今までを振り返っても
こういうのって親にとって、結構しんどいものです。今までを振り返っても、進路選択の度に悩みました。保育園卒園後、小学校をどこに進級するか悩み…
小学校卒業後の中学進級について悩みました。
私の住む自治体では、小学校で特別支援学校と特別支援学級に在籍している児童は、就学相談を経て中学の進級先が決められる形でした。けれども、11月になっても特別支援学級か特別支援学校か決まらず、具体的な学校名は年が明けて3月になるまで通知が来なかったため、私はやきもきしました。
私の住む自治体では、小学校で特別支援学校と特別支援学級に在籍している児童は、就学相談を経て中学の進級先が決められる形でした。けれども、11月になっても特別支援学級か特別支援学校か決まらず、具体的な学校名は年が明けて3月になるまで通知が来なかったため、私はやきもきしました。
中学3年生のときにはどこの特別支援学校に行くか、受験するか否か悩みました。
あっという間に特別支援学校高等部の3年間も過ぎていきました。高等部3年生のときには、進路先は就労継続支援B型作業所か、就労移行支援事業所か、障害者雇用枠での企業就労なのか、なかなか決まりませんでした。息子の友人の中には卒業式が終わっても決まっていない子もいて、親は先が見えなくて苦しんでいました。
さらに今は、コロナ禍の中で求人が減り、就労先を見つけるのが大変です。現在息子が通っている就労移行支援事業所に4年間通うことは制度的にできないようです。期限は今年度末(3月末)までなのにまだ息子の行く先が決まらない状態に、私はとても焦っています。
あっという間に特別支援学校高等部の3年間も過ぎていきました。高等部3年生のときには、進路先は就労継続支援B型作業所か、就労移行支援事業所か、障害者雇用枠での企業就労なのか、なかなか決まりませんでした。息子の友人の中には卒業式が終わっても決まっていない子もいて、親は先が見えなくて苦しんでいました。
さらに今は、コロナ禍の中で求人が減り、就労先を見つけるのが大変です。現在息子が通っている就労移行支援事業所に4年間通うことは制度的にできないようです。期限は今年度末(3月末)までなのにまだ息子の行く先が決まらない状態に、私はとても焦っています。
卒業した特別支援学校主催の、成人の会で
今年の5月に特別支援学校高等部の卒業生を対象にした、飲食なしの成人を祝う会が開催されました。その中で学校卒業後のそれぞれの進路先の発表の時間がありました。「きっと息子は、企業就職をしている同級生を、指をくわえて見るんだろうな」と私は少し憂うつな気分で出かけましたが、親の予想とは裏腹に、息子は高等部時代の友達に会えてとても喜んでいました。
そのときいただいた祝辞が心に染みました。
成人おめでとうございます。
あなたは大人になりました。 大人になるということは、 そこに責任が生じるということなのです。 みなさんはすでに選挙権を持っていますね。これからはお酒も飲めるようになります。
これは、あなた方が責任を持って自分の人生を生きていかなければならないということなのです。
でも困ったことが起きたときには、周りの人(親・先生など)に 相談してください。これは決して恥ずかしいことではありません。 周りの人にアドバイスを受けながら、しっかりした人生を送っていただきたいと思います。
がんばってくださいね。
親の苦労や心配をよそに、息子は今を楽しんでいる様子です。
もしかしたら息子は、“幸せな人”なのかもしれません。そして、幸せな子どもを見ていることが、私の幸せにもつながります。就職が決まらないからと言って、焦って悩んでばかりいてもしょうがないのかもしれません。
親にとっては、これからも長い子育てが続きますが、子どもを育てることって、一喜一憂したり、誰かのために悩んだり苦しんだりする。そして嬉しそうな子どもの姿を見てホッする、こういうことの繰り返しだとしみじみ思います。
執筆/立石美津子
(監修:鈴木先生より)
日本でもデンマークにあるような自閉スペクトラム症専門の学校が各地にあればいいのですが、わが国の場合、特別支援学校と特別支援学級のみで、その中間の学校がないのです。特別支援学校では特別支援教諭の免許を所持した教員の割合も多いですが、特別支援学級の先生は所持していないこともあり、担任によって知識の格差がみられているのが現状です。新学期になって行ってみないと担任が分からないため、小学校などの進路選択の時期になると親御さんたちは不安と同時に悩むのです。
就労支援に関しては、全国に発達障害者支援センターがあり就労支援を行っているようですが、あまり利用されていないのが現状です。各県で発達障害研究会が開催されていますが(今はコロナ禍で開催せず)、そこへ勉強にくる先生方は多くが小学校教諭です。中学・高校・大学・さらに会社就職と進むにつれてこうした研究会などを通して知識を身につけた支援者の割合が少なくなり、発達障害がある人に対する理解や配慮が十分ではないのが現状です。
成人おめでとうございます。
あなたは大人になりました。 大人になるということは、 そこに責任が生じるということなのです。 みなさんはすでに選挙権を持っていますね。これからはお酒も飲めるようになります。
これは、あなた方が責任を持って自分の人生を生きていかなければならないということなのです。
でも困ったことが起きたときには、周りの人(親・先生など)に 相談してください。これは決して恥ずかしいことではありません。 周りの人にアドバイスを受けながら、しっかりした人生を送っていただきたいと思います。
がんばってくださいね。
親の苦労や心配をよそに、息子は今を楽しんでいる様子です。
もしかしたら息子は、“幸せな人”なのかもしれません。そして、幸せな子どもを見ていることが、私の幸せにもつながります。就職が決まらないからと言って、焦って悩んでばかりいてもしょうがないのかもしれません。
親にとっては、これからも長い子育てが続きますが、子どもを育てることって、一喜一憂したり、誰かのために悩んだり苦しんだりする。そして嬉しそうな子どもの姿を見てホッする、こういうことの繰り返しだとしみじみ思います。
執筆/立石美津子
(監修:鈴木先生より)
日本でもデンマークにあるような自閉スペクトラム症専門の学校が各地にあればいいのですが、わが国の場合、特別支援学校と特別支援学級のみで、その中間の学校がないのです。特別支援学校では特別支援教諭の免許を所持した教員の割合も多いですが、特別支援学級の先生は所持していないこともあり、担任によって知識の格差がみられているのが現状です。新学期になって行ってみないと担任が分からないため、小学校などの進路選択の時期になると親御さんたちは不安と同時に悩むのです。
就労支援に関しては、全国に発達障害者支援センターがあり就労支援を行っているようですが、あまり利用されていないのが現状です。各県で発達障害研究会が開催されていますが(今はコロナ禍で開催せず)、そこへ勉強にくる先生方は多くが小学校教諭です。中学・高校・大学・さらに会社就職と進むにつれてこうした研究会などを通して知識を身につけた支援者の割合が少なくなり、発達障害がある人に対する理解や配慮が十分ではないのが現状です。
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