「ダメ!」と怒鳴り「恥ずかしい」と凹む。ASD息子のぐずりとキンキン声に、なす術もなかった保育園時代【かんしゃく特集】
ライター:taeko
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癇癪が目立った保育園の頃。当時は、ミミの癇癪にどう対応したらよいか分からず、つい「ダメ!」と怒鳴っていました。ミミの行動の理由が分からず、「何でこんなことをするんだろう」「恥ずかしい」と思うこともありました。
監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。
現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
小学校入学前の癇癪を振り返って
ミミは生後7か月で保育園に入りました。この頃からいつもと違う状況が苦手で、ハロウィンや発表会などのイベントの写真は泣いているものばかり。
1歳3か月に自宅近くの保育園に入園できたのですが、発表会はやっぱり涙。不安や怖い気持ちを泣いて表現していたのかなと思います。
1歳3か月に自宅近くの保育園に入園できたのですが、発表会はやっぱり涙。不安や怖い気持ちを泣いて表現していたのかなと思います。
家でも
寝起きは(昼寝後も)、涙のことが多く...。しばらくなだめて、やっと食事。と思ったら、食事中に食べようとした物がお皿に落ちただけで、また涙涙でグズグズ…。
おばあちゃんにも気分次第で「あっち行って!!」「来ないで!!」。
何かを失敗した時や見られたくない時に、泣きながら訴える。
鼻水を拭こうとすると、キンキン声で嫌がる。
ミミがテレビを見ている時に洗い物をすると、水の音が気になって「あーーーー!!」とキンキン声。「びっくりしちゃうから、テレビの音を大きくして、って言おうね」と伝える。
毎日のように、涙とキンキン声が繰り返されました。
おばあちゃんにも気分次第で「あっち行って!!」「来ないで!!」。
何かを失敗した時や見られたくない時に、泣きながら訴える。
鼻水を拭こうとすると、キンキン声で嫌がる。
ミミがテレビを見ている時に洗い物をすると、水の音が気になって「あーーーー!!」とキンキン声。「びっくりしちゃうから、テレビの音を大きくして、って言おうね」と伝える。
毎日のように、涙とキンキン声が繰り返されました。
外出中も
エレベーターに乗り、他の人が乗ってくると「乗っちゃダメ!!」。私は「みんなで乗るんだよ」となだめる。
おもちゃ屋さんのキッズコーナーでミミが遊んでいた物を他の子が触ると、「ああー!!」とキンキン声。「触られるのが嫌だったの?お友達は使いたいみたいだから、待っててねって言おうか」と声をかけて、ミミをなだめる。
内心、困惑することが多かったです。
おもちゃ屋さんのキッズコーナーでミミが遊んでいた物を他の子が触ると、「ああー!!」とキンキン声。「触られるのが嫌だったの?お友達は使いたいみたいだから、待っててねって言おうか」と声をかけて、ミミをなだめる。
内心、困惑することが多かったです。
習い事でも
1歳6か月から通い始めたリトミック。しばらくは楽しく参加していたけど、3歳頃になると、好きな色のフープを巡って取り合いに。ミミは、キンキン声を出して譲りません。他の子はどうしたの?といった表情。こんなに激しく嫌がるミミを見たことがなく、私も焦ってしまいました。その時は、相手の女の子が譲ってくれました。
その後、フープを取り合った女の子を指差して「あの子とは遊ばない」と言ったり、リトミックへ行くことを嫌がったりすることが増えていきました。行っても、終始泣いていることもありました。
ちょうどこの頃、保育園から療育を勧められ、読み始めた療育の本に「嫌がることは、無理にさせない」と書いてあったので、ミミの気持ちを確認してからリトミックへ通うのをやめました。ミミなりの、嫌な理由があったのだと思います。
その後、フープを取り合った女の子を指差して「あの子とは遊ばない」と言ったり、リトミックへ行くことを嫌がったりすることが増えていきました。行っても、終始泣いていることもありました。
ちょうどこの頃、保育園から療育を勧められ、読み始めた療育の本に「嫌がることは、無理にさせない」と書いてあったので、ミミの気持ちを確認してからリトミックへ通うのをやめました。ミミなりの、嫌な理由があったのだと思います。
ナゾの行動も
ミミは大切にしているおもちゃを、見えない後ろの方向に投げることがよくありました。投げた後、「なくなっちゃった」と言って涙。何度言っても繰り返すので、パパから厳しく叱られて涙涙。
「大事にしないなら捨てるよ」と言うとうなずくので何度か確認して捨てるフリ(隠しておいて、時間を置いてから返す)。
どうしてお気に入りのおもちゃを投げたり、いらないと言うのかが不思議過ぎて夫婦で???でした。
「大事にしないなら捨てるよ」と言うとうなずくので何度か確認して捨てるフリ(隠しておいて、時間を置いてから返す)。
どうしてお気に入りのおもちゃを投げたり、いらないと言うのかが不思議過ぎて夫婦で???でした。
もっと話を聞いて待ってあげればよかった
当時は、ミミの癇癪にどう対応したらよいか分からず、つい「ダメ!!」と怒鳴っていました。ミミの行動の理由が分からず「何でこんなことをするんだろう」「恥ずかしい」と思うこともありました。
ミミがASDであることがわかり、発達障害や療育のことを知り、どんどんマイナス思考になってしまいました。ある日ふと、ミミが好きな魚の絵をTシャツに描いたら喜ぶかなと思い描き始めると、久しぶりに絵具を使うことの楽しさを思い出し、ストレスを解消することもできました。これが私の気持ちを切り替えるきっかけになったのかもしれません。
療育の本を読んで、私の対応が間違っていると分かっても、なかなか実践できなかった日々。発達障害を受け入れるまでは、2年かかりました。あの頃、もっとミミの話を聞いて、待ってあげられたらよかったのになと今は思います。
小学1年生の今は、ほとんど癇癪はなくなりました。療育に2年通ったことと、あたたかく寄り添ってくれた保育園の先生やクラスメイトのおかげです。
ミミがASDであることがわかり、発達障害や療育のことを知り、どんどんマイナス思考になってしまいました。ある日ふと、ミミが好きな魚の絵をTシャツに描いたら喜ぶかなと思い描き始めると、久しぶりに絵具を使うことの楽しさを思い出し、ストレスを解消することもできました。これが私の気持ちを切り替えるきっかけになったのかもしれません。
療育の本を読んで、私の対応が間違っていると分かっても、なかなか実践できなかった日々。発達障害を受け入れるまでは、2年かかりました。あの頃、もっとミミの話を聞いて、待ってあげられたらよかったのになと今は思います。
小学1年生の今は、ほとんど癇癪はなくなりました。療育に2年通ったことと、あたたかく寄り添ってくれた保育園の先生やクラスメイトのおかげです。
専門家コメント 室伏佑香先生(小児科医)
ミミさんとの日常の中での戸惑いやおつらさ、そして素直なお気持ちを言葉にしてくださりありがとうございます。同じようにおつらいお気持ちを持っていらっしゃるご家族にとっても、深く共感される内容だったのではないかと思います。
お子さんの特性の有無にかかわらず、子育ては最初は分からないことだらけで、その中で少しずつ、その子に合った関わり方を見つけていくものですよね。それはきっと、誰にとっても同じなのだと思います。そのうえで、発達特性のあるお子さんへの関わりには少しコツのようなものがあり、それが分かってくると、親御さんの気持ちが少し楽になることもあります。療育につながることでそうした関わり方を教えてもらえる機会や、診断を受けて本や同じ特性をもつ親御さんなどから知識を得られることもありますが、そこにたどり着くまでの時間は、本当に大変だったことと思います。分からない中で精一杯向き合ってこられたこれまでの関わりは、決して間違いではありません。まずは、ご自身の頑張りをぜひ労ってあげてほしいなと思います。
癇癪は「困った行動」として捉えられがちですが、お子さん自身も、気持ちや刺激をうまく処理できずに困っている状態のサインと捉えると、少し見え方が変わることがありますよね。今回書いてくださったキンキン声や涙にも、さまざまな背景があったのではないかと思います。その背景はお子さんによっても異なり、予測できないことや普段と違う変化への不安の強さ、感覚の過敏さ(水の音が気になってしまうなど)、気持ちを言葉で表現することの難しさ、特定のものや順番へのこだわりなど、さまざまな要因が絡んでいます。
そうした背景が見えてくると、対応の仕方も少し変わってくることがあります。例えば、先回りして予定や見通しを伝えること、気持ちを代わりに言葉にしてあげること、行動そのものをただ止めるのではなく、別の表現の仕方を具体的に伝えることなどです。たとえば、「大きい声を出すのではなくて、『待って』って言おうね」「大きな音にびっくりしたら、こうやって耳をふさいでみようね」といった関わりです。また、癇癪やパニックに陥っている最中は、叱ったり言い聞かせたりするよりも、まず安心して落ち着ける場所で気持ちが静まるのを待つことが大切な場合もあります。
もちろん、こうしたことはすぐにできるようになるものではありませんが、少しずつ経験の中で学んでいけることも多いと思います。小学校1年生の今、癇癪がほとんどなくなったというお話は、ミミさんご自身の育ちと、周囲のあたたかな関わりの積み重ねの賜物だと思います。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
お子さんの特性の有無にかかわらず、子育ては最初は分からないことだらけで、その中で少しずつ、その子に合った関わり方を見つけていくものですよね。それはきっと、誰にとっても同じなのだと思います。そのうえで、発達特性のあるお子さんへの関わりには少しコツのようなものがあり、それが分かってくると、親御さんの気持ちが少し楽になることもあります。療育につながることでそうした関わり方を教えてもらえる機会や、診断を受けて本や同じ特性をもつ親御さんなどから知識を得られることもありますが、そこにたどり着くまでの時間は、本当に大変だったことと思います。分からない中で精一杯向き合ってこられたこれまでの関わりは、決して間違いではありません。まずは、ご自身の頑張りをぜひ労ってあげてほしいなと思います。
癇癪は「困った行動」として捉えられがちですが、お子さん自身も、気持ちや刺激をうまく処理できずに困っている状態のサインと捉えると、少し見え方が変わることがありますよね。今回書いてくださったキンキン声や涙にも、さまざまな背景があったのではないかと思います。その背景はお子さんによっても異なり、予測できないことや普段と違う変化への不安の強さ、感覚の過敏さ(水の音が気になってしまうなど)、気持ちを言葉で表現することの難しさ、特定のものや順番へのこだわりなど、さまざまな要因が絡んでいます。
そうした背景が見えてくると、対応の仕方も少し変わってくることがあります。例えば、先回りして予定や見通しを伝えること、気持ちを代わりに言葉にしてあげること、行動そのものをただ止めるのではなく、別の表現の仕方を具体的に伝えることなどです。たとえば、「大きい声を出すのではなくて、『待って』って言おうね」「大きな音にびっくりしたら、こうやって耳をふさいでみようね」といった関わりです。また、癇癪やパニックに陥っている最中は、叱ったり言い聞かせたりするよりも、まず安心して落ち着ける場所で気持ちが静まるのを待つことが大切な場合もあります。
もちろん、こうしたことはすぐにできるようになるものではありませんが、少しずつ経験の中で学んでいけることも多いと思います。小学校1年生の今、癇癪がほとんどなくなったというお話は、ミミさんご自身の育ちと、周囲のあたたかな関わりの積み重ねの賜物だと思います。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
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