21歳自閉症息子、やる気はあるのに就活難航。4月からの居場所は?焦る母に、息子は…
ライター:立石美津子
息子は現在21歳、特別支援学校高等部卒業後は就労移行支援事業所に通い、職業訓練を受けています。新型コロナ感染拡大の中、求人も少ないため就労移行支援事業所は2年限定の通所施設ですが、3年目に突入しています。
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
自閉症の息子、企業実習へ
自閉症の息子は現在21歳。特別支援学校高等部卒業後は就労移行支援事業所に通い、職業訓練を受けています。新型コロナ感染拡大の中、求人も少ないため就労移行支援事業所は2年限定の通所施設ですが、すでに3年目となります。
そんな中でしたが、息子は某有名企業の特例子会社で3日間の実習させていただきました。ですが結局、内定には至りませんでした。
そんな中でしたが、息子は某有名企業の特例子会社で3日間の実習させていただきました。ですが結局、内定には至りませんでした。
実習先で時間を持て余す息子
息子はせっかちな性格です。また、障害特性のため落ち着きがありません。家の中では時間さえあれば常に何かをしていたり、動いたりしています。そんな息子ですが、実習先では時間があるからといって、好きなことをすることが出来ないことはちゃんと分かっています。
実習中、企業側から寸暇を惜しんで何か仕事を与えられる様子はありませんでした。その場所は時間がゆっくり流れていました。息子は時間を持て余しているように見えました。もちろん、次々と仕事が与えられない職場が合っている人もいるでしょう。けれども、息子は明らかに退屈している感じでした。時間が空いて雑談をしている人もいましたが、息子は雑談が苦手なので、それもできずにいました。
また、定型発達の人であれば、仕事中、隙間時間があったら、「明日つくろうと思っていた資料を今日時間があるからやってしまおう」などと臨機応変にできますが、息子はそうではありません。やることがなく、かといってスマートフォンで好きな電車の動画やトイレの便器の動画を見る訳でもなく、ただ宙を見ていました。
実習中、企業側から寸暇を惜しんで何か仕事を与えられる様子はありませんでした。その場所は時間がゆっくり流れていました。息子は時間を持て余しているように見えました。もちろん、次々と仕事が与えられない職場が合っている人もいるでしょう。けれども、息子は明らかに退屈している感じでした。時間が空いて雑談をしている人もいましたが、息子は雑談が苦手なので、それもできずにいました。
また、定型発達の人であれば、仕事中、隙間時間があったら、「明日つくろうと思っていた資料を今日時間があるからやってしまおう」などと臨機応変にできますが、息子はそうではありません。やることがなく、かといってスマートフォンで好きな電車の動画やトイレの便器の動画を見る訳でもなく、ただ宙を見ていました。
就職をしたい息子
それでも、最後の親、本人、人事担当の三者の振り返り面談では、「希望すれば入社できる」と勘違いしているのか、自閉症の息子は「ここに就職します!」と言い出しました。「何が何でも早く就労したい!」と言う気持ちの表れで出た言葉だと思います。息子の特性を考えると合っていないように見えた職場でも、面談では常に、面接官にそう言います。息子の気持ちが痛いほど伝わってきて、私は切なくなりました。