失敗に凹むASD息子を励ましたら「前はもっとダメだったの?」と衝撃を受け…さすがだった夫の声かけ
ライター:丸山さとこ
ある日のこと。できたと思っていた片づけのやり忘れに気づいたコウは、「最近の僕はダメだ。どんどんダメになっていってる…」と凹んでいました。
『最近のコウは以前に比べれば大分しっかりしている』と感じていた私と夫がそれを伝えたところ、彼は「以前の僕はもっとダメだったってこと!?」と衝撃を受けたそうで…?
「最近ダメになってきた」と言うけれど…?
「今でもこんなにダメなのに!?」
何をどう言っても大人の言葉をスルーすることに定評のあるコウです。
一歩引いたところからコウを見ている祖母にまで「賽の河原の石積」「のれんに腕押し」「刺さらない」と評される彼の”大人からの指摘”に対するスタンスは、物心がついたころから一貫していました。
そんなコウですが、先日ランドセルを片づけて「完璧だよ」と宣言したあとで溜め込んでいた給食袋を見つけたのをきっかけに「最近の僕はダメだ。どんどんダメになっていってる…」と凹むことがありました。
それを聞いた私と夫の頭上にはハテナマークが浮かびました。最近のコウは、以前に比べれば大分しっかりしていると感じていたからです。夫がそれを伝えると、彼は「え?今でもダメなのに、前はもっとダメだったってこと?」と目を丸くしました。
一歩引いたところからコウを見ている祖母にまで「賽の河原の石積」「のれんに腕押し」「刺さらない」と評される彼の”大人からの指摘”に対するスタンスは、物心がついたころから一貫していました。
そんなコウですが、先日ランドセルを片づけて「完璧だよ」と宣言したあとで溜め込んでいた給食袋を見つけたのをきっかけに「最近の僕はダメだ。どんどんダメになっていってる…」と凹むことがありました。
それを聞いた私と夫の頭上にはハテナマークが浮かびました。最近のコウは、以前に比べれば大分しっかりしていると感じていたからです。夫がそれを伝えると、彼は「え?今でもダメなのに、前はもっとダメだったってこと?」と目を丸くしました。
凹むコウに夫がかけた言葉
後悔が止まらないコウに、優しく静かに声をかけた夫
「前からそうだったなんて知らなかった」と言うコウに「前からそう伝えていたよ。成長してそれに気がつくようになったんだろうね」と私と夫が返すと、
「何で早く気がつかなかったんだろう…そのときに気がついていれば、今頃もっとマシだったかもしれないのに…」
と落ち込んで涙ぐみ始めました。
「何で早く気がつかなかったんだろう…そのときに気がついていれば、今頃もっとマシだったかもしれないのに…」
と落ち込んで涙ぐみ始めました。
「大人になってから気づくこともある。今気づいたのは運がいいと思うよ」と話しつつそんなコウを見ていた私は、『今ここで声をかけたら”凹んでケロリ”の定番パターンで終わってしまいそうだな』と感じて、どう声をかけたものか…と固まってしまいました。
せめてコウの自省の邪魔にならないようにと思い静かに見守っていたとき、夫が優しくそっとコウに声をかけました。
「これからやっていけるといいね。ひとつひとつやっていこう」
特別なセリフというわけでもないシンプルなその言葉は、不思議とその場の空気にスーッとしみていきました。
せめてコウの自省の邪魔にならないようにと思い静かに見守っていたとき、夫が優しくそっとコウに声をかけました。
「これからやっていけるといいね。ひとつひとつやっていこう」
特別なセリフというわけでもないシンプルなその言葉は、不思議とその場の空気にスーッとしみていきました。
後悔と凹む気持ちだけがただひたすら続きそうになっていたコウは、夫の言葉を聞いて「そうだね」と落ち着いて答え、涙をふいて宿題に取り掛かることができました。
『私も同じようなことがあったなぁ』とよみがえる記憶
そんなコウと夫の姿を見ていた私は、自分もかつて同じような状況で夫に救われたことがあったのを思い出しました。
もし慰めの言葉として「そんなことないよ」と言われたとしたら『全然私の話が伝わっていない』と絶望していただろうと思うくらいに、そのときの私は落ち込んでいました。そんな私の心にも、夫の「これからだよ」はストンと入ってきました。
普段人にも自分にも厳しい夫だからこそ、穏やかに伝えた「これからだよ」が説得力を持って響いたのかもしれません。
普段人にも自分にも厳しい夫だからこそ、穏やかに伝えた「これからだよ」が説得力を持って響いたのかもしれません。
『客観的に見た自分』の姿に凹むことはあるけれど
自分自身を俯瞰して見ることが苦手なコウですが、年齢が進むにつれて「自分って今こういう感じだな」と言うことが増えてきました。
同年代の子どもに比べるとゆっくりではありますし、その視点は大分独特なものだったりもしますが、彼なりに自分を客観的に捉えようとしているのだなと感じています。
自分を客観的に見ることで得られる発見の中にはうれしくないものもあり、そんなときコウは「今までずーっとそうだったのに、自然にそうなっちゃうのに、到底変われる気がしない…」と凹んだりパニックになったりします。
同年代の子どもに比べるとゆっくりではありますし、その視点は大分独特なものだったりもしますが、彼なりに自分を客観的に捉えようとしているのだなと感じています。
自分を客観的に見ることで得られる発見の中にはうれしくないものもあり、そんなときコウは「今までずーっとそうだったのに、自然にそうなっちゃうのに、到底変われる気がしない…」と凹んだりパニックになったりします。
今までは私が声をかけることや時間が過ぎることで気持ちを立て直すことが殆だったコウでしたが、夫の言葉で落ち着いて前を向いた彼を見て『夫の伝える「これからだよ」もコウの中に残ってくれるといいな』と感じた学校帰りのできごとでした。
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