います。

関連記事
睡眠問題が登校を阻む…!ASD兄妹が毎日学校に行きたくてもいけないワケ

関連記事
ASDの兄・タケル、夏祭りデビューのはずが…参加には思わぬハードルがあって!?
当サイトに掲載されている情報、及びこの情報を用いて行う利用者の行動や判断につきまして、正確性、完全性、有益性、適合性、その他一切について責任を負うものではありません。また、掲載されている感想やご意見等に関しましても個々人のものとなり、全ての方にあてはまるものではありません。
この記事に関するキーワード

あわせて読みたい関連記事
この記事を書いた人
寺島ヒロ さんが書いた記事

セリフ完コピ、雑学マシンガントーク…「正直うっとうしい!」ASD息子、叱ってくれる友達への感謝
8歳でアスペルガー症候群(現在はASDに統合)と診断された息子のタケル。しかし、私は診断を受ける前から「この子にはちょっと変わったところが...
発語・コミュニケーション
17453
view
2022/06/07 更新

周りには既にグループが…「小学校で友達つくるぞ!」幼稚園でウケた持ちネタ披露も大すべり!ASD息子が学んだ友達の輪への入り方
うちの息子タケルは自閉スペクトラム症(ASD)があり、21歳の今は障害のある学生として大学からの配慮を得ながら通っています。しかし、小学校...
進学・学校生活
13526
view
2022/05/03 更新

自閉症カミングアウトに祖母は「そういうこと言うもんじゃない」…!?孫の発達障害「あえて理解を求めない」わが家のバランス
発達障害のあるお子さんの保護者の方のお話を伺うと、夫の両親、自分の実家の家族に子どもの障害のことをなんて話したら良いか、どうやって理解を求...
自分と家族のこと
8539
view
2022/04/06 更新

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら
コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。