不登校気味のASD娘、いよいよ中3に!進路はどうする?勉強が得意な兄とは対照的な、いっちゃんの場合
ライター:寺島ヒロ
年が明けると、すぐにやってくるのが受験シーズン!でこぼこ兄妹の小さな妹だったいっちゃんも、来年度にはもう中学3年生になります。そろそろ中学卒業後の進路を本格的に考えなければならないのですが、いっちゃんは中学校にも行ったり行かなかったりなので、高校への進学は難しそう。とはいえ、このまま社会に出るにはあまりに心許ない…。今回はそんないっちゃんの進学について、私が考えていることをお話したいと思います。
勉強が得意ではないいっちゃんと得意なタケル
1歳の頃から絵を描き、歌をつくってきたいっちゃん…。いわゆる「お勉強」はあまり好きではありません。
対してタケルは小学校では「ハカセ」と呼ばれていたようなタイプ。
小さい頃からなんでも記憶するのが得意で、中高生向けのビジネスプランの大会やゲーム大会でも良い成績を残してきました。テストの結果などでいい成績を残すことは、進学を考えるうえで大変重要。実際、タケルは1年の1/3以上遅刻をしていましたが、テストの点数でカバーして大学の推薦を出してもらえたこともあるのです。体調不良や粗大運動の困難さえも「理屈を勉強して、対処すればなんとかなる!」と力技で乗り切ってきたタケル。そんなタケルにとって、いっちゃんは大変頼りなく、心配な妹のようです。
睡眠障害がふたりの勉強時間を阻む!
しかし…睡眠障害もあるいっちゃん、お兄ちゃんとなかなか時間が合いません。
お兄ちゃんも決して暇ではないので、自分のもろもろの用事を済ませてからいっちゃんに声をかけるのですが、そのときにいっちゃんが暇とは限らないわけです。普段のいっちゃんは、すごい集中力で何かつくっているか、寝ているかのどちらか。ちょうどいいタイミングで声をかけるのは大変です。
それはともかく...。全速力で走って倒れるような毎日ですが、充実した生活を送るいっちゃんを見ていると「学校の勉強は大事!今やっていることをすぐにやめて、お兄ちゃんと勉強しなさい。」と言いにくいんですよね。
絵を描いている時や音楽の打ち込み(最近『GarageBand』を使うようになりました)をしているときには、普段全く人の顔色を見ないお兄ちゃんも話しかけることをためらいます。それほどの集中力なのです。寝ているときにはたまに起こそうと努力していますが…起こそうとして起きるならそもそもこんな苦労はしないのです。
絵を描いている時や音楽の打ち込み(最近『GarageBand』を使うようになりました)をしているときには、普段全く人の顔色を見ないお兄ちゃんも話しかけることをためらいます。それほどの集中力なのです。寝ているときにはたまに起こそうと努力していますが…起こそうとして起きるならそもそもこんな苦労はしないのです。
どうにもできないなら活かせない?
いっちゃんのそんな状況を見て、「そこまで好きなら、例えば絵や音楽を専門にする学校に行けばいいのでは?」と言ってくださる方もいます。しかし、どんな学校であろうと基本的には登校せねばなりません。それに、いわゆる「芸術系の学校」は朝から晩まで絵を描いたり、歌を歌っているイメージがありますが、実際のところは普通教科にプラスして実技があるという感じです。実習などに時間を取られる分、リベラルアーツな科目の時間は凝縮されており、1回休むと大きく点数を削られます。私も芸術系の学校出身なのですが、私の行っていた学校は授業を2回休むとアウト、1年分の単位が出ませんでした。
私も睡眠障害があったので、しばしば朝の授業に間に合わず、留年もしています。単位取得の難しさを考えると積極的に勧める気にはなれないというのが正直なところ。では、どうするか…?
私も睡眠障害があったので、しばしば朝の授業に間に合わず、留年もしています。単位取得の難しさを考えると積極的に勧める気にはなれないというのが正直なところ。では、どうするか…?
実のところ、まだこれといった結論は出ていません。
ただ、どんなところでもいいから入れそうな高校に在籍し、18歳にこだわって高卒の資格を取得することを目指すのは、なんとなくいっちゃんには合わないような気がします。元々中学校からはみ出しているので、いれものを用意すればそれに合うように収まるということもないでしょう。
ただ、どんなところでもいいから入れそうな高校に在籍し、18歳にこだわって高卒の資格を取得することを目指すのは、なんとなくいっちゃんには合わないような気がします。元々中学校からはみ出しているので、いれものを用意すればそれに合うように収まるということもないでしょう。
オンライン授業やリモートワークが急速に普及したこの一年で、「何がなんでも朝起きて登校、出勤すべし!」という圧力を、以前に比べて明らかに感じなくなってきました。来年ではないかもしれませんが、登校をせずに高校で学べる日も遠からずくるかもしれません。そう考えると無理に中学を卒業したらすぐ次の学校へ入れる必要も、もしかしたらないのかも…と思えてきました。
のんびり…とは、さすがにいきませんが、社会情勢も見ながら、いっちゃんが納得する道を焦らず探っていけたらと思う今日この頃です。
のんびり…とは、さすがにいきませんが、社会情勢も見ながら、いっちゃんが納得する道を焦らず探っていけたらと思う今日この頃です。
焦らない焦らない。これも親修行…。
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