小2のASD息子、登校班でお友達とトラブル。変えてもらったけれどさっそく問題発生!?

ライター:taeko
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現在小学校2年生の息子ミミは、毎朝登校班で通学しています。
その班の中に、ミミが「苦手だな」と感じるお子さんがいて、「A君の隣はイヤだ」とか「こっちに来ないで」と言ったり、「絵の具忘れちゃダメなんだよ!」などの指摘をしては、トラブルになるということを繰り返していました。
そこで、登校班を変えたほうがいいと考えて…。

監修者初川久美子のアイコン
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

止まらなかった指摘

「Aくんの隣はイヤだ」というミミ
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ミミが1年生のころにも、Aくんに「○○が違うよ」などの指摘をすることが多く、Aくんのお母さんから「班を変えてもらいたい」と要望がありました。スクールカウンセラーさんの助言もあり、そのときは、ミミに伝えて登校班の並び順を変えようと提案しました。
ミミは「相手の嫌がることは言わない」と言ったので、様子を見ることにして登校班は変えませんでした。でもミミの指摘は止まらなかったのです…。

2年生の5月の朝、登校班の待ち合わせ場所でミミが「Aくんの隣はイヤだ」と小さな声で言いました。小さな声で言えたことを褒めたのですが、私の見えないところでミミがAくんに聞こえるように「Aくんの隣はイヤだ」と言っていたようで、子どもたちを見送った後にAくんのお母さんから呼ばれて「登校班を変えましょう」と言われました。そしてとうとう登校班を変えることになりました。
登校班を見送った後にAくんのお母さんに「登校班を変えましょう」と言われる母
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ミミのAくんへの指摘グセは一度や二度じゃなく、何度もAくんの嫌がる言葉を言っていました。それはイジメに当たるかもしれない。少なくとも相手はそう感じていたと思います。Aくんのお母さんは、学校の先生にもミミの指摘グセのことを相談していました。それでも改善されなかったのだから、ミミの登校班を変えてほしいとAくんのお母さんが要望するのは、自分の子どもを守るために当然かも?しれません。

担任の先生には1ヶ月前に、登校班を変えることができるのか確認したことがありました。先生の早い対応のおかげで、その日のうちに登校班の変更をすることができました。
登校班の変更を相談したら、すぐ対応してくれた担任の先生
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登校班が変わることをミミに伝えると…

帰宅したミミに、来週から登校班が変わること、好きじゃない子がそばにいたら少し距離を置くこと、「キライ」と思っても直接言わず私に教えて欲しい、といつも以上に真剣に伝えました。ちょっと落ち込んだ様子だったけど、少し時間が経つといつも通りになりました。

新しい登校班のメンバーを確認していたら、同じクラスのCくんがいました。それをミミに話すと、「Cくん、イヤなことを言ってくるからイヤだ」そう。ミミが今度は言われる立場になるのかも。もしかしたら良い経験になるかもしれないなと思いました。
Cくんのほかにも、年上のDくんと学童で関わりがあったらしく「Dくんがいるのか…」とミミ。
新しい登校班のメンバーを確認する母と、それを聞いたミミ
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新しい登校班からの登校が始まると…
「Dくんめ!!」とミミは、すごい敵対心。Dくんは年上の余裕?なのか、ミミを相手にしません。
登校班で歩き出すとミミはかかとを踏まれて「何で踏むんだよ!」とピリピリ。わざとじゃないよ、と私が伝えてもミミは「わざとだよ!!」とイライラモードです。

何が足りないんだろう?分かりやすい愛情表現が必要なのかな?私はミミを抱きしめました。
私が無意識に発する言葉がミミをキズ付けているかな…。
登校班での登校中イライラモードになるミミと抱きしめる母。
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新しい登校班の連絡網にミミの特性(ASDであること、通級に通っていること)を伝えて、何かあったら知らせて欲しいと送りました。
前の登校班ではミミが同じ登校班の子にイヤな思いをさせてしまっていたけど、今度はイヤなことをされる側になるのかも。ミミはイヤかも知れないけど、逆の立場になり、いろいろ経験になるチャンスだと思いました。

何かあったらそのときにまた考えよう。登校班を変えたことで私は心のうちで少しだけホッとしています。
いろいろな立場を経験することは親子共に経験になるはず。ミミは私のために登校班を変えてくれたのかも〜と都合良く考えようと思っています。
一緒に遊ぶきょうだい
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執筆/taeko
(監修:初川先生より)
これはとても難しいテーマだなと思います。
ミミくんにとっては、苦手な子と隣になることは嫌なことで、不安や落ち着かない気持ちになるのでしょう。それを「イヤだ」ということはある意味とても大切なサインを出していることです。しかし言われる側もまた子どもなので、それによって嫌な気持ちがうまれてしまいます。

対応の一つとして、「イヤ」に代わる表現をたくさん準備しておくことはできるかもしれません。
「心配だ」と不快な気持ちを表現してもよいですし、「○○さんと隣になりたい」という代替案を言えてもいいかもしれませんね。

もう一つとしては、環境調整もあり得ます。登校する時点でミミくんはストレスフルな状態になっていますが、登校後に影響はあるのでしょうか。お母さんが既に見守りながら一緒に登下校しているのであれば、まずは班から半分離れてお母さんと一緒に行くか、あるいはお母さんも一緒に登校班に入ってしまうかして、心穏やかに登校することを検討してもいいかもしれませんね。

心にゆとりがないと、苦手な子の嫌な部分だけが目につきやすいものです。安心して過ごす中で苦手な子の別の側面(優しいところなど)にも気づけるとよいのではないかなと思います。
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