自閉症息子の「重度判定」にほっとする。昔は軽度を願ったけれどーー息子の就職活動を思い安堵して
ライター:立石美津子
昔は息子の障害が軽く判定されず泣いていた私。でも、今は真逆になりました。さて、重度判定という言葉をご存知ですか。これは障害のある子が将来企業就労を望むとき、企業にとっても本人にとっても重要となる判定です。
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
障害のある人の法定雇用率で、ダブルカウントされる場合がある
障害者雇用率とは、民間企業には従業員数の2.2%以上(※)障害のある人を雇用することが義務づけられている率をさします。
以前参加した勉強会で配布された企業向け資料には、次のようにありました。
”重度の障害のある人を雇用した場合は、1人で2人雇用したとして算定されます(=ダブルカウント)。
助成金制度 障害のある人の受け入れにあたって、仕事がしやすくなるように職場環境の整備・改善を行う場合、 企業に対して助成金が支給される制度があります。
重度の障害のある人を雇用した場合、より手厚い助成を受けることができます。
重度判定の対象となるのは愛の手帳(3、4度)をお持ちの方が対象となります(*4度の方についてはIQが60未満の方)”
※著者注:障害者雇用率は令和3年3月1日付で変更があり、より高い障害者雇用割合が求められるようになりました
以前参加した勉強会で配布された企業向け資料には、次のようにありました。
”重度の障害のある人を雇用した場合は、1人で2人雇用したとして算定されます(=ダブルカウント)。
助成金制度 障害のある人の受け入れにあたって、仕事がしやすくなるように職場環境の整備・改善を行う場合、 企業に対して助成金が支給される制度があります。
重度の障害のある人を雇用した場合、より手厚い助成を受けることができます。
重度判定の対象となるのは愛の手帳(3、4度)をお持ちの方が対象となります(*4度の方についてはIQが60未満の方)”
※著者注:障害者雇用率は令和3年3月1日付で変更があり、より高い障害者雇用割合が求められるようになりました
なお、障害者雇用における重度障害者は障害者雇用促進法で定義づけられています。
身体障害者で次のいずれかの場合
・等級が1級、2級の人
・等級が3級で重複の障害がある人
知的障害者で、次のいずれかの場合
・療育手帳で程度が「A」とされている。
・児童相談所又は知的障害者福祉法に規定する知的障害者更生相談所、療育手帳の「A」に相当する程度とする判定書をもらっている。
・障害者の雇用の促進等に関する法律に規定する障害者職業センターにより「重度知的障害者」と判定されている。
(療育手帳上では重度扱いではないけれど)重度判定された人とは、つまり手帳上での知的障害は中度だが重度の判定を持っているため、雇用率でのカウントは重度扱いとなるということです。
私が参加した勉強会では、
重度判定をもっていることで、就労を願っている本人のとっても就職活動で有利に働くこともあるうえ、職場でも(重度障害があるということで)より配慮されるとのことでした。また一度判定されると更新の必要なく使えるとのこと、「重度判定がされず不服がある場合は5年後に再度検査にきてください」の説明もありました。
身体障害者で次のいずれかの場合
・等級が1級、2級の人
・等級が3級で重複の障害がある人
知的障害者で、次のいずれかの場合
・療育手帳で程度が「A」とされている。
・児童相談所又は知的障害者福祉法に規定する知的障害者更生相談所、療育手帳の「A」に相当する程度とする判定書をもらっている。
・障害者の雇用の促進等に関する法律に規定する障害者職業センターにより「重度知的障害者」と判定されている。
(療育手帳上では重度扱いではないけれど)重度判定された人とは、つまり手帳上での知的障害は中度だが重度の判定を持っているため、雇用率でのカウントは重度扱いとなるということです。
私が参加した勉強会では、
重度判定をもっていることで、就労を願っている本人のとっても就職活動で有利に働くこともあるうえ、職場でも(重度障害があるということで)より配慮されるとのことでした。また一度判定されると更新の必要なく使えるとのこと、「重度判定がされず不服がある場合は5年後に再度検査にきてください」の説明もありました。
障害者職業センターへ
特別支援学校高等部のころ、企業就労を望んでいる生徒で療育手帳でA判定ではない(愛の手帳の場合は1度または2度ではない)生徒は重度判定を受けに行っていました。
息子は愛の手帳は3度で、療育手帳(愛の手帳)上は中度知的障害でしたので「企業就労を望む場合は判定を受けにに行ったほうが良いでしょう」ということでしたが、当時は企業就労を望んでいなかったので判定はしてもらいませんでした。
特別支援学校高等部を卒業後、息子は就労移行支援事業所に通っています。事業所の支援員のすすめもあり、先日息子は判定してもらいに障害者職業センターへ行きました。
息子は愛の手帳は3度で、療育手帳(愛の手帳)上は中度知的障害でしたので「企業就労を望む場合は判定を受けにに行ったほうが良いでしょう」ということでしたが、当時は企業就労を望んでいなかったので判定はしてもらいませんでした。
特別支援学校高等部を卒業後、息子は就労移行支援事業所に通っています。事業所の支援員のすすめもあり、先日息子は判定してもらいに障害者職業センターへ行きました。
重度判定対象者
障害自体が重度かどうかは東京都の場合、下記になっています。
愛の手帳1度 …知能指数19以下
愛の手帳2度…知能指数20~34
愛の手帳3度…知能指数35~49(息子はここ)
愛の手帳4度…知能指数50~75
1度・2度の人は重度知的障害とされているので、判定を受けに行く必要はありません。重度判定の制度では愛の手帳3度・4度の人が対象となるので、3度を持っている息子は対象者でした。
愛の手帳1度 …知能指数19以下
愛の手帳2度…知能指数20~34
愛の手帳3度…知能指数35~49(息子はここ)
愛の手帳4度…知能指数50~75
1度・2度の人は重度知的障害とされているので、判定を受けに行く必要はありません。重度判定の制度では愛の手帳3度・4度の人が対象となるので、3度を持っている息子は対象者でした。
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判定当日の流れ
さて、判定当日は親子離され、息子は作業がどれくらいできるかの検査がありました。
同時進行で保護者は別室にうつされ、カウンセラーの面談があり下記の聞き取りがありました。
・家の手伝いを進んでできるか(←進んではしない。決まり事として紙に書くとできる)
・電話を自分でできるか(←できる)
・指示されたことは間違いなくできるか(←できない)
・外であったことを家で話すか(←話さない。便器の話しかしない)
・一人で外出できるか(←できる)
・挨拶はできるか(←できないというか、挨拶を指示すると見知らぬ人にも挨拶してしまうことがある)
など
合計2時間かかりました。
即日、結果が渡され重度判定がされました。私はホッと胸をなで下ろしました。
同時進行で保護者は別室にうつされ、カウンセラーの面談があり下記の聞き取りがありました。
・家の手伝いを進んでできるか(←進んではしない。決まり事として紙に書くとできる)
・電話を自分でできるか(←できる)
・指示されたことは間違いなくできるか(←できない)
・外であったことを家で話すか(←話さない。便器の話しかしない)
・一人で外出できるか(←できる)
・挨拶はできるか(←できないというか、挨拶を指示すると見知らぬ人にも挨拶してしまうことがある)
など
合計2時間かかりました。
即日、結果が渡され重度判定がされました。私はホッと胸をなで下ろしました。
昔は悲しくて泣いていたけれど
息子が3歳になる前に、障害児育児の先輩である保護者から「療育手帳を3歳になったら必ず取りに行きなさい。きっと役に立つから」と言われました。
そこで、申請をし、児童相談所で検査がありました。そのころ、親の欲目か「4度(軽度)くらいかな」と思っていました。ところが、検査の結果、軽度ではなく3度(中度)でした。帰り道、辛くて悲しくて泣いてしまいました。
取得後も、手帳を提示すればさまざまな障害者割引、例えば、タクシーで1割割り引いてくれるなど、利用方法はたくさんあるのに、それを提示する勇気がでるまで何か月かかりました。
そこで、申請をし、児童相談所で検査がありました。そのころ、親の欲目か「4度(軽度)くらいかな」と思っていました。ところが、検査の結果、軽度ではなく3度(中度)でした。帰り道、辛くて悲しくて泣いてしまいました。
取得後も、手帳を提示すればさまざまな障害者割引、例えば、タクシーで1割割り引いてくれるなど、利用方法はたくさんあるのに、それを提示する勇気がでるまで何か月かかりました。
変わった私
まだ子どもが幼く、障害があることがわかっても、それを受け入れがたく療育手帳の申請を躊躇う保護者の皆さんもいるかと思います。かつての私もそうでした。
でも、障害があることを証明する療育手帳を持っていることで法定雇用率の中で採用される機会を得られます。更に重度判定を受けられれば、就職活動でも有利に働くこともあります。
今の私は重度判定をされても悲しみはありません。「昔に比べたら変わったものだな…」とシミジミ思います。
でも、障害があることを証明する療育手帳を持っていることで法定雇用率の中で採用される機会を得られます。更に重度判定を受けられれば、就職活動でも有利に働くこともあります。
今の私は重度判定をされても悲しみはありません。「昔に比べたら変わったものだな…」とシミジミ思います。
執筆/立石美津子
専門家コメント 鈴木直光先生(筑波こどものこころクリニック院長)
親御さんにとって、わが子に重度の障がいがあると告げられた衝撃は計り知れないものですが、1975年に報告されたドロター(Drotar)の心理経過が示す通り、受容への歩みは人それぞれで良いのです。親御さんが事実を受け止められた時こそが真の「早期発見」であり、そこから支援の道が拓かれます。重度の知的発達症の方は将来的に生活介護を利用するケースが多いものですが、親御さんも年齢を重ねる中で、ケアを一身に背負い続けることには限界が生じてくるのが現実です。
人生の後半には就労支援や知的財産権の管理といった複雑な課題も浮上するため、精神科などの専門機関と密に連携し、長期的な視点で生活を組み立てる姿勢が大切になります。お子さんが将来にわたって社会的な枠組みの中で守られ、尊厳を持って自立した人生を歩んでいけるよう、今から周囲との協力体制を整えていくことは、ご家族にとっても大きな希望となるはずです。(監修:筑波こどものこころクリニック院長 鈴木直光先生)
人生の後半には就労支援や知的財産権の管理といった複雑な課題も浮上するため、精神科などの専門機関と密に連携し、長期的な視点で生活を組み立てる姿勢が大切になります。お子さんが将来にわたって社会的な枠組みの中で守られ、尊厳を持って自立した人生を歩んでいけるよう、今から周囲との協力体制を整えていくことは、ご家族にとっても大きな希望となるはずです。(監修:筑波こどものこころクリニック院長 鈴木直光先生)
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