自閉症息子を育んだ「特別支援教育」は、発達に合わせた環境で学べるスペシャルなもので。細やかな支援、息子のための教材を振り返って

ライター:立石美津子
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私の息子は2000年生まれ21歳の知的遅れを伴う自閉症があります。学校時代は特別支援学校、特別支援学級を経験しました。
私は息子が特別支援教育を受けることができて本当によかったと思っています。
では、具体的にどのような点がよかったのかについてお伝えしたいと思います。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

自閉症の息子は、特別支援学級と特別支援学校に在籍

私の息子は2000年生まれ21歳の知的遅れを伴う自閉症があります。学校時代は特別支援学校、特別支援学級を経験しました。

息子の在籍学校・学級の変遷は、次の通りです。
・小学校1・2年生  特別支援学校
・小学3~6年生   特別支援学級
・中学        特別支援学級
・高等部       特別支援学校

発達が気になる子どもが、通常学級に在籍した場合

私自身は、息子が生まれる前の1995年、特別支援学校教員免許取得のため実習生として特別支援学校に入り、教壇に立ちました。またその後は、20年間、学習塾を経営していました。学校の授業についていけない生徒も多く、補習塾的な面もありました。私見ではありますが、発達が気になる子どもが通常学級に通った場合、考えられることをお話したいと思います。

通常学級での学習

・通常学級は定型発達の子どもが学ぶことを前提にカリキュラムが組まれている
・学年相当の学習を理解できることを前提に教科書は作られていて、授業が進んでいく

私の塾の教え子の中には、学校の担任の先生から、「勉強についていけていないので、塾に通い学力をつけてください」と個人面談で言われている子がいました。

「学校の先生、無責任すぎる!」と感じるかもしれませんが、学校の先生は、学年末までに教科書を最後まで終えなくてはなりません。「クラスの子全員に理解させるために、教科書は3分の2の範囲までしか進んでいません」ということは許されないのです。

そのため熱意がある先生などは、早朝や放課後などに、理解していない生徒を集めて補習することもあります。ですが教員は、さまざまな雑務があり、とても忙しいのです。これができる先生ばかりではありません。
次ページ「特別支援教育用の教材との比較」

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