みんなが無視する!?友達付き合いが苦手なADHD息子。小1で「発達障害かも?」と感じ、小4でADHDの診断を受けるまで

ライター:かなしろにゃんこ。
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ADHDと広汎性発達障害の診断を受けたのは小4のときでした。私は子どもに発達障害があるのでは?と思いながら事実と向き合うことから逃げていました。
「アレ?もしかしたらうちの子って発達障害かな?」と感じたのは小1のころでした。

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監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

最初に「もしかしたら発達障害かな?」と感じたのは小学1年生のころ

教室にいるとき、なにかしていないと落ち着かない息子
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小学4年生のときにADHDと広汎性発達障害と診断を受けた息子のリュウ太。「もしかしたらうちの子って発達障害かな?」と感じたのは小学1年生のころからでした。

リュウ太が小学校に入学してすぐに集団行動ができないことで担任の先生から相談がありました。教室が落ち着かなくて机に座っていられずにソワソワしたりイライラして鉛筆をかじってしまうことがあり、鉛筆はいつもボロボロでした。
思い返すと「発達障害なのかな?」と感じたことはいろいろとありますが、「ん!?やっぱり変わってるかも」と思ったのはクラスの子とのコミュニケーション。小学校低学年から小5まで、息子は半端なく人づき合いが苦手でした。

それはこんなことからでした。

相手の反応は気にせず、話し続ける息子

相手の反応は気にせず、自分の好きな話をくり出す息子
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息子は学校から帰ってくると「みんな僕の話を聞いてくれない! 無視する!嫌がって文句言われる!」と頻繁に愚痴を言っていました。私は、(この子ってみんなに嫌われているのかしら…?)と思い心配しました。

担任の先生からの説明ではこうでした。「リュウ太くんは早口でまくし立てるように話すので相手が圧倒されてしまったり、突然自分が話したい話題を前置きもなしに長く話すので話された子は困ってしまって、逃げてしまうことがあるんです。話したいことをセーブしたり相手の顔色を伺って話すことは、年齢的にもまだできなくても仕方がないのですが、うまくいかないと感じた経験から少しずつ周りの子とのつき合い方を覚えていけるといいですね」

担任の先生からそう聞いてから改めて息子を見てみると、相手の反応を見て“今聞いてもらえそうか?話題に興味がありそうか?”などを考えいないようでした。そんな様子を見て「コミュニケーションが下手すぎるな」と感じました。
特に低学年くらいの時期はまだ相手の気持ちを尊重してつき合うなどは難しいのかもしれませんが、息子の場合は特に自分の話題やタイミングがまずかったんじゃないかな?と考えずに同じことを何度も繰り返すことが多くありました。それでさすがに「この子は自分以外の人の気持ちや状況を判断する力が乏しいかもしれない、これって発達障害なのかも?」と思うようになりました。
失敗を生かさない息子
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周りを見て判断する力が乏しいような気がする…
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こんなことを小3のときに担任の先生に相談した際に「教育相談所にお話ししてみませんか?」と勧められました。そして、市が運営する生涯支援センターの教育相談所に息子と通うことになります。そこから相談員の方に「発達障害の心配があるのならクリニックで検査を受けてみるのもいいですよ」と勧められて、クリニックを受診しました。

でも、発達障害があることが分かっても療育が進むわけではなく、息子の人づき合いの苦手感は高学年になっても続きました。
周りの子と趣味が合わず…
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周りの子と趣味が合わないことでも浮いてしまいます。複数の子に混ざって雑談の輪に入っても流行りの話題についていけずうまく混じれない。ですので、輪の中でも仲の良い友達とだけ話そうとするので雑談の雰囲気を壊してしまい、結果仲間に入れてもらえなくなってしまいました。
一対一でないとうまくつき合えない
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話題がコロコロ変わるとついていけない
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息子に雑談の空気について聞いてみると、一人ひとりの会話を拾って返答することが結構難しかったのだそうです。だから一対一でつき合う関係が楽なんだ、と。趣味の幅を広げられるようになった中2のころからはいろいろな人と話せるようになったと言います。

小学生時代は人間関係でつまづいてしまったときに「自分のやり方の何がいけなかったかな?」と考えて、成長するスピードが遅くて失敗続きの息子を見ては心配してハラハラしていました。勉強ができない心配よりも友達とうまくやれないことが一番心が痛かった母でした。

執筆/かなしろにゃんこ。
(監修:初川先生より)
お子さんが帰ってきて「みんな話を聞いてくれない!無視する!」と訴えたら、とても心配になりますよね。その後かなしろさんは担任の先生のお話を聞いて、リュウ太くん目線の出来事と、周りの子目線での出来事の見え方の違いに気がつかれたのですね。自分の言動に自覚的であることはなかなか難しいので反省して次に生かすことはとても難しいです。そのために、特別支援教室などでは、スキルとして「人の話を聞く」「自分の好きな話をする」ことをロールプレイやゲームなどを通して学び、その後、生活場面での実践へと至ります。

さて、お子さんが人づき合いで苦戦しているのを見ているのは保護者としてハラハラしますし、つらくなることもあると思います。お子さんがそのことについて家でこぼした際に、叱咤激励するのではなく、苦戦を労いつつ、「一対一で話すほうが楽」の話のようにお子さんなりの工夫を聞いてみるのはとてもいいですね。お子さんなりに試行錯誤するのを見守るのはハラハラしますが、そうして身につけたスキルは一生ものだと思います(※あまりにもお子さんが苦戦していてつらそうな場合は、担任の先生や教育相談所の方など、教育・心理の専門家にぜひその旨ご相談くださいね)。
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