「自分たち親子には価値がない」から「自閉症息子はオンリーワン」へ。無発語、癇癪…自閉症の息子と将来が不安だった母が、変われたきっかけ

2020/12/21 更新
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2020年も、もうすぐ終わり。今年から始めた『あること』がきっかけで、障害児の育児に対して「前向きですね」と言われることが増えた私。でも実は、育児が楽しいと感じられるようになったのは本当につい最近のこと。もともとは夫に引かれるくらい卑屈でネガティブだった私の心境が、どう変化していったのか振り返り考察してみたいと思います。

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ネガティブだった私が変わるきっかけになったのは「ブログ」

変わるきっかけになったのはブログ
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わが家の息子ほぺろうは3歳のときに『中度知的障害をあわせ持つ自閉スペクトラム症』と診断を受けました。5歳になった現在も、いまだ発語なし。自分の気持ちを言葉で表現できないため、よく癇癪を起こしがちです。

そんなほぺろうを育てる私ですが、最近になって障害児の育児に対し「前向きですね」との声をいただくようになってきました。正直、自分ではとてもそんな風に思っていなかったので意外で驚きました。というのも...

昨年までの私は心身ともに疲れ果てていて、ほぺろうの激しい癇癪・先の見えない将来の不安・仲間のいない孤独に押し潰されそうで、常にイライラして悲観ばかりだったからです。
あまりのネガティブさに、夫ぺー太も引くくらいでした。
ネガティブだった時代の様子
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そんな私でしたが、あるとき「こんなに大変な育児なんだから記録してやろうじゃないか」と思い立ち、今年の春からほぺろうの育児を綴ったブログを開始しました。

ブログを開始したことで得られた心境の変化「主体的になれた」

育児に不安を抱えていた時期、私は検索魔で、自閉症に関する記事だけでは飽き足らず「どうなれば人生幸せなの!?」という疑問に対する答えをネットで見つけようとしたりしていました。もちろん『幸せ』なんて太古の昔から解明されていないものに正しい答えがあるはずもありません。

ただその中でも『自分の人生を自分で操作できている実感を持っているか(主体的か)』という言葉が、個人的に「なるほどな~」と思いました。

でも当時は「なるほど」と思っただけで、「そんなの、したくてもできないよ!!」という気持ちの方が強かったです。母という立場はどうしても「子ども中心」になりがちですから...。
主体的になるのが難しいと感じた母
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ところが、ブログを続けていくうちに私の感じ方が少しずつ変化していきました。
ほぺろうがどんな困りごとを起こしたり悩みにぶつかっても、「どうやって記録しようかな」と客観的に捉えられるようになってきたのです。
ブログを開始してからの変化
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「ほぺろうに振り回される自分」→「ほぺろうを記録する自分」への変化は、「ほぺろうを中心に生きている」→「自分のために生きている」という感覚を持たせてくれました。

ほぺろうの物語を綴ることで得られた心境の変化「オンリーワン」

かつての私は、ほぺろうに自閉症の診断が出たときに「そのまま」を受け入れることがでいず、ほぺろうを「定型発達の子のように」「みんなと同じ」に近付けようと頭を悩ませていました。

「他人と比べない」なんて私には難しくこのままではダメだと焦るばかりでしたが、そんな気持ちもまるごとブログに記録することで「ほぺろうの物語」ができあがっていく感覚になれました。

ほぺろうの物語なんだからみんなと同じじゃなくていい。ほぺろうの存在自体が価値あるものと改めて感じ、「オンリーワン」であると気づかされました。そして育児と向き合うことが楽しくなってきたのでした。
ほぺろうに「オンリーワンだよ」と語りかける母
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苦労も糧になると教えてくれた「人とのつながり」

SNSで得られる恩恵「人とのつながり」は周知されていますが、周りにほぺろうみたいな子がいない私にとっては孤独から救ってくれる手段となってくれました。

先輩ママさん達の投稿は皆さんそれぞれに苦労されているものでしたが、私に「ひとりじゃないんだ」と思わせてくれるのには充分でした。

ふと、私もブログで記録を続けているうちに「私が苦労した困りごとも、もしかしたら誰かの役に立てるかも知れない」と思い始め、読者の方を意識しながら記事を書くようになりました。

「自分はなんてダメな母親なんだ」と思ったことも何度もありましたが、もし現在同じく悩んでいる方がいたら「今は辛くても、その苦労がいつか誰かを励ます糧になるよー!」と応援の念を送っています。
「苦労も糧になる」と思う母
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でも本当は、読者の方から応援のメッセージをいただけたりと、前向きにさせてくれる力を私の方がもらっています。感謝で頑張れる!

ブログを通して、ほぺろうから気づきや発見をもらった

ひどくネガティブだったときには「私達親子には価値がない...」とまで思い詰めていましたが、ブログを続けていくうちに日々新しい気づきや発見を与えてくれるほぺろうが、私の中で輝いて見えるようになりました。

それまでは「障害がなければいいのに...」と思う毎日でしたが、「せっかく障害を持っている」という考え方に変わっていき、ほぺろうの境遇が私の中で“価値“になったのです。

「ほぺろうの記録をSNSで発信する」という方法は私にとって、前向きにさせてくれる有効な手段となってくれました。
ほぺろうを見つめる母
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