声かけを苦痛に感じ「忘れないようにしたいのに!」と自分を責める発達障害小4娘。ホワイトボード作戦を提案したら...

2020/07/08 更新
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娘のサポートをするつもりで、やっていた声かけ。
しかし、娘は何度も同じことを言われて、
すぐ忘れてしまう自分を「どうにかしてほしい!」と言ってきました。
つい忘れてしまうことに対して、なんとも思っていなかった私でしたが、
苦しむ娘を見て、その方法を考えることにしました。

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減ってきた声かけ。

小学4年生になった、広汎性発達障害の娘。

以前は、自分で判断して動くということがスムーズにいかず、フォローの意味でも念入りな声かけは重要でした。

しかし、最近では自分で動けるようになっていき、私からの声かけも以前に比べたらかなり減っていました。
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「明日の準備は?」と声かけする母に対し、「もう終わった」と得意げな顔で答える娘あーさん。
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娘自身もそれを自覚し始め、
「もうできたよ」「終わってるよ」と、
私に言われる前に動けることが、嬉しそうでした。
それを見て私も娘の成長を感じていました。

しかし、すべてがそう上手くいくわけではありません。
やることが重なったりして、声かけをしなければ忘れてしまうこともあります。

それでも私には「声かけなしでやってほしい」という焦りはなく、声かけで気づいて行動できればいいなと思い、いつも通り声かけを続けていました。
「手紙出した?」とあーさんに声をかける母と、「忘れてた」と手紙を取りにいくあーさん。
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忘れないようにさせて!

ある日、いつものように声かけすると娘は…
「なんで私の頭はすぐ忘れちゃうの?忘れたくないのに」と泣くあーさん。
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同じことを何度も注意されていることに気がついていた娘は、私が思ったより深刻なとらえ方をして、泣いてしまいました。

私は「声かけして、できればそれでいい」と思ったのですが、娘は、何度も同じことを声かけされること、自分が忘れてしまうことに対して自分を責め、苦痛に感じていました。

声かけされることは、娘にとってストレスになっている…?そう思った私は、声かけについて娘に聞いてみました。

すると娘は…
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「私の頭が忘れないようにして」と泣きながら母に訴えるあーさん。
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自分が忘れないように、どうにかしてほしい!と無茶ぶり。
困った私でしたが、苦しむ娘を見て、何か方法を探さなければと思いました。

書いて、貼って、見る!

その日の夜、私は、娘のストレスにならない方法を考えました。
あーさんに対する声かけ方法を変えるべきかどうか悩む母。
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私が優しく言う…ということは、簡単にできます。できないことに対して、叱るつもりも全くありません。

しかし、声かけは手助けであって、そこをさらに優しく…というのは、私の中で何か違う気がしました。

娘も声かけに反応できないわけではなく、『忘れること自体をどうにかしたい』と苦しんでいました。

娘の気持ちは尊重したいし、苦手も理解したい。
でも、声かけはこれ以上、ゆるくするところではないと思ったのです。

悩みながらふと自分の手に目をやると、今日の用事を忘れないようにと、手の甲に書いていた文字が目に入りました。
行くところや買うものを忘れないようにしたいとき、手にメモを書いていたことを思い出した母。
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私自身もよく用事を忘れてしまうので、手に書いたり、メモ帳に書いてスマホケースに挟んだりしていたのです。

この方法、娘に使えないかな…と考えました。

しかし、さすがに手に書くには限度があるし、いろんなことを手に書いた状態では、本人も気になってやるべきことに集中できない…。

そこで、注意されたことを忘れないために、紙に書いてホワイトボードに貼るという方法を思いつきました。ホワイトボードに直接書く方法にしなかったのは、紙の方が、ぱっと見たときに、いくつあるかわかりやすいと思ったからです。

さらに娘を追いつめる不安。

しかしこの方法、捉え方によっては、自分が注意されたマイナスなことを、紙に書いて目につくようにするということ…。
メモを書くことをあーさんにも進めようかどうか悩む母。
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娘にとって辛いことをわざわざさせることになるのではないかと迷いました。

この方法を娘に提案するか決めきれなかった私は、いったん保留にし、しばらくは様子を見ようといつも通りの声かけを続けました。

苦しむ娘に、悩んだ末、提案。

その後、再び注意された時に、泣きだした娘。
やるべきことを忘れていたことで泣いているあーさんに対し、メモを書いてホワイトボードに貼る方法を提案する母。あーさんは「やる!」と答える。
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現状をどうにかしたいと苦しんでいる娘を見て、私は、紙に書いてホワイトボードに貼る方法を説明しました。

それを聞いた娘は私の提案を受け入れました。

書くことが、気持ちの切り替えに。

娘はその日から、私から注意されたこと、自分が忘れたくないと感じたことを自主的に紙に書き、ホワイトボードに貼るようになりました。
「タオルは使ったら洗濯機だよ」と母があーさんに声をかけると、あーさんは「書かなきゃ!」と言い、紙に書いてホワイトボードに貼った。
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私は、ますます娘を追い込んでしまうのではと心配でしたが、紙に書いている娘は、嫌々書く…という感じではありませんでした。

それどころか、今までは一度注意されただけで、凹んだりふてくされたりしていたのに、注意された瞬間「あ、書かなきゃ!」という流れになり、書くことで気持ちの切り替えが上手になったのです。

違う目的に対して、同じ方法で解決。

この方法、私にとっての目的は『娘に対して声かけせずにすむこと』ではなく、『娘が同じことを声かけされても、嫌と感じないようにすること』でした。

そして、娘にとっての目的は『自分が言われたことを忘れないようにすること』でした。
声かけを泣かずに聞いてほしいという母の目的と、一度注意されたことを忘れないようにしたいというあーさんの目的が、両方解決して喜ぶ2人。
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目的は違いましたが、娘が落ち着くことで、どちらもスムーズになりました。

私にとって『忘れないこと』は、そこまで重要ではありませんでしたが、娘にとっては、書くことで安心につながり、また貼った紙を見ることで、『忘れないように』と意識できるようになりました。

実際、私が娘に声をかける回数は減り、貼られた紙の中でできるようになったものは、娘が「これはもうできてるもんね」と言って、はずしていくようになりました。

結局娘はこの方法を数週間はきっちり続けていましたが、だんだんと泣く回数が減っていき、それに伴ってホワイトボードに紙を貼ることもなくなっていきました。

今回の『忘れやすいことを書いて貼る』という方法は継続してやるものではなく、どちらかというと一時的でしたが、療育というのはそういうことの繰り返し。

娘の特性上、一つのことでもずっとできないわけじゃないけど、一度できたらずっとできるというわけでもありません。成長によって、そのときの気持ちによって、できたりできなかったりします。

今回はこれで落ち着いていますが、また数か月後には同じことで泣いているかもしれません。

しかし、わが子が苦しいときに、その気持ちを探り、合った方法を探すことが大切になってきます。

今回のように、私が「ちょっときついかな」と思っても、娘には意外と合っている…ということもあります。
考えて、提案して、一緒に向き合っていくことが大切なのだと改めて学びました。

このコラムをかいた人の著書

うちの子、個性の塊です
SAKURA (著)
すばる舎
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