自閉症息子の「重度判定」にほっとする。昔は軽度を願ったけれどーー息子の就職活動を思い安堵して

ライター:立石美津子
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昔は息子の障害が軽く判定されず泣いていた私。でも、今は真逆になりました。さて、重度判定という言葉をご存知ですか。これは障害のある子が将来企業就労を望むとき、企業にとっても本人にとっても重要となる判定です。

障害のある人の法定雇用率で、ダブルカウントされる場合がある

障害者雇用率とは、民間企業には従業員数の2.2%以上(※)障害のある人を雇用することが義務づけられている率をさします。

以前参加した勉強会で配布された企業向け資料には、次のようにありました。

”重度の障害のある人を雇用した場合は、1人で2人雇用したとして算定されます(=ダブルカウント)。

助成金制度 障害のある人の受け入れにあたって、仕事がしやすくなるように職場環境の整備・改善を行う場合、 企業に対して助成金が支給される制度があります。

重度の障害のある人を雇用した場合、より手厚い助成を受けることができます。

重度判定の対象となるのは愛の手帳(3、4度)をお持ちの方が対象となります(*4度の方についてはIQが60未満の方)”


※著者注:障害者雇用率は令和3年3月1日付で変更があり、より高い障害者雇用割合が求められるようになりました
参考:障害者雇用対策 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html
なお、障害者雇用における重度障害者は障害者雇用促進法で定義づけられています。

身体障害者で次のいずれかの場合
・等級が1級、2級の人
・等級が3級で重複の障害がある人

知的障害者で、次のいずれかの場合
・療育手帳で程度が「A」とされている。
・児童相談所又は知的障害者福祉法に規定する知的障害者更生相談所、療育手帳の「A」に相当する程度とする判定書をもらっている。
・障害者の雇用の促進等に関する法律に規定する障害者職業センターにより「重度知的障害者」と判定されている。

(療育手帳上では重度扱いではないけれど)重度判定された人とは、つまり手帳上での知的障害は中度だが重度の判定を持っているため、雇用率でのカウントは重度扱いとなるということです。

私が参加した勉強会では、

重度判定をもっていることで、就労を願っている本人のとっても就職活動で有利に働くこともあるうえ、職場でも(重度障害があるということで)より配慮されるとのことでした。また一度判定されると更新の必要なく使えるとのこと、「重度判定がされず不服がある場合は5年後に再度検査にきてください」の説明もありました。

障害者職業センターへ

特別支援学校高等部のころ、企業就労を望んでいる生徒で療育手帳でA判定ではない(愛の手帳の場合は1度または2度ではない)生徒は重度判定を受けに行っていました。

息子は愛の手帳は3度で、療育手帳(愛の手帳)上は中度知的障害でしたので「企業就労を望む場合は判定を受けにに行ったほうが良いでしょう」ということでしたが、当時は企業就労を望んでいなかったので判定はしてもらいませんでした。

特別支援学校高等部を卒業後、息子は就労移行支援事業所に通っています。事業所の支援員のすすめもあり、先日息子は判定してもらいに障害者職業センターへ行きました。
参考:東京障害者職業センター
https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/

重度判定対象者

障害自体が重度かどうかは東京都の場合、下記になっています。

愛の手帳1度 …知能指数19以下
愛の手帳2度…知能指数20~34
愛の手帳3度…知能指数35~49(息子はここ)
愛の手帳4度…知能指数50~75

1度・2度の人は重度知的障害とされているので、判定を受けに行く必要はありません。重度判定の制度では愛の手帳3度・4度の人が対象となるので、3度を持っている息子は対象者でした。
参考:愛の手帳について(愛の手帳Q&A)| 東京都心身障害者福祉センター
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/faq/techo_qa/qa.html
次ページ「判定当日の流れ」

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