ASD小6コウの修学旅行「迷子になる?持ち物は探せる?」母の立てた渾身の対策とは

2022/01/06 更新

ASDとADHDのある息子コウ。「行けたらいいなぁ」と楽しみにしていた修学旅行が近づいてきたある日のことです。「学校で配られたよ!」とコウが見せてくれた修学旅行のしおりの”持ち物一覧表”を見ると、そこには大量の持ち物の名前がズラリと並んでいました。

忘れ物・迷子・タイトなスケジュールなどなど…心配事はいろいろありますが、家で行える準備を工夫してみることにしました。

丸山さとこ
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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

修学旅行…楽しみでもあり、不安でもあり?

ASDとADHDのある息子コウ、小学6年生。「行けたらいいなぁ」と楽しみにしていた修学旅行が近づいてきました。
楽しみにしていた修学旅行!けど、いろいろと心配なことがあって…?
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自他ともに認める”迷子になりそう”なコウ

クラスメイトの子に『丸山、迷子になりそう』と言われたというコウは「僕もそう思う」と笑っていましたが、本当に迷子になりかねないコウなので笑いごとではありません。

「見学で夢中になって群れから離れないように気をつけてね。周りを見るようにしてね」と改めて念押ししたものの、それで何とかなる子どもであればADHD治療薬の服用をすることもなかったでしょう。

「もうあとは祈るしかないな…先生及び班員のみなさま、(多分)ご迷惑おかけします…!」という気持ちで支度を進めました。

楽しみにしていた修学旅行は”たっぷりの荷物”と共に

ただでさえ心配の尽きない修学旅行ですが、荷物の準備中に「日中持ち歩くリュックを自室から持っておいで」とコウへ言うと、「あー、それ、家庭科でつくったナップサックに入れるんだって」と驚きの返答。
「家庭科でつくったナップサックを使うんだって」と言うコウに、「あの量の荷物を入れるの!?」と驚く私
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普段のお出かけはポケットを使い分けることで荷物を管理しているコウです。そんな彼が、ポケットのないナップサックに全ての荷物を入れたらどうなるのでしょうか…?

「これだけ沢山の荷物をナップサックに入れたら、何か出すたびに道路や床に物を散らかすことになるのでは?」と、目に浮かぶ光景にゲッソリしながら、「これは何かしらの対策が必要だな」と思いました。
『焦ったら、路上でもナップサックをひっくり返して探すかもしれない…』と心配になる私
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ポーチと大判の袋で、荷物を分けて収納!

ナップサックの中の荷物は、ある程度まとめつつ”分けて収納”

班行動中にナップサックで持ち歩く荷物の数は結構多くて、全てナップサックへ入れたところ「これだけ荷物がギュウギュウに入ってると、底に沈んだ小さな物を探すのは大変だね…」という感じになりました。

そこで、小さな物や薄い物はそれぞれポーチに入れることにしました。カッパ・マスク・ビニール袋は、分けて収納ができるメッシュケースにin!”収納場所のサイズとしまってある物のサイズ”を揃えることで、感覚的に分かりやすい収納になりました。
ナップサックの中で見つけにくそうな物はメッシュケース入れて分かりやすくしました
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シーンごとに袋分け!スポーツバッグ(ボストンバッグ)の中身

スポーツバッグに入れる衣類や洗面用具は、使用シーンごとに分けてまとめることにしました。
スポーツバッグの中身は、シーンごとに袋やケースに入れてまとめました
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・入浴時に持っていくタオルやパジャマなどをナップサックに入れた『お風呂セット』
・2日目の朝に着替える服を巾着袋に入れた『2日目衣類セット』
・予備のタオルや衣類をメッシュケースに入れた『予備の物セット』
・そしてハブラシとコップの『ハミガキセット』

浴場にいくときは『お風呂セット』、朝着替える時は『2日目衣類セット』、予備の着替えが欲しいときは『予備の物セット』と、使用シーンごとに使いやすいようまとめました。

そうして荷物を整理してみた結果

意外なほど、コウからは好評でした!

もし「細かく分けられると返って使いにくい」などコウから不評であればやめようと思いつつ用意してみた”袋分けシステム”でしたが、「分かりやすいしスゴく便利!」「見たら分かるし取り出しやすいよ」と喜んでくれました。
まとめられた荷物を見たコウは「分かりやすいし取り出しやすい!すごく便利!!」と喜びました
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「〇〇はどこ?」と聞いて取り出せるか確かめましたが、どれもスムーズに取り出すことができたので『大丈夫そうかな?』と思い荷物をまとめ、コウは修学旅行へ出発しました。

帰宅後、コウに結果を聞いてみると?

『準備しているときに今分かっていても当日は焦って取り出せなくなるかもな~』と思っていましたが、その後修学旅行から帰ったコウは「大丈夫だったよー」と言っていました。後に担任の先生からも「移動中も集団から離れることなく行動できていましたし、支度も大きく散らかさずにできていました」とうかがってホッとしました。

彼の”自称大丈夫”は今一つ信憑性に欠けるため出発前は心配していましたが、『荷物関連で困ったり焦ったりすることなく修学旅行を楽しめたのであれば、それはよかった!』と嬉しく思いながら、家族みんなでお土産のお菓子を食べました。
少し心配だったコウの修学旅行でしたが、たくさんの名菓とともに無事帰ってきました!
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執筆/丸山さとこ
(監修:鈴木先生より)
ADHDのある人のカバンや引き出しの中はゴチャゴチャしてしまうことが多くあります。カバンいっぱいに荷物を詰めすぎることがあるのでチャックが閉まらず開いたままということもあります。このようなことがよくある方の場合、カバンもナップサックも同じようなもので、手を入れて手探りで物を探す光景を私の外来ではよく目にします。カバンの中を見られるならば、色のついた子袋に分けるのも一つの方法でしょう。しかし、カバンの中が荷物で埋まっていて上から下まで見ることは不可能な場合も多いです。そういう場合、今回のように手触りでも分かりやすい袋などに分けておくといいでしょう。今回の場合、「使い慣れたリュックサックでもいい」という学校側の配慮もあったらよかったのかなと思いました。
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