子どもが不登校。進学や就職のことで不安になるけれど…睡眠障害の中1娘に聞いた『将来の夢』にハッとして
ライター:寺島ヒロ
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でこぼこ兄妹の妹、いっちゃんも今年の4月で中学2年生!でも、相変わらず学校にはほとんど行っていません。そんないっちゃんは、将来のことをどう考えているのでしょうか。夢見がちなようで意外と堅実なその目標とは...。
監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている(産業医のご依頼を随時受付中)。
・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮/京都/名古屋):https://yuik.net/
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睡眠障害で学校に行けていない...いっちゃんの学習面は
我が家の長女いっちゃんは、10歳ごろから睡眠障害の症状が現れ始め、小学校6年生で登校日のおよそ半分を欠席し「不登校」になりました。中学に進学しても1/3ほど登校するのがやっとといったところです。
一応プリントなどもらってきて、家で勉強もしていますが、自発的にするのは自分が興味を持ったものだけです。テストの出来も良くはないし、ノートの提出も全くできない…通知表の評定もそれなりです。
一応プリントなどもらってきて、家で勉強もしていますが、自発的にするのは自分が興味を持ったものだけです。テストの出来も良くはないし、ノートの提出も全くできない…通知表の評定もそれなりです。
お兄ちゃんのタケルは、読んだ文字や聞いた言葉をそのまま覚えておいて、頭の中から取り出すことが得意だったので、学校を多少休んでもテストの成績は問題ありませんでした。
でも、いっちゃんは映像や音楽などイメージに変換して記憶するタイプのようで、ものの名前や単語を覚えるのが苦手。社会の穴埋め問題などはほとんどできません。記述テスト向きではなさそうだなーとは、かねてより思っていました。
でも、いっちゃんは映像や音楽などイメージに変換して記憶するタイプのようで、ものの名前や単語を覚えるのが苦手。社会の穴埋め問題などはほとんどできません。記述テスト向きではなさそうだなーとは、かねてより思っていました。
将来のことは「よくわからない」このままでは心配!?でも...
さて、そんなテストが苦手ないっちゃんは「将来のこと」についても、中学校などで聞かれるとあまりしっかりした返事はしていないよう。
「高校とか、就職とか言われてもよくわからんし興味ない」だそうで、「このまま大人になっちゃいけないの?」と、逆に答えにくい質問を返したこともあったそうです。
「高校とか、就職とか言われてもよくわからんし興味ない」だそうで、「このまま大人になっちゃいけないの?」と、逆に答えにくい質問を返したこともあったそうです。
学校にろくに行けていないわけなので「このまま…となると、高校に行っても不登校、就職しても通勤できないってことだろう。何とかしないと!」という考えに一瞬私も傾きかけたのですが、いやいや!?と思い直しました。
高校も会社も興味がないと聞くとニート一直線か!と、つい心配してしまうところですが、いっちゃんは実は性格的にはとてもアクティブなのです。将来何も仕事をしないで暮らすとか、無気力になっているとは考えにくい…。固有名詞が苦手ないっちゃん、もしかして将来のことを大人が求めるような「どの高校に行く」とか、「どこの会社に入る」という考え方で捉えてはいないのではないか?
そこで、ずばり12歳のいっちゃんに「将来どんな大人になって暮らしていけたらいいと思う?」と聞いてみました。
すると「絵を描いたり、曲を作ったり、歌ったり、ナレーション?とかもして、こういうことで仕事にならないかなと思ってる。何って決めてないけど、やるからにはすっげーってみんなが言ってくれるようになりたい!あと料理も自分で作れるようになりたい!」と言うではないですか!意外と具体的な内容が出てきたのです。
そこで、ずばり12歳のいっちゃんに「将来どんな大人になって暮らしていけたらいいと思う?」と聞いてみました。
すると「絵を描いたり、曲を作ったり、歌ったり、ナレーション?とかもして、こういうことで仕事にならないかなと思ってる。何って決めてないけど、やるからにはすっげーってみんなが言ってくれるようになりたい!あと料理も自分で作れるようになりたい!」と言うではないですか!意外と具体的な内容が出てきたのです。
一般的には、子どもが絵描きになりたいとか歌い手さんになりたいと言ったら、夢みたいなことを…と思うかもしれません。例えば高校3年生になった子どもが「アニメが好きだから声優の専門学校に行く」と職業について深く調べもせず急に言い出したら、正直不安しかないでしょう。
しかし、いっちゃんは、物心つく前の本当に小さいころから、"努力"とは意識もせず、ずっと絵を描いたり、曲をつくったり、ピアノを演奏したり…「創り表現すること」を続けてきたのです。そのため、私はいっちゃんの言葉を聞いて「確かに!そのままでいい!」と思いました。
しかし、いっちゃんは、物心つく前の本当に小さいころから、"努力"とは意識もせず、ずっと絵を描いたり、曲をつくったり、ピアノを演奏したり…「創り表現すること」を続けてきたのです。そのため、私はいっちゃんの言葉を聞いて「確かに!そのままでいい!」と思いました。
学校以外での「名前のない学び」も大切に見守ること
13歳になった今のいっちゃんは、描画ソフトで絵を描くことはもちろん、MMDという有名なコンピュータアニメーションを作成するCGソフトを使って3Dキャラクターの改変モデルをつくったり(さすがに丸ごとはまだつくれない)、AviUtlというソフトで動画編集をしたりしています。ボイストレーニングや演技の勉強も続けていて、中学校にこそ行っていませんが、しっかり学んでいる様子が見て取れます。
とはいえ、学校で数学も物理も学んでいないので、動画制作はしばしばカン頼みです。もし誰かと一緒に協力してつくるとなると、基礎教養や共通言語がないので相当苦労することでしょう。でも、今そのことを心配して「同級生のみんながやっていること」を無理やりやらせても効率は良くないような気がします。
本人が必要だと思い知ってから学んでも、きっと遅くはないはずです。
本人が必要だと思い知ってから学んでも、きっと遅くはないはずです。
おそらく、いっちゃんのような子どもにとっては、高校や、会社のような「名前のあるもの」は、そういう毎日の学びと創作の延長線上にたまたまあるものなのでしょう。「名前のないこと」をやっている子どもを見守る力が、親には求められているのかもしれません。
執筆/寺島ヒロ
執筆/寺島ヒロ
専門家コメント 森しほ先生(医師・公認心理師)
睡眠障害や不登校が続いて不安な中で、お子さんの好きなことややりたいことに向き合ってこられたのですね。
不登校になると、どうしても「学校へ行けていないこと」に目が向きがちです。しかし実際には、睡眠障害や体調不良が背景にある場合、「学校へ行かない」のではなく「行きたくても行けない」状態であることも少なくありません。本人も「みんなと同じようにできない自分」を責めているケースは多く、周囲からの「将来どうするの?」という問いが、さらにプレッシャーになってしまうことがあります。
不登校のお子さんは学校以外の場所で多くのことを学んでいます。創作活動や動画編集、音楽制作などは、集中力や試行錯誤する力、問題解決能力を育てる貴重な経験になります。こうした「名前のない学び」は、今後の社会でも十分に生かせる力です。
「なんで学校に行きたくないの?」といった話をしてしまいがちですが、学校に行くをだけをゴールにするのではなく、「最近何が楽しかった?」「今度挑戦してみたいことはある?」という話をしてみましょう。未来を一気に決めるのではなく、「次の一歩」を一緒に考えるほうが、お子さんも答えやすくなります。
「学校に行けていない=何も成長していない」と決めつけず、その子なりの歩みをみてあげることが、自己肯定感を守る大きな支えになります。
また、心身の調子を崩してしまった場合、回復は段階的に進んでいきます。睡眠や生活リズムが乱れている状態で、「学校は?」「将来は?」と先の課題だけを考えることは、土台が不安定なまま家を建てようとするようなものです。まずは睡眠や生活リズムを整え、安心して過ごせる毎日を取り戻すことが、学校生活や将来への一歩につながります。不登校や睡眠障害のお子さんを支えるときは、「学校へ戻すこと」を最優先にするより、「生活の土台を整えること」を意識すると、親子ともに気持ちが楽になるのではないでしょうか。
睡眠障害がある場合は、無理に朝早く起こすよりも、まずは毎日同じ時間にカーテンを開けて朝の光を浴びること、起きたら軽く身体を動かすこと、寝る1〜2時間前はスマートフォンやゲームの刺激を減らすことなど、体内時計を少しずつ整える工夫が役立ちます。ただし、生活リズムだけでは改善しない睡眠障害もあるため、続いてしまう場合は医療機関に相談しましょう。
お子さんの成長は一直線ではありません。周囲と同じペースではなくても、その子らしい興味や得意なことを積み重ねていく経験が、将来の大きな力になるのではないでしょうか。(監修:医師・公認心理師 森しほ先生)
不登校になると、どうしても「学校へ行けていないこと」に目が向きがちです。しかし実際には、睡眠障害や体調不良が背景にある場合、「学校へ行かない」のではなく「行きたくても行けない」状態であることも少なくありません。本人も「みんなと同じようにできない自分」を責めているケースは多く、周囲からの「将来どうするの?」という問いが、さらにプレッシャーになってしまうことがあります。
不登校のお子さんは学校以外の場所で多くのことを学んでいます。創作活動や動画編集、音楽制作などは、集中力や試行錯誤する力、問題解決能力を育てる貴重な経験になります。こうした「名前のない学び」は、今後の社会でも十分に生かせる力です。
「なんで学校に行きたくないの?」といった話をしてしまいがちですが、学校に行くをだけをゴールにするのではなく、「最近何が楽しかった?」「今度挑戦してみたいことはある?」という話をしてみましょう。未来を一気に決めるのではなく、「次の一歩」を一緒に考えるほうが、お子さんも答えやすくなります。
「学校に行けていない=何も成長していない」と決めつけず、その子なりの歩みをみてあげることが、自己肯定感を守る大きな支えになります。
また、心身の調子を崩してしまった場合、回復は段階的に進んでいきます。睡眠や生活リズムが乱れている状態で、「学校は?」「将来は?」と先の課題だけを考えることは、土台が不安定なまま家を建てようとするようなものです。まずは睡眠や生活リズムを整え、安心して過ごせる毎日を取り戻すことが、学校生活や将来への一歩につながります。不登校や睡眠障害のお子さんを支えるときは、「学校へ戻すこと」を最優先にするより、「生活の土台を整えること」を意識すると、親子ともに気持ちが楽になるのではないでしょうか。
睡眠障害がある場合は、無理に朝早く起こすよりも、まずは毎日同じ時間にカーテンを開けて朝の光を浴びること、起きたら軽く身体を動かすこと、寝る1〜2時間前はスマートフォンやゲームの刺激を減らすことなど、体内時計を少しずつ整える工夫が役立ちます。ただし、生活リズムだけでは改善しない睡眠障害もあるため、続いてしまう場合は医療機関に相談しましょう。
お子さんの成長は一直線ではありません。周囲と同じペースではなくても、その子らしい興味や得意なことを積み重ねていく経験が、将来の大きな力になるのではないでしょうか。(監修:医師・公認心理師 森しほ先生)
睡眠問題が登校を阻む…!ASD兄妹が毎日学校に行きたくてもいけないワケ
ゲームがASD兄妹の世界を広げた…!好きや得意を開花、親子コミュニケーションにもよい影響を与えると思うワケ
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