【専門家にきく】発達障害がある子どものソーシャルスキルトレーニング(SST)とは?目的や方法は?
ライター:専門家インタビュー
発達障害があると、人間関係をスムーズに構築することが難しかったり、社会生活の中でトラブルが起きやすくなることがあります。なぜなら、ソーシャルスキルを自然に身につけていくことが難しい場合があるためです。そのスキルを身につけるために行うのがソーシャルスキルトレーニングです。
このコラムでは、鳥取大学教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生に分かりやすく教えていただきます。(取材/LITALICO発達ナビ編集部)
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
Q.発達障害がある子どものソーシャルスキルトレーニングとは?
A.ソーシャルスキルとは「対人関係や社会生活を営むために必要な技術・能力」のこと。このスキルを身につけるために行うのが、ソーシャルスキルトレーニングです。
発達障害がある子どものソーシャルスキルというときは、具体的には「挨拶ができる、友達と仲良く遊べる、人の話が聞ける、自分の気持ちを伝えられる、気持をコントロールできる、トラブルが起きた時にどうすればいいかわかる」などを指すことが多いです。
発達障害がある子どものソーシャルスキルというときは、具体的には「挨拶ができる、友達と仲良く遊べる、人の話が聞ける、自分の気持ちを伝えられる、気持をコントロールできる、トラブルが起きた時にどうすればいいかわかる」などを指すことが多いです。
発達障害がある子どもの中には、ソーシャルスキルを自然に身につけていくことが難しい子どもがいます。このスキルが不足していると、人間関係をスムーズに構築したり維持することが難しくなったり、社会生活の中でトラブルが起きやすくなります。
そのために、人との接触が減ったり、失敗体験を積むことが増え、孤独感を感じたり、うつなど二次障害につながってしまうこともあります。
ですが、ソーシャルスキルはトレーニングによって一定レベルは身につけていくことができます。トレーニングは次のような方法で行うことが多いです(※コーチング法の場合)。
1.教示
スキルが必要な理由や、身につけるとどのようなメリットがあるかについて言葉や絵カードなどを使って伝えます。
2.モデリング
お手本を示したり、不適切な例を見せてどうすればいいか考えてもらいます。
3.リハーサル
先生や保護者などを相手にロールプレイします。
4.フィードバック
子どもが適切な行動ができたらほめ、不適切な場合はどうすればよかったのかを分かりやすく伝えます。
5.般化
学んだスキルを、実際の場面でも発揮できるようにしていきます。社会生活の中でスキルを発揮できるよう、園や学校などとの連携、協力も大切です。
発達障害がある子どもは、まわりの様子を観察しながら社会性を身につけていくことが苦手な傾向があります。
例えば、「クラスメートとの会話が苦手」という課題の背景には
・相手が話しかけてきていることにうまく気づけない
・相手の意図していることが汲み取れない
・自分の気持ちをどのように伝えたらいいかわからない
などさまざまな要素が含まれている可能性があります。
指導する側は、どこに課題があるのかを見極め、スモールステップで目標を設定し、トレーニングをすすめることが大切です。
そのために、人との接触が減ったり、失敗体験を積むことが増え、孤独感を感じたり、うつなど二次障害につながってしまうこともあります。
ですが、ソーシャルスキルはトレーニングによって一定レベルは身につけていくことができます。トレーニングは次のような方法で行うことが多いです(※コーチング法の場合)。
1.教示
スキルが必要な理由や、身につけるとどのようなメリットがあるかについて言葉や絵カードなどを使って伝えます。
2.モデリング
お手本を示したり、不適切な例を見せてどうすればいいか考えてもらいます。
3.リハーサル
先生や保護者などを相手にロールプレイします。
4.フィードバック
子どもが適切な行動ができたらほめ、不適切な場合はどうすればよかったのかを分かりやすく伝えます。
5.般化
学んだスキルを、実際の場面でも発揮できるようにしていきます。社会生活の中でスキルを発揮できるよう、園や学校などとの連携、協力も大切です。
発達障害がある子どもは、まわりの様子を観察しながら社会性を身につけていくことが苦手な傾向があります。
例えば、「クラスメートとの会話が苦手」という課題の背景には
・相手が話しかけてきていることにうまく気づけない
・相手の意図していることが汲み取れない
・自分の気持ちをどのように伝えたらいいかわからない
などさまざまな要素が含まれている可能性があります。
指導する側は、どこに課題があるのかを見極め、スモールステップで目標を設定し、トレーニングをすすめることが大切です。
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