見通しがニガテで家事ができない!?ASD兄妹が「今やるべきこと」に気づける、母お手製のお手伝いクエスト!
ライター:寺島ヒロ
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いつでも自分のやりたいことでフル回転なASD兄妹。お手伝いをしつつ、家事を覚えてほしいと思うけど...。今回はでこぼこ兄妹に家事をどうやって教えるかというテーマでお送りします。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
「お手伝い」は家事の全体像が見えづらい?わが家流の教え方は...
子どもはお手伝いから家事の基本を学び、自らの生活に役立てていく...と、かつて聞いたことがありました。そこで私も、自分の子どもたちにはぜひお手伝いする子になってほしいと思っていました。
ええ...思っていました...。
しかし、我が家のでこぼこ兄妹は、調子のいいときは切れ目なく自分の楽しい活動に熱中しており、不調のときはお手伝いどころではないので、なかなかそのタイミングをつかむのが難しかったのです。
ええ...思っていました...。
しかし、我が家のでこぼこ兄妹は、調子のいいときは切れ目なく自分の楽しい活動に熱中しており、不調のときはお手伝いどころではないので、なかなかそのタイミングをつかむのが難しかったのです。
お手伝いをしてもらいつつ教えることができれば、作業もはかどるし効率的ではあるのですが、作業の一部を分担しても、自分が何をやっているのか、最終的にどうなったのかが分かりにくいようなのです。そのため、手が足りていない部分を”お手伝い”としてやってもらうというのは諦め、「やりたい!」とやってきたときには一つの仕事を最初から最後まで通してやってもらうことにしました。
最終的には家事をできるようになってほしいのであって、お手伝いのうまい子になってほしいわけではないからです。効率はとても悪いですが、なんとか2人とも中学生になるころには、簡単な料理と後片付け、そしてお使いぐらいは出来るようになりました。
最終的には家事をできるようになってほしいのであって、お手伝いのうまい子になってほしいわけではないからです。効率はとても悪いですが、なんとか2人とも中学生になるころには、簡単な料理と後片付け、そしてお使いぐらいは出来るようになりました。
「今やるべき家事」に気づけない凸凹きょうだいには...家事を「見える化」!
現在、お兄ちゃんのタケルは19歳、妹いっちゃんは12歳です。2人とも作業自体は難なくこなすようになり、言えばやってくれるのですが、気づいて、先をみて行動することは難しく、家事ができるというレベルには至りません。
ゴミ箱にゴミがいっぱいになっても捨てようとは思わないし、今から出かけるがお昼には帰るからご飯を炊いておこう...みたいなそういう見通しを持った自発的な行動が難しいのです。
そこで...
ゴミ箱にゴミがいっぱいになっても捨てようとは思わないし、今から出かけるがお昼には帰るからご飯を炊いておこう...みたいなそういう見通しを持った自発的な行動が難しいのです。
そこで...
よくホームセンターなどで売っている壁掛けポケットに、今やってほしいちょっとした作業のメモ書きとお金を一緒に入れておくことにしました。そうしたら、2人とも家事をちょいちょいやってくれるようになりました!
家事をする気はなくもないけど、今どんな仕事が発生しているか分からなかったのが、こうしてクエストにすることで「見える化」でき、とりかかれるようになったようです。中に入れているお金は本当に小銭(10~100円ぐらい)なのですが、「そんなに入ってなくてもいいねん。ログインボーナスみたいなものだから!」と喜んでくれます。お金が目的ではないが何もないと寂しい...ということみたいです。
先日、「カバンの手入れをする」というクエストをこなした後、いっちゃんが「今まで何度も土の上にカバン置いちゃダメって言われてもピンとこなかったけど、何でダメなのか分かった!汚れるからだね!」と言っていました。
そのうちクエストごっこにも飽きてしまうのかもしれませんが、やめても何かいいものが残りそうな気がします。
執筆/寺島ヒロ
そのうちクエストごっこにも飽きてしまうのかもしれませんが、やめても何かいいものが残りそうな気がします。
執筆/寺島ヒロ
専門家コメント 初川久美子先生(臨床心理士・公認心理師)
ASD(自閉スペクトラム症)のあるお子さん二人へお手伝いを教える際の工夫についてありがとうございます。ASDの特性として、興味関心のムラが激しいところがあるので、本人らが関心を寄せたタイミングにすかさず、そして細切れではなく、すべての手順を一気に・一緒にやっていくスタイル。細切れの手順だと部分的なスキルだけが習得され、その応用が利かないかもしれないというのはなるほどと思いました。しかも作業工程を一緒に行うのは、“自分の作業”としてやり遂げたいタイプの子にはよさそうです。
やってほしいことのクエストも面白いアイデアですね。ちょっとお小遣い稼ぎに、取り組みやすいタスクが入っているし、即お駄賃ももらえる。ゲームのいいところを利用したアイデアですね。やってみたら発見もあり(鞄は汚れていると気づくなど)、小さなことですが大人が仕向けることで経験と発見を得ているのが何よりです。ヒロさんのお宅のお二人は、このクエスト方式でうまくいったわけですが、これは何より、ルールを守れる二人だったからというのもありそうですね。お金が目の前にあったら、達成する前に取ってしまうタイプのお子さんもいるだろうとは思います。どんな仕組みであれば、お子さんも親御さんもイライラせず、目的が達成されそうかを考えて、お子さんに合った仕掛け方をしていただければと思います。(監修:臨床心理士・公認心理師 初川久美子先生)
やってほしいことのクエストも面白いアイデアですね。ちょっとお小遣い稼ぎに、取り組みやすいタスクが入っているし、即お駄賃ももらえる。ゲームのいいところを利用したアイデアですね。やってみたら発見もあり(鞄は汚れていると気づくなど)、小さなことですが大人が仕向けることで経験と発見を得ているのが何よりです。ヒロさんのお宅のお二人は、このクエスト方式でうまくいったわけですが、これは何より、ルールを守れる二人だったからというのもありそうですね。お金が目の前にあったら、達成する前に取ってしまうタイプのお子さんもいるだろうとは思います。どんな仕組みであれば、お子さんも親御さんもイライラせず、目的が達成されそうかを考えて、お子さんに合った仕掛け方をしていただければと思います。(監修:臨床心理士・公認心理師 初川久美子先生)
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